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第6話 鱗剥がれた『節用集』

「蔦重、今日、市中に行ったりしんすか?」
新之助の文を手渡し、内容には「花の障りのなきよう致す」とまで
書いてあり、う~んけなげ・・・

さて、鱗形屋抱えになった蔦重
吉原細見の改めを面白いものにするために東奔西走します
そんな中、花の井に「青本ってつまんないんだよね」
本を読まない次郎兵衛にまで「青本はつまんねぇ~だよね」
なんて言われてしまいました
そこで、鱗形屋に相談にいきました
蔦 重「これ、みんなつまんねぇって言うんです。
    んぁ~怒んねぇ~でくだせぇ。とにかく、
    本好きの女郎も本嫌いの野郎も口をそろえて、
    青本、つまんねぇ~って言うんですよ。おそらく、
    世の中皆、青本は、つまんねぇ~って思ってるです
    だったら、飛び切りおもしれい青本が出たってなりゃぁ~
    蜂の巣を突っついたような騒ぎになりません?
    つまんないはずの青本がおもしれって・・・」
蔦重のプレゼンも「占め此のうさぎぃ~」で締めておもしろかったです
さらに、ではどうする?
「もっとこう~江戸っ子が楽しめるような粋のいい話できないですかね?」
次なる策を提案していく様をみていると、
一緒に良いことすすめていこう!のように物事が動く瞬間の
奇跡のようなスムーズ感を覚えます

対する江戸城内では、莫大な費用がかかる日光社参を白眉毛こと、
松平武元から提案がなされた
田沼意次「幕府のお金蔵は持ち直しましたが、旗本、諸大名共に高利貸し
     大名貸しを抱えるものも多く、この上、行列を出す金策に
     奔走させるは、お慈悲亡きことかと・・・」
徳川家治「家基が、社参を望んでおる。」
田沼意次「お心がけは感服いたしますが、社参の掛りはおよそ20万両」
徳川家治「まぁ~己の理ばかり通すのもな。意次」
こちらは、自分が正しいから相手を追い落としてやるが原動力を感じます

一緒にやっていこう!と考えると苦しくても楽しく頑張っていこう!
と、モチベーションを保つことが出来ます
さらに、周囲を巻き込み自分たちだけの考えではなく
もっと、良いものを作り出すアイディアが集まってきます

しかし、追い落としてやる!そんな中にいると一部の世界と
一部の価値観だけで、物事を判断して建て前だけのお付き合いのように
なっていくように思いませんか?

ニセ版で鱗形屋が捕まった時に
蔦重「濡れ手に粟、棚から牡丹餅。おらぁ~上手くやったんですわ。
   けど、上手くやるってのは堪えるもんすね。すみません、
   つまんねぇこと言って」
平蔵「武家なんて席取り争いばっかりやってるぜっ。
   出し抜いたり追い落とした、気にするようなことじゃねぇ~よ。
   そんなもんだ。」
誰かを追い落とすとは、
うまくやっても、面白くなくて心がざわつくものなのですね
久しぶりの登場の長谷川平蔵は、そんな中にいつも身を置いているので、
蔦重の重い気持ちを察することができたのでしょう
時には、そんな気持ちに浸ることも必要です

権力闘争は、昔からあったと言えど昨今の世の中に照らし合わせて
考えると「一部の世界で一部の価値観」で物事を進め、
「今まで通り」をトップダウンで行うことが、どれだけみじめな結果を
生むのか気がつかない「一部の人たち」に気がついてもらいたいと
思うものの・・・今や昔と違い「そこ」にしがみ付く理由と必要がないと
判断すれば、無駄に「そこ」にいる時間がもったいない
より良くなってほしくて苦言を伝えたとしても、
聴く耳を持ってもらえないと、
こちらが疲れると思い言いたいことを止めるような「そこ」ならば、
「そこ」から離れて飛び立つ準備もしてよいのではないかと思います
必ず、そばに「一緒にやっていこう」と言ってくれる人がいるのでは?
「そこ」にこだわり命を削る必要があるのかねぇ~?
そんなことも考えていいのではないでしょうか?

とは言え
平蔵「これやる」
蔦重「粟餅?」
平蔵「おぉ、濡れ手に粟餅。濡れ手に粟と棚から牡丹餅を
   一緒にしてみたぜ。飛び切りうまい話に恵まれたってことさぁ
   おめぇ~ぴったりだろ?」
蔦重「へぇ」(粟餅をうけとる)
平蔵「おぉ!人から物をもらったらどぉ言うんだ?」
蔦重「あっ!」(立ち上がり)「ありがとうございます」
平蔵「せいぜいありがたく頂いておけ。それが、
   粟餅を落とした奴への手向けってもんだぜっ」
からのー決め顔!これがなかったら、気持ちが落ち込んだままで
終わるところでした
蔦重も私も気持ちを切り替えることが出来たようで何よりでした
長谷川平蔵のセリフナイス!でしたw



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ライフリメイクタナカ
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