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逆転をあきらめないで。

そういえば、中学生の頃から国語と英語が得意だった。逆にそれ以外が強烈にダメダメだった。

社会科が歴史に入った途端、雷が落ちた。本気で何も頭に入ってこなくなった。ある日、中間テストで白紙レベルの点数を取った時に、親の今までにない悲しい顔を見て、必死で勉強した。その結果、期末テストで98点を叩き出した。

『なんだ、やればできるのか。』

そう思った。しかしここからが私の悪い癖である。やればできると思ったことは、やらなくなる。ダイエットと同じ。どうせ本気出せば痩せられるし、と思って食べちゃうみたいな。違うか。

結局、社会科はその後もずっと苦手なまま。未だに常識を知らないレベルに地理歴史は何もわからない。

高校生になると、成績順位が張り出されるようになった。入学当初は学年TOP3に入っていた。それは第二志望校へ入学したラッキー成績。これがまた良くない。『どうせイケるっしょ。』という調子に乗った学生生活を過ごしてた。結果、高校3年に上がる頃には、補習授業の常連になっていた。そしてある日、「このままでは特別進学クラスの在席継続はできない。」と告げられる。

その瞬間思ったことは、
『ん?そんな制度あるの?』だった。

私の高校時代は、毎日何ひとつ聞いていなかった。当時はパトリシア・コーンウェル(ミステリー界ベストセラー作家)の推理小説にハマっていて、授業中も推理に明け暮れていた。週末の特別授業が終われば、駅で制服から私服に着替え、健全なカラオケ大会に明け暮れていた。私が私の娘じゃなくてよかった。

『まぁ、どうせ挽回できるでしょ。』と中学時代の記憶がよみがえった。しかし残念ながらレベルが違った。ゼロスタートではなく、今までのマイナス点をカバーするほどの高得点が必要だった。多額の借金をしてる状態にさすがに焦った。

「あぁ、だからみんな毎回のテストに必死だったのかぁ。」
と声が漏れてしまった。
目の前の担任は、今まで見たことないヒドイ顔をしていた。

「君の仲良い子たちは特進クラスをやめたがってたし確定だけど、君はまだチャンスあるから。」という言葉を聞いて、わざわざ私を呼び出してくれたのかぁ、という急にありがたい気持ちになった。

と同時に、
「え?もっと早く言ってくださいよ!!」と言っていた。
究極のバカ野郎なのだ。

日々何も考えてなかった。いつも大抵、本当は何も考えてない。でも考えてそうに見えるからあんまり誰からも何も教えてもらえないし、言ってもらえない。

しかし認識すれば真摯に、着実に対応する性分である。とりあえず、ほぼ白紙で出していた数学を勉強することにした。しかし、案の定、驚くほど何もわからない。1からわからないから、『総まとめ』なんてわかるわけがない、困った。『あーあ。残念!!』ともう1人の自分が言ってきた。

しかし、やるしかない。諦める選択肢はない。なぜなら親にはとても順調だと言っていたから。それだけはどうしても現実にしないといけない。

私にも点数が取れる方法はないか、最速かつ、なるべく簡単であってほしい。むやみやたらでは成果は出ない。まずは戦略を立てることにした。

その頃には数II・数Ⅲで、これが幸いだった。なぜなら『証明問題』が半数以上を占めるから。しかも次の試験はかなり高得点配分と聞く。証明問題は文章題。数式を解く自信はないけど、文章での証明には自信があった。そんなことだけでうまくいくわけないのはわかっていたけど、せめて1ミリでも得意なことに近い方を選んで、賭けに出るしかない。本質的に理解できなくてもとりあえず今はここを乗り切って、一旦在席し続けさえすればいいと思った。

証明問題は、『この状況・条件だから、こう考えて、この数式を使って、こう解くと、こうなる、ゆえに答え。』という流れがある。実際にその数式を解くこと、解答は間違うだろうけど、7割は書けると思った。読解力と論理的説明には自信があったし、その流れを捉えて出題パターンと構造を理解できれば、使える数式を少しは覚えられると思った。

理科と社会に関しては、消化試合レベルで何も理解せずただ暗記した。枕の下に教科書を置いて寝るジンクスにも頼った。とりあえずやれることは全部やる選択しかなかった。

特別進学クラスからのドロップアウトなんて、親に言えない、絶対。ただそれだけ。しかし、その原動力は私にとって効果絶大。

結果、やってやった。やりきってやった。

いや、全くやってこなかったことを、せめてゼロにしただけなんだけど、特別進学クラスの席は確保できたから、圧勝な気持ちだった。

さぁ、今日はここまでにしておく。その後の大学受験、卒業、就活、婚活に至ってもなお、とにかく『逆転狙い』だけで私は生きてきた。何も学習しないまま、負け試合を放置してからの逆転をあきらめない。破壊と再生。面倒なやつだと自分でわかってる。

だから君も、逆転をあきらめるな!!まずは考え抜くんだ!絶対抜け道はある。
応援しているよ~逆転女王より。女王て・・w


喜びます、ありがとうございます。