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キャリコン養成講座を受講しないでキャリコン試験を受ける方法は?
キャリアコンサルタント養成講座による受験資格取得
キャリアコンサルタントという国家資格は資格学校等の教育機関が運営する「キャリアコンサルタント養成講座」を受けてから国家試験を受けるんだ、という理解が一般的になっています。
国(厚生労働省)もキャリアコンサルタントを10万人まで拡大する、という国家プロジェクトを立ち上げ、資格者のすそ野を広げるため資格学校に委託し養成講座を立ち上げ、養成講座修了を受験資格の要件にしました。
加えて、養成講座の受講料はハローワークで教育訓練給付金を受講前に申請すれば、講座修了後50%、キャリコン試験に合格すると更に20%と合計すると受講料のなんと70%が教育訓練給付金として受け取ることができます。仮に受講料が40万円だとすれば70%の28万円が戻ってくるので、実質12万円で受験資格が取得できるのですから非常にお得です。
養成講座は言って見れば全くの素人にキャリアコンサルタントの知識とスキルを身につけさせるものです。現にこのことによって普段はキャリア面談とは全く無縁の多くの方が資格試験を受験できることになる非常に有意義な制度です。
このような国の手厚い後押しもあってキャリコンになるにはまずは養成講座を申し込んで・・・、という人が大多数を占めています。が、これは独学ではありませんので今回の主役ではありません。
3年以上実務経験者という受験資格
一方で長年ハローワークや大学の就職相談等で実際の相談者相手のキャリア面談を行っている多数の方がいます。この人たちはもちろん素人ではありません。当然全くの素人とは違って養成講座修了を受験資格取得の要件にする必要はありません。
そのような方々のため「実務経験者」という受験資格が用意されています。以下にキャリコン試験の試験から抜粋します。
キャリアコンサルタント試験の受験資格(試験要領から抜粋)
キャリアコンサルタント試験は、次のいずれかの要件を満たした方が受験できます(複数の受験資格に該当する場合は、いずれか一つを満たせば受験できます)。
厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
(出所)国家資格キャリアコンサルタント試験受験案内
2番目の受験資格が一般に実務経験者です。それでは実務経験はどのように定義されているでしょうか?同じ受験案内の注記を掲載します。
キャリアコンサルティングに係る実務経験について
上記における「経験」に該当するかどうかは、以下のいずれも適合するかどうかという考え方を基準に、個別に判断することになります。
キャリアコンサルティングによる支援対象者が、「労働者」であること。なお、ここでいう労働者とは、現在就業している方のみならず、現在仕事を探している求職者(ハローワーク等の職業紹介機関に求職の申込みを行っている方、学卒就職希望者等)を含みます。
相談の内容・目的が職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関するものであること。
キャリアコンサルティングが一対一で行われるもの、又はこれに準ずるもの(少人数グループワークの運営等)であること(情報提供に止まるもの、授業・訓練の運営そのもの等は含みません)。
(出所)国家資格キャリアコンサルタント試験受験案内
このように実務経験者の要件としては「労働者」に対し相談の内容・目的が職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関する相談の経験があることとだけ規定しているのみです。どこで働いている、どの部署で働いているということは要件に含まれていません。
これだけの要件を揃えれば受験資格を取得できるのですから、高額な養成講座の受講料を立替える必要もないし、時間を拘束されるので大きなメリットがあります。
実務経験者資格での受験者の動向
表1をご覧ください。今年の3月に実施された第22回試験と、7月に実施されつい先日合格発表があった第23回試験の受験資格別の人数と合格率です。
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まず、人数ですが実務経験者資格での受験者は非常に少ないことがわかります。第22回で養成講座修了者の10%、第23回でも12%です。
キャリアコンサルタントという資格はハローワークや職業安定化のための施設、企業の人事等でバリバリとキャリア相談を受けている人が受ける資格、というイメージなので意外に感じるのではないでしょうか?本来はもっと多い筈ではないか?
実務経験者資格で受験が少ないのはなぜ?
