20歳台単身世帯の家計の状況やライフプランとは!
この記事では20歳台単身世帯の、家計の状況やライフプランに対する考え方についてお伝えします。
記事の元になっているのは、金融広報中央委員会が公表している2023年(令和5年)の「家計の金融行動に関する世論調査」です。
この調査では、様々な視点で数多くの調査が行われていて、年代別や単身世帯・2人以上世帯などに分けて結果が示されています。
資料を確認することで、20歳台単身世帯の方々の家計の状況や、ライフプランに対する考え方などについて、知ることができるのではないでしょうか。
なお、調査結果は75項目に分けて公表されていますが、この記事では、その中で主だった12項目の結果を、「家計の状況」と「ライフプランに対する考え方」の2つに分けてお伝えします。
※ 金融広報中央委員会事務局は日本銀行情報サービス局に置かれていて、中立・公正な立場から金融に関する広報活動を行うことを目的にしています。
※ 家計の金融行動に関する世論調査は、平成19年以降毎年行われていて、家計状況を把握するとともに、金融知識を身につけることの大切さを広報することなどを目的にしています。
※ 各項目の結果については、20歳台単身世帯だけでなく、比較をするため全世帯(20歳台~70歳台の単身世帯)の数値を併記しています。
20歳台単身世帯の家計の状況
1 20歳台単身世帯と全世帯平均の年間手取り収入(税引後)
20歳台単身世帯は、収入500万円未満の世帯が全体の90%以上になっています。
一方、平均値は全世帯とそれほど大きな差異はなく、中央値はむしろ全世帯を上回っています。
これは、「300万円以上500万円未満」の世帯が全体の3分の1を占めているためと思われます。
平均値と中央値の例
5人の学生がテストを受け、結果が30点、40点、50点、80点、100点だったとした場合
平均値は、(30点+40点+50点+80点+100)÷5=60点。
中央値は、点数を小さい順(又は大きい順)に並べて真ん中に来る値。この場合は、真ん中に来る50点が中央値。
2 20歳台単身世帯と全世帯平均の年間手取り収入からの貯蓄割合(金融資産保有世帯)
年間手取り収入が低ければ、多くの貯蓄を行うのも厳しくなります。
もっとも、年間手取り収入からの貯蓄割合の「平均」を見ると、他の世代よりも貯蓄に熱心な姿が示されています。
3 20歳台単身世帯と全世帯平均の金融資産保有額
20歳台単身世帯の金融資産保有額は、「保有していない」と「100万円未満」で全体の70%弱。
また、金融資産保有額の平均値や中央値も、全世帯と比較してもかなり少ないことが特徴としてあげられます。
4 20歳台単身世帯と全世帯平均の金融商品の選択基準
※ 収益性とは、利回りが良い・将来の値上がりが期待できるなど。
※ 安全性とは、元本が保証されている・取扱金融機関が信用できて安心だからなど。
※ 流動性とは、現金に換えやすい・少額でも預け入れや引き出しが自由にできるなど。
20歳台単身世帯の金融商品の選択基準では、収益性を求める割合が高いことが特徴としてあげられます。
資産運用を効率的に行うためには長期投資、つまり「時間を味方につける」ことが大切です。
そうした点を考えると、20歳台単身世帯の方が収益性を求めることは理解できます。
5 20歳台単身世帯と全世帯平均の金融資産の保有目的
人生の三大資金は、住宅・教育・老後と言われています。
20歳台単身世帯の場合、「こどもの教育資金」の割合が全世帯よりも高いことが特徴です。
これは、一人親家庭の影響によるものなのか、結婚を予定している人の資金準備のためのものなのかは定かではありません。
6 20歳台単身世帯の借入金残高
20歳台単身世帯の借入金残高は、全世帯と比較して平均借入金額が少ないことが特徴です。
7 20歳台単身世帯の借入の目的(3つまでの複数回答)
20歳台単身世帯の借入の目的では、「医療費や災害復旧資金」「耐久消費財の購入資金」の割合が全世帯よりも高くなっています。
一方、借入の目的で気になるのは、「株式等金融資産への投資資金」と「土地・建物等の実物資産への投資資金」です。
これは、投資を行うために借入をしていることを意味している可能性を示しています。
20歳台単身世帯のライフプランに対する考え方
8 20歳台単身世帯の生活設計策定の有無
20歳台単身世帯の生活設計策定の有無を全世帯と比較すると、「生活設計を立てている」は少ないものの、「生活設計を立てていないが今後は立てるつもり」は高くなっています。
最初は漠然としたものでも構わないので、できるだけ早い時期に生活設計を立てておくことがおすすめです。
9 20歳台単身世帯の老後の生活についての考え方
20歳台の方が老後を迎えるまでには相当の時間があるので、イメージするのは難しいかもしれません。
ただ、全世帯よりも悲観的な見方をしている割合が高いのは気になるところです。
10 20歳台単身世帯の老後ひと月当たり最低生活費・年金支給時に最低準備しておく金融資産残高
20歳台単身世帯の、「老後ひと月当たり最低予想生活費」は全世帯よりも相当に高い数字がでています。
一方、「年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」は全世帯よりも低くなっています。
老後が遠い先のことなので、イメージがつかみにくいのかもしれません。
11 20歳台単身世帯の老後における生活資金源(3つまでの複数回答)
20歳台単身世帯の老後における生活資金源で、最も高いのは「就業による収入」です。
全世帯で最も高いのは「公的年金」なので、この点では大きな違いがあります。
ただ、20歳台単身世帯の方の公的年金への依存割合は決して低い数字ではないので、この点からも公的年金の持続可能性の大切さがうかがえます。
12 20歳台単身世帯の経済的な豊かさ・心の豊かさの実感
経済的な豊かさ
心の豊かさ
20歳台単身世帯の経済的な豊かさ・心の豊かさの実感については、他の世代よりも肯定的な見方をしている人が多いものの、そこまで大きな差異はないようです。
まとめ
この記事では、金融広報中央委員会が調査し公表をしている2023年(令和5年)の「家計の金融行動に関する世論調査」から、20歳台単身世帯の方に関する統計資料のご紹介を行ってきました。
具体的には、公表されている75項目のうち主だった12項目を、家計の状況やライフプランに対する考え方の2つに分けてお伝えしています。
20歳台単身世帯の方々が、ご自身の家計の様子を確認し、将来のライフプランを考える上での参考になれば幸いです。
なお、「20歳台2人以上世帯の家計の状況やライフプランとは!」の記事も作成しています。興味がある方は、ぜひ、お読みになってください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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