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年金はいつからもらえるの?種類・性別・生年月日別に

この記事では年金はいつからもらえるのかを、年金の種類・性別・生年月日別に簡単にお伝えします。

ところで、年金相談では様々なご質問がありますが、その中で特に多いのが次の3つです。

  • 私は年金をもらえるの

  • 年金はいつからもらえるの

  • 年金はいくらもらえるの

年金制度に加入されている方には、原則として毎年の誕生月に「ねんきん定期便」が送られています。

ねんきん定期便が始まったのは平成21年度なので、既に多くの方が10回以上、ねんきん定期便を受け取っていることになります。

また、50歳以上の方に届くねんきん定期便には、受け取れる年金の見込み額も記載されています。

したがって、ご質問の答えはすべてねんきん定期便に書かれていますが、年金制度は難しいので見る気がしない、見ているが数字がたくさんあってよくわからない。

そうしたお客様も多く、上記のご質問をされる方も決して少なくありません。

この記事では、3つのご質問のうち2番目の「年金はいつからもらえるの」にテーマを絞ってお伝えします。

年金はいつからもらえるのについては、その方が加入していた年金の種類(国民年金・厚生年金)・性別・生年月日でそれぞれ異なっています。

※ 年金は受給資格(平成29年7月までは原則25年、平成29年8月からは原則10年)を満たさないと受け取ることはできません。この記事では受給資格を満たしていることを前提にお伝えします。


年金はいつからもらえるの 国民年金の場合

国民年金から支給される老齢給付の名称は老齢基礎年金で、支給開始は65歳です。

繰上げや繰下げの仕組みがあるので、65歳前、あるいは66歳以降に受け取る方もいますが、老齢基礎年金の原則的な支給開始年齢は65歳です。

老齢基礎年金については、性別や生年月日で支給開始年齢が変わることはありません。

年金はいつからもらえるの 厚生年金の場合

厚生年金と共済組合は公的年金でありながらも実施機関はそれぞれ別でした。

平成27年10月の「被用者年金一元化法」により、厚生年金と各共済組合は法律上一緒になります。

例えば、共済組合に加入していた方が受け取る老齢給付は「退職共済年金」でしたが、平成27年10月の一元化以降に受給権が発生した場合は「老齢厚生年金」という名前になっています。

ただし、一元化されても実施機関は従来どおりですし、一元化されたといってもすべてが同じになったわけではありません。

その代表例が、老齢年金の支給開始年齢です。

元々、厚生年金と共済組合は支給開始年齢が異なっていて、一元化されてもその部分は変わっていません。

厚生年金の経過措置の仕組み

国民年金から生まれるのは老齢基礎年金で、支給開始年齢は65歳。

厚生年金から生まれるのは老齢厚生年金で、支給開始年齢は65歳。

「年金はいつからもらえるの」の答えは、国民年金も厚生年金も65歳です。

国民年金は制度が始まったとき(昭和36年)から、支給開始年齢が65歳だったので問題はありません。

しかし厚生年金の歴史はさらに古く、60歳から老齢給付を受け取れる時期も長く続いていました。

60歳支給開始を急に65歳支給開始にするわけにはいかなかったので、経過措置の仕組みが作られています。

この経過措置の年金が「特別支給の老齢厚生年金」で、65歳以降の老齢厚生年金とは名称が異なっています。

特別支給の老齢厚生年金の支給要件

  1. 受給資格期間を満たしていること

  2. 厚生年金の加入期間が1年以上あること

1の受給資格期間を満たしていても、2が11か月以下だと特別支給の老齢厚生年金は支給されません。

厚生年金の加入期間が11か月の場合、65歳から老齢厚生年金として11か月分を受け取ることになります。

特別支給の老齢厚生年金は、経過措置の年金なのでやがてなくなります。

そのなくなり方が、厚生年金と共済組合では異なっています。

それでは、厚生年金と共済組合の支給開始年齢をそれぞれにお伝えします。

なお、経過措置の特別支給の老齢厚生年金は昭和16年4月2日生まれ以降の方に適用されていますが、ここでは昭和34年4月2日以降生まれの方に絞ってご紹介します。

なお、特別支給の老齢厚生年金には次のような特徴があります。

特別支給の老齢厚生年金の特徴

  • 特別支給の老齢厚生年金は、2年刻みで支給開始年齢が引き上げられています。

  • 特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金の加入月数とその間の給与や賞与に基づいて計算されます。厚生年金の期間が長かった人、給与や賞与が高かった人は年金額も多くなります。

  • 特別支給の老齢厚生年金は65歳でなくなり、65歳以降は老齢厚生年金と名称を変えて終身で支給されます。

会社員の方が受け取る特別支給の老齢厚生年金

会社員の方が受け取る特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は、男性と女性では異なります。

結論を言うと、特別支給の老齢厚生年金は男性が早くなくなり、女性は遅くなくなります。

では、男性・女性別にそれぞれをお示ししていきます。

男性の場合

女性の場合

男性と女性で支給開始年齢が異なる理由

会社員の方が受け取る特別支給の老齢厚生年金の開始年齢は、男性と女性では異なります。

年金関連の本を読んでもなかなかその理由は書かれていません。

ここでは、私が年金の勉強をしているときに先生から教えていただいた理由を記しておきたいと思います。

男性と女性で支給開始年齢が異なる理由

  • その昔、学校を卒業したら女性も就職したが、結婚退職が多く厚生年金の加入期間が短かった。

  • その昔、男性と女性を比較すると女性の給料は低いことが多かった。

老齢厚生年金は女性に不利なので、支給開始年齢は女性に有利にしたというものです。

ただ何れにしても特別支給の老齢厚生年金はやがてなくなります。

男性で昭和36年4月2日以降生まれ、女性で昭和41年4月2日以降生まれの方に特別支給の老齢厚生年金はありません。

65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることになります。

公務員・私立学校の教職員の方が受け取る特別支給の老齢厚生年金

公務員・私立学校の教職員の方が受け取る特別支給の老齢厚生年金に、男女の差はありません。

その理由は、会社員の女性とは異なり結婚退職は少なかった、給与も男女差はなかったと考えられているためです。

男性・女性とも、昭和36年4月2日以降生まれの方に特別支給の老齢厚生年金はありません。

65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることになります。

※ 一定の要件を満たした警察職員と消防署員の方には特別支給の老齢厚生年金のなくなり方についての優遇措置があります。

まとめ

年金額は毎年度見直しされます。

毎年度の年金額は物価や賃金が影響しているので、物価・賃金が上がれば年金額は上がり、下がれば年金額は下がる。

年金額は上がることもあれば、下がることもありますが、現在は物価や賃金だけでなく、年金額を引き下げる要素になる少子高齢化を背景としたマクロ経済スライドも計算要素に入っています。

今後の年金額は、物価や賃金の伸びがあっても、マクロ経済スライドで抑制されるので、相対的な年金額は目減りしていきます。

年金の支給開始は65歳になり、年金額も目減りしていく。

過度に悲観的になる必要はありませんが、やはり早い段階から老後の備えとして、できる限り公的年金以外のお金も用意しておくのがおすすめです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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