その原因は大きく二つあります。
①キャリコン資格は要らないから試験は受けない
②独学では自信がないから教育訓練給付金を得ながら養成講座を受講している
これは何かの調査結果があるわけではありませんが、実際に業界の中では常識としてされています。
①キャリコン資格は要らないから試験は受けない
この要因を私は2つに分類しています。
まず既に正社員として相談業務を行っているので、資格を取っても何も変わらないし、勤務の条件が「資格者であること」とはなってないので解雇されることもないだろう、だから受けないという考え方です。
次に実際に人材紹介や派遣の仕事をしているが、資格の必要性を感じたことが無いし、会社から資格について言われたこともないので、受ける必要は無い。
この他に「キャリコンは資格を活かした仕事場が無い」「キャリコンは社会的に認知されていない」「キャリコン資格があっても食えない」等がありますが、これらはこれから新たな領域としてキャリコン資格を検討した人の結論なので、ここでは脇に置いておきます。
②独学では自信がないから教育訓練給付金を得ながら養成講座を受講している
これには明確な理由があります。実務経験者資格で受験している方の合格率が養成講座修了組に比べ大きく下回っているから、「独学では難しいので、ちゃんと講座を受けて勉強しよう」と考えているからです。
実際、実技試験に絞ると実務経験者は養成講座修了者に対して合格率で15%もの大きな差がついています。この試験結果を見て実務経験者資格での受験は難しいと考え、養成講座を受講している為、このような受験者数の差がついています。
では、なぜ高額な養成講座を受けるのでしょうか?それは実務経験者が自習するのに適切な通信講座が見当たらないからです。
実際、資格学校は養成講座に特化して営業をかけています。国の教育訓練給付金を70%も受けられるので高額な受講料でも集客できるからです。そうすると独学は難しいかな?と諦めた実務経験者が行くところは養成講座しかないのが実情です。
もちろん、資格学校の立場に立てば、養成講座受講者の1割程度の受験者しかいない層をターゲットに講座を設定しても採算が合うとは思えません。資格学校の判断も当然と思います。
養成講座は試験対策講座ではない
ここまで、キャリコン養成講座を受けずに、キャリコン試験の受験資格を取得する方法として実務経験者枠での受験というものがあるが、実際には活用されていない事実を説明してきました。
その為に養成講座を受けて試験に備えよう、という方が多いのも事実です。ところが、養成講座では「試験対策を教えてはいけない」というルールがあるので、学科試験や論述試験の試験対策はやりません。それは、養成講座は「キャリアコンサルタントを養成する講座」だからです。
試験対策は各資格学校で実施しています。一般でも申し込むことができ、養成講座の受講生は受講費が半額になる学校が多いようです。それ自体は良い話なのですが、試験対策講座は教育訓練給付金の対象外なので、これを受けると結構負担が大きくなります。
参考まで、代表的な資格学校で試験対策講座までフルに受けた場合に資格取得までにかかる費用をまとめたのが表2です。
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見てのとおり教育訓練給付金を差し引いても30万円近くの負担になります。養成講座を受けないと資格を得られない人は仕方がありませんが、資格があるのにこの負担は勿体ないと思います。
加えて養成講座は150時間目安の学習実績が修了の条件となっています。150時間は忙しい社会人にはかなりの負担になります。
まとめ
本稿のテーマ「キャリコン養成講座を受講しないでキャリコン試験を受ける方法は?」の答えは「実務経験者枠での受験」ということになります。
ただし、学習環境が整っていないので、実務経験者は独学をせざるを得ません。その為、独学をどのように進めていくかが次の課題になります。この部分については下記記事をご参照下さい。
キャリアコンサルタント資格は独学で取得できる(ただし条件あり)ー試験対策学習法と学習時間ー
実務経験者の定義は非常に緩いものですので、企業で部下を持った管理職を3年以上経験されている方は会社の了解で実務経験者としての受験の申し込みが可能です。この部分については以下の記事にまとめていますので興味がある方は一読ください。
養成講座を受けずにキャリコン試験を目指す!「夢ロープレ研究室☆試験対策講座」
