3つの幸福ホルモンについて知る
さて、休憩は終わりだ。
トイレは行ったかい?
ではここからは下記のように「人生のゴール」というのを分解し、明確にしたうえで
さらに具体的な「達成手順」について見ていこう。
まず、「3つの幸福ホルモンについて知る」だね。
当たり前だが、何よりも最初に「3つの幸福ホルモンはどういったものなのか」について知らないといけない。
これは、味覚に例えるなら「甘味って何?塩味って何?」ということを詳しく知ることと一緒だ。
そして次に、「それぞれのホルモン分泌を、どんな方法で促すことができるか」という事を知る必要がある。
味覚なら、「どんな食材を使うと甘味が増えるのか?どう組み合わせるとうま味が増えるのか?」などを知ることに似ているね。
これらを知識として身に着けたら、あとは実践だ!
「味のバランスの整った美味しい料理」を作ってみるように、「3つの幸福ホルモンの分泌バランスを整える幸せな体験」というのを、自分のために用意してみよう。
つまりね、
「味覚」について勉強して、自分のために「美味しい料理」を作るみたいに、
「幸福ホルモン」について学び、自分で自分のために「幸せな体験」というのを作ってあげられるようになる
これが、人生という「クソゲー」を、「神ゲー」に変えるための、最も重要な最初の一歩なんだ!
いいかい?
君たちは、まず何よりも「自分で自分を幸せにする達人」になりたまえ!
まるで、自炊で自分のために毎晩すごく美味しい料理を作って食べる、料理マンガの主人公みたいにね!
これが、僕がこの第一章を通じて伝えたかったことだ。
例えるなら【幸せの自炊スキル】を身に着けること、と言えるだろう。
さぁ、ではここから具体的に、幸せの自炊の仕方を研究していこう!
3つの幸福ホルモンとは
まず改めてだけど、幸せに関与していそうなホルモンというのを、役割などの違いから大きく3つに分類する。
それが
セロトニン
オキシトシン
ドーパミン
の3つだ。
で、すごく分かりやすく言っちゃうと、
セロトニンは「身体や心の爽快感」に関連して分泌され
オキシトシンは「つながりや愛」に関連して分泌され
ドーパミンは「獲得や達成」に関連して分泌される
という3つの方向性に大別できる。
だから、駆け足で言っちゃうと
身体か心にとって「すがすがしい~!気持ちいい~!」な事をやるとセロトニンが分泌され
自分以外の存在と「繋がってる~!愛を共有してる~!」な事をやるとオキシトシンが分泌され
何かを「手に入れたぞぉ~!達成してやったぞぉ~!」な事をやるとドーパミンが分泌される
という風に言えちゃうわけだ。
で、そもそも「何でこの3つの行動をやると幸せを感じるのか」という話なんだけど、簡単に言うとこの3つの行動はぜんぶ「人類が生存しやすくなる行動」なんだよね。
だから、逆に言うと、「この3つの行動で、脳が気持ちよくなって幸せを感じる」という性質を持った人間の方が、生き残りやすかったわけだ。
そして、実際にそうやって生き残った「この3つの行動で幸せを感じる」という性質を持った人類の子孫が、僕たちってこと。
だから、この3つは人類が「全員生まれ持ってきた」性質というわけじゃない。
きっと「他者を殺戮して苦しめると快楽と幸せを感じる」というタイプの人もいた(もしくは今もいる)んだと思うけど、そういう人は「他者と愛を共有した時に幸せを感じる」タイプよりも、孤立しやすくて多く生存できてないんだ。
その、ある意味「少数派」を描いたのが、ジョジョの奇妙な冒険の第四部に出てくる「吉良吉影」だと言えるよね。
さて、ちょっと話がそれちゃったけど、下記を覚えておこう。
これが、【幸せの自炊】のために必要な基本食材になるからね。
で、この本ではこれ以上「セロトニンとは?」みたいな、それぞれの幸福ホルモンについての細かい説明などはしないことにする。
なぜかというと、「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」という3つの単語で調べれば、色んな本や動画などの参考資料が山ほど見つかるからね!
