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牛場研究室に入るために理工学部に進学を決めてから11年。LIFESCAPESの事業に人生を懸ける理由

こんにちは!株式会社LIFESCAPES採用担当です。
本日は、取締役CSO/事業戦略部部長 の林さんにインタビューをしてまいりました。

・幼少期から学生時代のエピソード
・牛場研究室との出会い
・今後の展望

についてお話しして参りますので、「大学発のベンチャー企業に興味のある方」や「未踏の地に挑戦するのが好きな方」はぜひ最後までご覧ください。




取締役CSO/事業戦略部部長 林 正彬

(株)ディー・エヌ・エーに新卒入社後、ヘルスケア領域での新規事業開発やサービス企画、法人営業、アライアンス業務に従事し、数億円規模の事業成長を達成。在職中、慶應義塾大学大学院にて博士(理学)を取得し、eLife、NeuroImage等を執筆。2021年7月にLIFESCAPESにジョインし、事業開発、臨床開発、薬事戦略等を担当。




幼少期から中学時代までのエピソード

ー病弱で引っ込み思案だった少年が空手に出会い変化していった

幼少期は、病弱で引っ込み思案な性格でした。病院に行くことも多く、医療が身近にあった記憶があります。

そんな私を心配して、幼稚園生の時、両親が小学校の体育館で放課後に開催されていた空手の教室に通わせてくれたのが人生の転機になります。

最初は、イヤイヤ通っていたのですが、1年くらい通っていたら熱中してきて。そのタイミングで、全国大会に出場する選手もいるような本格的な空手の道場に通い始めるようになりました。それからは空手づくしの生活でしたね。

月曜から日曜まで、ほぼ毎日練習に参加していました。少年の部から始まって、青年の部、シニアの部と夜まで練習が続くのですが、少年の部から参加して、夜のシニアの部までずっといて22時くらいに帰宅する、みたいな生活を送っていました。

空手に出会ってからは体も強くなり、今では性格も真逆で、社内のメンバーに幼少期の話をしても信じてもらえません(笑)


ー研究に興味を持ち出した中学時代

中学校からは慶應義塾普通部に進学しました。
文化祭が少し変わっていて、各々が自由に取り組んだものを発表する、という形式だったんです。

周りの友達は、みんな夏休みの間にモノ作りなどをして発表をする子がほとんどだった中、私は1年間かけて、理科の先生だった担任の影響を受けて多摩川の研究をしていました。

それがすごく面白くて。
上流から下流まで何箇所かポイントを決めて水質を調べてみると、ある場所から急に水質が悪くなったりするんです。それを辿っていくと、汚染源が推測できたり。新しい発見や、自分でコントロールして成果を出すことを実体験することができて研究に興味を持つきっかけになりました。

こうして振り返ってみると「コントローラブルなスタートアップの環境」×「医療」×「研究」の基盤となる点が少しずつでき始めたのは、中学生の時だと思います。


牛場研究室との出会い

ー高校時代。この頃からLIFESCAPES代表牛場の研究室に入りたいと思っていた。

高校に入ってから、オープンキャンパスのような形でLIFESCAPES代表である牛場の研究室の研究発表を見る機会がありました。

理工学部に所属している研究室なので、医学部ではないのですが、理工学のアプローチで新しい医療を創ることをテーマにした研究室で、自分の中で今まで興味を持っていたことが一つに繋がったような気がしましたね。

この経験がきっかけとなり、高校2年生の頃には「大学は理工学部で学びたい」と進路を決めていました。


ー研究にのめり込んだ大学時代

理工学部に進学して、1年生では基盤となる数学や物理を学び、2年生からは生命情報学科に進み、細胞学や神経科学、情報学などを専門的に学びました。

そして4年生になると研究室に所属するのですが、牛場研究室がとても人気なんですよね。私の学年は枠が3人しかありませんでした。
大学生らしいキャンパスライフを送りながらも、テスト勉強はしっかりやって、牛場研究室に入ることを目指していました。

牛場研究室に入ってからは、研究にのめり込んでいましたね。
友人にも「研究に協力してくれないか」と声をかけて、被験者になってもらっていました。脳波測定用の装置を装着してもらい、頭にバチバチ刺激を与えながらデータを取得する実験に協力してもらっていました。

実験を終えたら、今度はデータ解析を行い、資料を作成します。2〜3週間ごとに進捗発表があり、発表の直前になると、夜中までラボに残って作業するのも当たり前の環境でした。


新卒でディー・エヌ・エーに入社

LIFESCAPESには入社せず、就活の道を選んだ。

新卒では、博士課程への進学やLIFESCAPESへの入社はせず、就活をする道を選びました。牛場からは「就活しないで一緒に会社をやろう」という誘いもありましたが、「今の自分に何ができるのか」「まずは自分の力をつけるのが先だ」と考えたんです。