実務経験者資格で受験される方のための試験対策講座をご紹介します。
忙しい社会人のために、効率的に合格を勝ち取れる講座です。
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1.学科試験対策
■平日に毎日配信されるメールマガジンと動画配信サービスの解説動画、確認テストですき間時間を使った学科試験対策を行うことができます。
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■キャリアコンサルティング協議会が発行している参考書を副教材として使用します。不明点が出てきたら公式LINEで講師に質問できます。
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※副教材代は受講費に含まれています
2.実技試験対策
本当にカウンセリング力をつける「夢ロープレ研究室★ロープレ特訓! 」
夢ロープレ研究室の試験合格に向けたロープレ学習システム
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夢ロープレ研究室では学習段階を事前段階、ロープレ練習、試験直前の3ステップに分けています。
そしてロープレ練習の段階は➀ロープレ②フィードバック③逐語記録作成④振り返り⑤トレーニングの一連の流れの繰り返しにより、カウンセリングスキルのスパイラルアップを狙います。
特徴1 まず最初に「ロープレ特訓」と「カウンセリング」で「エラー」の解消
多くの受験生の話を聴いていると、いろいろな面で目的や手段、方法を間違って理解している方が非常に多いことに気付きます。たとえば、「ロープレをスムーズに行うために、どんな相談者に対しても対応できる『型』を身につけなければならない」という考えを持っている方が受験生には非常に多いです。
「来談者中心」という基本的なスタンスからいって、その考えは誤り(エラー)です。たぶん、どこの養成講座でも、試験対策講座でもそんなことは教えていないと思うのですが・・・。
ロープレ特訓では実際にロープレレッスンを始める前に、「事前カウンセリング」を行います。このカウンセリングはロープレの相談者役を行う「トレーナー」ではなく、多くの指導実績とロープレの分析スキルを持ち、独自のトレーニング方法に熟知した「カウンセラー」が行います。
そして事前カウンセリングの間に受験生の抱える「エラー」を探し出し、その受験生向けのカリキュラムに反映させます。
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尚、現在は受講を検討する方のためにロープレ特訓60分コースの無料体験を行なっており、無料体験、事前カウンセリング・ロープレ特訓60分・カウンセリングの4回でエラーの部分を洗い出すよう進めています。
ロープレで上手くできなかったことの中には「分かっていたんだけど、できなかったこと(ミステイク)」と「間違った理解、方向性(エラー)」があります。ミステイクは自分自身で気がついていることなので、練習によって修正ができます。ところが、エラーの場合は正しい理解と方向性へ認識を変えないと、いくら練習しても修正されません。そのために事前カウンセリングでエラーの修正を行うことが重要なのです。
エラーが浸み込んでしまっていると、1度のカウンセリングでは修正できない場合や、ロープレレッスンを行なっている中で新たなエラーが判明する場合があります。そのような場合、都度カウンセリングを行い都度の修正を行います。
とはいっても、試験直前になると学んできたことの定着のためにロープレを数こなすことが重要になります。この部分は必ずしも私たちのロープレ特訓のレッスンである必要はありません。受験生同士や自分自身で指導経験が無い資格ホルダーと行うロープレでなければ定着の助けになります。
特徴2 ロープレは学びの場ではなく確認の場、振り返りで学ぶ
ロープレの練習をする上で、実際にロープレを回数こなしていくだけではロープレのスキルは上がっていきません。それは、ロープレはテーマ設定、相談者の設定等によりロープレ自体が異なってしまいますので、あるロープレで受けたフィードバックが汎用的に使えるものではないからです。
その為には、自分自身のロープレを振り返り、実際の自分の応答とあるべき応答とを比較し、次回はあるべき応答ができるよう意識づけを行っていくことが重要になるます。つまり、この過程が経験となり、スキルアップにつながっていくのです。