この「人生の攻略書」では、そういう細かい部分ではなく、
人生のゴールをうまく明確にして
【幸せの自炊スキル】を身に着ければ
実はこのゲームは結構簡単なんだぜ
という事を理解してもらえれば十分だ。
だから、
【美味しいご飯を自炊】し始めても、分からないことがあったらその都度、レシピを見たり料理動画を見たりして調べるように
【幸せを自炊】し始めても、分からないことがあったら、その時々で、自分でホルモンについて調べなおしたり、本や動画を見たりして勉強しなおすようにしなさい。
最も重要な事は「幸せを自炊し始めること」なんだからね!
さて、じゃあ次は具体的に「幸せな体験」を自炊するための、「食材集」を見ていこうか。
3つのホルモンを分泌するための「食材集」
まず、セロトニンだ。
セロトニンが分泌されやすくなる活動を、僕がうまく整理してみたものが下記だ。
全部で5方向、21種類の「セロトニンを分泌するための食材リスト」が完成だ!
身体活動による体験:リズミカルな運動や、自然を感じながらの軽度な運動など、なんとなく「身体に良さそう」な運動は実際にセロトニンが出るみたいだ
食事による体験:栄養バランスが良い食事を、できるだけリズムよく、よく噛んで食べること!身体に良い=セロトニンが出る、と言ってもいいよね
日光や環境による体験:朝に日光浴びたり、自然を感じたり。これもなんとなく「身体が喜びそう」な事はそのままセロトニンに繋がると言えるようだ
心理的・感情的な体験:笑ったり、感謝したり、瞑想したり、リラックスしたり。あと、小さな達成感とか積み重ねなどを実感してもセロトニンは出るみたいだね
趣味や娯楽による体験:これはドーパミン系だと思っていたけど、同時にセロトニンも出るらしい。すごく刺激的なもの!というより、じわーっと喜びを感じたり、集中して没頭できたりするものが、セロトニン分泌を促進するイメージだ
もちろん、これは僕が勝手に作ったものだ。
特徴としては、「自分の行動としてコントロールできるもの」に絞ってみた。これら21種の体験は、全部「自分が意識すればほぼ確実に実践する」ことが可能になっている。
君も色々と調べて、分類して自分なりのリストを作ってみるといい。
それにしても、どうだい?
こうやって見ると、あまりに簡単な事が多いのが分かるだろう?
では次は、オキシトシンだ。
オキシトシンは下記のように分類してみた。
こんな感じでどうだろう?
全部で6方向、19種類の「オキシトシンを分泌するための食材リスト」だ。
社会的なつながりによる体験:他者と繋がっている感覚を味わった時、という感じだね
育児・家族関係による体験:面白いことに、あかちゃんを世話したらほぼ強制的にオキシトシンが分泌される!(笑)家族と一緒に食事をしたり、共同作業するのも大事そうだ
恋愛に関係する体験:友人や家族とまた別で、特別な恋愛感情を感じる相手との時間やスキンシップはすごくオキシトシン出るみたいだ
コミュニティや社会的活動による体験:これはまたちょっと別だね。少し大きい意味での「共同体」とか「仲間」を感じられるような活動に参加することでもオキシトシンが分泌されるってこと
共感や感謝の表現による体験:これも面白い。自分から他者に感謝したり、親切にすることで、オキシトシンが分泌されるんだ
リラックスによる体験:相手が人間じゃなくてもオキシトシンは分泌される!ペットでもね。あと、誰かにマッサージしてもらうだけでも良いらしい
こうやって見ると、オキシトシンの分泌も意識すればそこまで難しくないものが多いね。
ただ、他者との関係が必須なものが多いから、コミュニケーションや人間関係についてのスキルが必要になりそうだ。
めちゃくちゃコミュ障だったり、嫌われるのを怖がっていたりする人だと、オキシトシンを分泌する体験が、少なくなっちゃいそうだよね。
さぁ、最後はドーパミンだ。
ドーパミンについては、下記のように分類した。
全部で6方向、22種類の「ドーパミンを分泌するための食材リスト」の完成だ。
学習と達成感による体験:新しいことや難しいことに挑戦し、比較的大きな目標を達成した時や対決に勝利した時などに、ドーパミンがたっぷり出るようだ。自己成長に深く関係しているみたいだね
期待と報酬を得る体験:新しい何かを得られる期待でワクワクしている時、ドーパミン分泌は活発になるという事だね
社会的な賞賛や承認による体験:褒められるとドーパミンが出る!(笑)まさに承認欲求というやつだ。
挑戦やリスクを楽しむ体験:これはそもそも、身体がドキドキするような体験とか、心がドキドキするような体験だね。ジェットコースター、ギャンブル、ゲームなども全部この辺に該当しそうだ。
クリエイティブな活動による体験:何か創造している感覚、表現している感覚なども、ドーパミンの分泌を活性化する!クリエイターハイになるって感じかな
身体的な快楽による体験:これは分かりやすく、お酒やセックスなどもドーパミンが出るってこと。刺激的に気持ちいぃ~!!ってなるやつだね。
ドーパミンの食材集は、他の2つに比べると「お金がかかるもの」が多いのが特徴になっているね。
ただ、ゲームやSNSなどは無料になってきている世界だから、もう少し正確に表現するなら
「ドーパミンは他人が創ったサービスを使うことで得やすい」
という特徴があると言えるだろう。
セロトニンの食材集にあった「日光を浴びる」とか「よく噛む」なんてのは、誰かに手伝ってもらうような事じゃないだろう?
