投資信託の基本的な仕組みを知ってNISAやiDeCoに役立てよう
この記事では、投資信託の基本的な仕組みについてお伝えします。
「投資信託は人類が発明したもっとも合理的な金融商品である」と言われています。
この言葉は、私がファイナンシャルプランナーの資格取得のため講座に通っていた時、FP課目「金融資産運用設計」の担当講師から教えていただいたものです。
その講師は長い証券会社勤務を経て独立、金融専門のコンサルタントになった方で知識も経験も豊富なだけに、今でもその言葉は私の記憶に強く残っています。
「もっとも合理的」な金融商品であるかどうかは別としても、投資信託がシステマティックに作られた金融商品であることは間違いありません。
そこで、この記事では投資信託の仕組みをわかりやすくご案内します。
なお投資信託の形態としては、契約型投資信託と会社型投資信託がありますが、国内の投資信託のほとんどが前者です。
そこで、この記事では契約型投資信託の仕組みについてお伝えします。
投資信託はたくさんある金融商品の一つですが、投資信託単体で運用することもあれば、最近ではNISAやiDeCoを通じて投資信託に関わりを持つ方も増えています。
投資信託の仕組みを知って、さらにNISAやiDeCoで資産運用をなさってみてはいかがでしょうか。
契約型投資信託の名前の由来
契約型投資信託で登場するのは、委託者・受託者・受益者です。
この中で受益者は、投資信託を購入する私たちのことで「投資家」を意味しています。
委託者と受託者が信託契約を締結して、投資信託を運営するところから「契約型投資信託」という名称になっています。
契約型投資信託の仕組み
契約型投資信託で登場するのは委託者・受託者・受益者と書きましたが、実際に投資信託に関わってくるのはこれに販売会社が加わります。
受益者は私たち投資家を意味するので、ここでは委託者・受託者・販売会社についてお伝えします。
委託者
契約型投資信託で中心的役割を果たすのが委託者です。
委託者は投資信託を作り、これからご紹介する受託者に対して運用指図を行います。
また委託者は、投資信託の内容を記載した資料である「目論見書」や、その成果を記した「運用報告書」を作成します。
なお、委託者の業務を行うのは「投資信託委託会社」や「運用会社」です。
受託者
受託者は投資信託に集められた財産の保管・管理を行います。
そして、委託者からの指示に基づき運用を行います。
受託者の業務を行うのは「信託銀行」です。
信託銀行は他にも業務を行っていますが、投資信託の財産は他の財産とは分けて管理する分別管理が義務付けられています。
販売会社
販売会社は投資信託の募集・販売を行います。
また、投資信託では収益分配金が発生することがありますが、この支払の取り扱いなどもします。
販売会社の業務を行うのは「証券会社」や「銀行」などで、受益者(投資家)の窓口としての役割を担っています。
なお、投資信託によっては販売会社を設けず、委託者(投資信託委託会社・運用会社)が直接販売するものもあります。
契約型投資信託の特長
契約型投資信託は、委託者・受託者・販売会社によって運営されています。
では、委託者・受託者・販売会社が破綻してしまった場合はどうなるのでしょうか。
委託者は投資信託の中心的な役割を担い、運用の指図などを行っています。
ただし投資信託の財産は持っていないので、委託者が破綻をしても投資信託の財産は保全されます。
受託者は投資信託の財産を管理しています。
ただし投資信託の財産は法律で分別管理が義務付けられているので、受託者である信託銀行が破綻しても投資信託の財産は保全されます。
販売会社は、受益者(投資家)の窓口としての役割を担っているものの、投資信託の財産を管理しているわけではないので、販売会社が破綻しても投資信託の財産は保全されます。
投資信託は預貯金とは異なります。
投資信託は、どの商品であれ元本が保証されているものはありません。
損も得もあるのが投資信託で、その利益や損失をこうむるのは受益者(投資家)です。
ただし、投資信託の仕組みそのものはとてもシステマティックに作られていて、委託者・受託者・販売会社が破綻してしまった場合でも、投資信託の財産は保全されることになっています。
冒頭で「投資信託は人類が発明したもっとも合理的な金融商品である」と書きましたが、少なくとも投資信託は仕組みがしっかりと作られている金融商品と言えそうです。
もっとも、委託者・受託者・販売会社はボランティアで仕事をしているわけではありません。
株式投資に精通している方は投資信託を敬遠することも多いようですが、これは投資信託が株式投資よりもコストが多くかかることに起因をしています。
投資信託は合理的に作られている金融商品だけど、他の金融商品よりもコストが多くなってしまう可能性が高いといえそうです。
まとめ
この記事では投資信託の仕組みについて、国内の投資信託のほとんどを占める契約型投資信託についてお伝えしました。
ところで、公的年金の給付抑制の背景として、国は様々な制度で「自分年金」作りの後押しをしています。
その代表格ともいえるのがNISAやiDeCo(確定拠出年金個人型)で、特に注目したいのはNISAやiDeCo(確定拠出年金)はその中心に、投資信託という金融商品を置いていることです。
今後、公的年金だけで老後生活を送ることが厳しくなっていることは容易に推測できます。
そのため、自分年金を作ることが推奨されていますが、国の政策を見ていると「投資信託」を中心としているようにも思えます。
この記事では、投資信託の仕組みを簡単にお伝えしました。
投資信託の仕組みを理解したうえで、NISAやiDeCoを含めて投資信託が「自分年金」作りに有用か、そうでないかをご検討になってください。
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