ディー・エヌ・エーは、インターンなどを通して先輩社員と接する中で、目指す視座の高さや、頭の回転の速さ、持っている引き出しの数がとても印象的で、「この環境なら早く成長できる」と感じ、入社を決意しました。


ディー・エヌ・エーと博士号取得を両立する生活

ディー・エヌ・エーでは、ヘルスケア事業部に配属され、法人営業や事業開発に取り組んでいました。並行して、入社半年後からは社会人博士課程にも入学し、退勤後には研究室に通い、博士号取得に向けた研究に励む日々を送っていました。
朝9時には出社し、夜に会社を出た後、そのまま研究室に向かい、2時間ほど研究に取り組むという生活を送っていましたね。

最初の1年ほどは、実際ほとんど研究に集中できていない時期もありました。仕事が忙しくなると、時間的な制約よりも心理的なプレッシャーが大きく、翌日に重要な商談があったりすると、たとえ資料が完成していても、新しいことに取り組む気持ちにはなれませんよね。

一応研究室には行くものの、翌日のプレゼンが気になって集中できない、ということも日常茶飯事でした。

|決めたことはやり抜く性格を発揮して博士を取得
このハードな生活を乗り越えて博士号を取得できたのは、自分の一度決めたことはやり抜く性格が大きかったと思います。

社会人博士課程に入りたいと牛場に相談した際、かなり反対されました。というのも、なかなか仕事と研究を両立して進めるのは難しく、途中で辞めてしまうケースも多かったからです。

それでも、私は「絶対にできる」と言い張り、牛場から「もし2年経ってあと1年で卒業が見込めなければ会社を辞めると約束するなら認める」と言われ、それに承諾して博士課程に入ったんです(笑)。そのような理由もあり、「牛場先生をギャフンと言わせるんだ」という気持ちで、最後までやり遂げましたね。


LIFESCAPESに参画

LIFESCAPESに参画し、博士号を取得

ある程度論文も書き進め、卒業の目処が立ったタイミングでLIFESCAPESに参画しました。

もともと3年くらいディー・エヌ・エーで働き、力がついてきた段階で転職することを決めていたんです。特に自分の場合、学生時代に臨床研究に関わっていたということもあって、自分が研究してきた成果を「研究」として終わらせるのではなく、患者さんに届けることで初めて意味があると、学生の頃から感じていました。


現在の業務内容

現在は次の製品開発や海外展開に取り組む一方で、大学との連携にも力を入れています。脳卒中以外の疾患、例えばパーキンソン病や脊髄損傷、脳性麻痺などにもBMI技術が応用できるかを検討し、新しい疾患の研究開発にも大学と協力して取り組んでいます。


牛場研究室に入ってから現在まで、事業にコミットし続けられている理由

いくつか理由があるのですが、まず一つ目は、やはり「世の中に届けなければならない」という強い使命感です。私がやり遂げなければ、実現が遠のいてしまうのではないかと感じている部分があり、責任感を持って最後までやり抜きたいと思っています。

二つ目は、それに近い話ですが、「医療分野で新しい価値や事業を創り出していくこと」が自分のやりたいことだからです。
ずっと研究してきた専門領域で世の中に価値を届けるということを成し遂げられなければ、今後も同じように挑戦を成功させるのは難しいのではないかと、自分自身にプレッシャーをかけています。
事業化の難しさと専門知識は異なるものですが、まずは自分の強みのある分野でしっかりと事業を作り上げることが、今後の挑戦への土台にもなると考えています。

三つ目は、「多様な経験とスキルを身につけられる貴重な機会」だと思っています。例えば、海外事業開発や薬事といったディー・エヌ・エーでは経験してこなかった仕事に関わったり、セールス・マーケティング、カスタマーサクセスといった様々なファンクションを横断的に経験できるのはとても貴重な環境です。
また、経営メンバーとして、資金調達やファイナンス、HRなども含めた経営全般に携わっており、これだけ幅広い経験を一度に得られる環境はなかなかないと思っています。


今後の展望

今後の展望を教えてください。

牛場のアカデミアでのポジションは言うまでもなくすごいもので、その技術レベルも世界トップレベルです。でも、それをビジネスとして実装するハードルは非常に高いと感じています。

リハビリテーションは医療の中でもマネタイズが難しい分野です。それでも、LIFESCAPESのような大学発ベンチャーが企業として成長し、最終的にExitを実現できれば、今後大学発ベンチャーがより注目され、多くの人が興味を持つようになると思います。

さらに、大学発ベンチャーの存在が博士課程へ進学する動機になり、日本の研究開発力を高めるきっかけにもなると考えています。日本が競争力を維持し続けるためには、研究開発力の強化が不可欠であり、そのためには博士人材が必要です。
しかし、博士号取得後のキャリアの課題があり、博士人材が少ないのが現状です。LIFESCAPESが、大学発ベンチャーの一つのモデルケースとして、誰しもが憧れる存在となれるように努力したいですね。

ー林さん、ありがとうございました!

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