つまり、セロトニンを分泌するための体験というのは「他者が手伝える範囲が少ない」という風に言えて、それは言い換えると「自分で管理して、自分で生み出しやすい」という事でもある。
そして、オキシトシンの食材集も「他者の存在は必要」だったけど、「他者に手伝ってもらう」というよりは、むしろ「自分が他者を手伝ったり助けること」によって分泌される傾向があった。
それと比べると、ドーパミンを分泌するための体験は、明らかに「自分の力だけで作りづらい」から、逆に言えば「他者が手伝える範囲が大きい」という特徴があるんだ。
それもあって、ビジネスで提供されるサービスや商品というのは、必然的に「ドーパミンを分泌する体験を手助けするもの」になりがちだ。
そして、それ(ビジネスでお互いのドーパミン分泌を促進すること)が加速しすぎた結果、「お金で買えない幸せって何だろう」のところで話したように、
という感じの、本末転倒のバカっぽい状況になっているのが現代社会だと言える。
でも、どうだい?
こうやって、幸福の3大ホルモンを整理し、特徴を理解したり、分泌を促すための体験をリストアップしたりすれば、
ちょっと自分はドーパミンに偏りすぎてる傾向があるから、セロトニン増やすように意識しよう
最近、オキシトシンが足りないよね・・・じゃあこんな活動に参加してみようかな
みたいに、バランスよく【幸せを自炊】できるようになると思わない?
それはまるで、
ほっとくと甘味ばっかり増やしちゃって麻痺してくるから、苦味系のメニュー・・・今日はゴーヤチャンプルにしよう!
ここ数日、ずっと塩辛いものばっかりだから、夕飯は塩味を減らしてうま味でじっくり味わう系・・・あご出汁と鶏つくねのスープとかいいかも?
みたいに、毎日バランスよく【美味しいを自炊】できるのと似ているだろう?
全然難しいことじゃないんだ。
美味しいを自炊できる人類は、幸せも簡単に自炊できるようになるはずだ!
最低限の知識と、そもそも「幸せを自炊しよう」という意識と習慣。
それがあれば、【幸せを自炊するスキル】は、誰でも身に着けられるものだと僕は思っている。
さぁ、ここまでで、
3つの幸福ホルモンについて知る
それぞれのホルモン分泌を促す、一般的な方法を知る
自分で分泌バランスを整える練習をする
幸福ホルモンを自己調整する
という「人生のゴールを達成する手順」について、2番目までを学んだことになる。
次は、さっき紹介した「それぞれのホルモン分泌を促す食材リスト」を上手く組み合わせて、
自分だけの得意レシピ
を開発してみよう!
【美味しいを自炊】するのが上手な人って、必ず「得意料理」とか「鉄板レシピ」みたいなものを持っているだろう?
それと同じで、君の性格や考え方、好き嫌いとか行動習慣などにフィットした、君だけの「得意レシピ」を創るんだ。
組み合わせる食材は、今回はさっき僕が創った食材リストを使ってみよう。
セロトニン:5方向、21種の体験
オキシトシン:6方向、19種の体験
ドーパミン:6方向、22種の体験
これらの食材リストを組み合わせて、【自分を最高に幸せにできそう】な体験を新しく考えてみるんだ。
それが、君だけの「得意料理」になるからね。
じゃあ、これを来週までの宿題にして、今日は終わりだ。
また来週、君だけのスペシャル料理を聞けるのを楽しみにしてるよ!