大船の切通し・仲窪切通・熊野神社
鎌倉を語る時には忘れてならない「切通し」があります
切通しとは、山や丘を削って作られた道で、かつての交通の要所として活躍していました。特に、『吾妻鏡』に記述がある名越切通や朝夷奈切通といった「鎌倉七口」は有名ですが、実はそれ以外にも趣深い切通しが
点在しています。今回は、その中でも「かまくら景観百選」に
選定された高野の切通し(長窪の切通し)と、
大船の切通しに行ってきました
大船の切通し
熊野神社や多聞院の背後から坂道を上ると現れるこの切通しは、トンネルの上に位置しています。こちらは近隣住民の散歩コースとして親しまれているのか、先ほどの高野の切通しよりも道幅が広く、より開放的な雰囲気です。
人工物がほとんど視界に入らず、静寂の中で足元の落ち葉を踏む音だけが響きます。心地よい緑のトンネルを抜けると、まるでどこかの山中をハイキングしているかのような気分に。すぐそばに住宅街があるとは思えない、非日常的な空間が広がっています。
切通しを楽しんだ後は、鎌倉市内で2番目に標高が高い六国見山(ろっこくけんざん)へ足を延ばすのもおすすめです。展望台からは、晴れた日には遠く富士山まで見渡せる絶景が待っています。
しかし、今回は長窪の切通に向かいます
切通がある崖の外側から眺めてみました
想像以上に高いところですよね
高野の切通し
高野の切通しは、切り立った崖の高さが3–4mほど。人がぎりぎりすれ違えるほどの狭い道を進むと、苔むした岩肌や崖を這う木の根が目に飛び込んできます。鎌倉市内の他の切通しに比べて規模は小さいですが、その美しさと歩きやすさは格別です。
道を進むにつれて、ひんやりとした空気が肌に心地よく、まるで時間が止まったかのような感覚に包まれます。そして切通しを抜けると、ふたたび住宅街が広がり、現実の世界に戻ったような不思議な安堵感に浸れます。このギャップもまた、高野の切通しの魅力の一つです。
私はこの2か所の切通しが好きです