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「理系=数字に強い」→「お金や経済にも強い」ではないから、あえてのマネリテ教育〜リケジョな子育てVol.13〜

noteマガジン『東工大飛び級ママの「リケジョな子育て」』/第13号です。
このnoteマガジンは、発行人・福所しのぶが日経xwoman Terraceブログに投稿したオピニオンのうち、「子育て・教育」テーマのものをピックアップし、一部再編集してお届けしています。

今回は2022年12月21日の投稿から。元の投稿は、日経xwomanに掲載された記事『お金の価値が「見えない化」 金融教育どうすれば』(下記リンク)を受けて、感じたことや気づきをシェアさせていただいたものです。
では、どうぞ!

※以下の本文中、「参照記事」とあるのは上記リンクの記事を指します。


資産所得倍増プランやNISA制度の恒久化など、マネーリテラシーとして貯金以外で「運用する・投資する」ことを学ぶ必要性が増えてきましたね。

理系というと、「理系→数字に強そう→お金や経済にも強そう」と思われることがあるのですが、残念ながら「数字に強い」と「お金や経済に強い」は必ずしもリンクしなかったりします。

理系の人は技術を追求することに強い興味があることが多いので、お金よりも好きな研究ができれば…という発想になることも多かったりするのです。数字の扱いには慣れているはずなので、勉強してみれば「なるほど!」と感じることも多いと思うのですが、食わず嫌いなこともありそうです。

でも、開発した技術を広めるためには経済のしくみを知ることも大切ですし、そもそも長期化するキャリア人生の中でマネープランを考えておくことは誰にとっても欠かせないものとなってきていますよね。

私は基本的に(本人の興味が向くならという前提で)理系応援派ですが、子育てする上では理系の人が見落としがちなお金や経済のことにも触れていきたいと考えています。

教育現場での金融教育としては、2022年度から必修化されていますが、参照記事によれば教科書の見開き2ページ程度とのこと。「え!そんなものなのなんだ…」というのが率直な感想です。

というのは、このご時世NISAやiDeCoなどを活用されている方も多いと思いますが、私も始めるにあたり一体何冊の本を読んだことか…(自分のお金を動かしながらなので、それはそれは真剣に(笑))。到底見開き2ページで収まるものではないわけです。

「学校で習うから大丈夫」ではなく、学校で習うことは興味を引き出すための入口だと捉えた方がよいかもしれないですね。ただ、高校生だと親の体験を素直に聞くには少々遅いのではなかろうか…?となると、先手先手でお金に対する価値観をしっかり育んでいくのが大切だと思いました。

私自身は、小学校にあがる少し前からお金との向き合い方を伝えはじめています。今回はリアルなお金を使いはじめた小学校低学年の頃の話をシェアしたいと思います。

まず、お金について考えるべきことを突き詰めていけば、比較的シンプルで、次の3つのことになると思っています。
①稼ぐ
②貯める
③運用する

このうち、小学校低学年の段階では、①の「稼ぐ」や③の「運用する」を本格的に学ぶのは実際問題として複雑なので、まずは②の「貯める」を通してお金の価値観を育むことに注力しています。

「貯める」といっても、生活をしていく上ではお金を使うことも必要。となると、②の「貯める」は裏を返せば「賢く使う」ことと言い換えることができます。つまり、収支がプラスになるように使うことを心がければ、必然的に貯まるというわけです。

私はこの『賢く使う』という表現が気に入っています。

ただ単に貯めるのがよいということではなくて、生活を充実させるため、あるいは自分を成長させるために使うべきところは使う、でも無駄遣いは控えるというニュアンスをこめて使っています。

そして、この「賢く使う」には、小学生の子供もお金の価値を意識しやすいシーンとして、おもちゃやホビーなどの嗜好品を買う場面で、次の3つの要素を伝えています。それは、
(i) 長く使えるものか?
(ii) そのときだけ楽しいものか?
(iii) 自分のお小遣いを出しても買いたいか
の3つです。

気に入っていて長く使えるものであれば「買い」の候補です。
長く使えるものは少々値が張ることもありますが、長期的にみればコストパフォーマンスが良かったりします。あるいは、継続的に使うことで考える力をつけてくれたり、趣味の幅を広げてくれるようなもの(つまり大人で言えば自己投資的なもの)もこの部類に入ります。

次に、そのときだけ楽しいもの、の扱い方です。
これは一般的には浪費ですが、ここをゼロにしてしまうと生活の潤いがなくなることもあります。そもそも子供の買い物はそのときだけ楽しいものということも多いもの。なので、これがダメなのではなく「そのときだけ楽しいもの」だとわかった上で、今その楽しみを得ることと我慢することを一旦は天秤にかけることを促します。
そしてもし、このカテゴリーで使う場合は、範囲・限度を決めて楽しむことにします。

そしてたまに、パパ・ママが出してくれそうな雰囲気だから、長く使えるかorその時だけ楽しいかの判断は置いといて…といった甘えがでることがあります。あるいは、その質問はもう飽きたよという感じのとき(笑)。その場合は「自分のお小遣いを出しても買いたいものなのかな?」と問いかけてみます。そうして、子供が自ら要・不要の判断をすることを促します。

そんな形で、小学校に上がる前後からお金とその価値・使い方を意識するよう促してきたのですが、3年ほどたった頃には、ある商品が別の似た商品より安くなる理由にも目が光るようになってきました。

例えば、スーパーで私がこれはお値打ちでは?と手にしたところ、「ママ!それ消費期限が明日だからぜんぜんお得じゃないよ!安くても食べ切れないよ。こっちにしなよ!」と指摘されるなど。

じっくり気長に取り組む必要はありますが、「賢く使う」などの端的に価値観を伝えられるキーワードを繰り返し使うのはおすすめです。我が家のお金の価値観ことはじめ、ご参考になりますと幸いです。

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