そして、実際にロープレを行うレッスンは、自主学習で学んだことが、間違いなくできるかの確認する場です。そのため、私たちは一つのレッスンから次のレッスンの間に行う自主学習(練習)がスキルアップのカギと考えて重視しています。
ロープレ動画の繰り返し視聴、ロープレの逐語化と見直し案の検討、動画や自身の頭の中にあるイメージを使ったシャドーロープレ等を行うとしたらかなり多くの時間をとられます。そのため、時間的に余裕がある間は2週間に1度、短くても1週間に1度くらいのレッスンを推奨しています。
とはいっても、試験直前になると学んできたことの定着のためにロープレを数こなすことが重要になります。この部分は必ずしも私たちのロープレ特訓のレッスンである必要はありません。受験生同士や自分自身で指導経験が無い資格ホルダーと行うロープレでなければ定着の助けになります。
特徴3 システマティックアプローチを元に組み立てた独自カリキュラム
ロープレ特訓ではシステマティックアプローチに基づいてカリキュラムを設定しています。下図のように、まず「関係構築と傾聴」を行いロープレの設定をケーススタディとして主訴・問題点の把握を行う経験を積み、本番のロープレ試験に備えます。
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キャリアコンサルタント試験で重視される「関係構築」と「傾聴」です。この部分がしっかりできていれば確実に合格できます。それは次のようなステップになります。
Step1 関係構築を図りラポール形成ができる
Step2 相談者が当初話をしていなかったことを話をしてくれる
Step3 ラポールに助けられ傾聴が進む
Step4 問題点の見立てが容易になる
Step5 問題点を相談者役に気付かせるネタを入手できる
ここまでできるようになれば、そう簡単には不合格にはなりません。
そこでロープレ特訓ではこの「関係構築」と「傾聴」をまず重点的に指導を行います。ただ、ロープレを繰り返すのではなく受講者の状況に合わせて「最初の5分間トレーニング」や来談目的の聞き方のトレーニング「傾聴トレーニング」等のトレーニングを行い修正を行います。
「関係構築」と「傾聴」について目途が立ったら、次はまた、ロープレ試験で出される複数の設定を経験することで、その設定でありがちな主訴や問題点を経験理解し、本番の時に戸惑わないように準備します。
特徴4 ロープレ道場にメンバー会員として参加。追加負担無しで全てのロープレ道場に参加し自分の状況を確認できる
ロープレ特訓の受講者はコースに関係なく「ロープレ道場」のメンバー限定コースに追加費用無しで参加できます。「ロープレ道場」はロープレにおける相談者役の重要性を理解し、効果的なロープレを実施することを重視したメンバーによるロープレ練習会です。
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受講者はまた、一般公開のロープレ道場に優先参加が可能です。一般登録の無料会員の場合実施日の5日前で受付を終了しますが、メンバー会員は前日まで参加申し込みが可能です。
特徴5 「ロープレ振り返りチェックシート」で受験生の課題を視える化
自分の課題を明確にすることが、自身の成長につながります。ロープレもまた然りです。ロープレ特訓では「これをやったら試験に落ちる」という部分に特化した「ロープレ振り返りチェックシート」をロープレのたびに作成し受講生の方に共有しています。
このチェックシートは公開されている試験範囲情報や試験実施機関から出版されている教科書等で、ロープレ試験で見るポイントして上がっているものを体系的に整理したものです。評価を合格水準に「ある」か「ない」かの2択にすることで改善ポイントを明確にしやすいよう工夫しています。
ロープレ特訓では「学習記録シート」というファイルを作成しており、ロープレ動画のリンクとチェックシートを時系列に管理できるようにしています。また、基本、チェックシートのチェックはロープレを行なったトレーナーが行いますが、試験前等、複数の目でロープレを評価する必要があるときは、カウンセラーがロープレ動画を見てチェックシートの記入を行います。
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特徴6 学習効果を生む多角的なトレーニング
1)動画教材・ロープレ動画を活用した効果的な傾聴力向上トレーニング
「LCP動画配信サービス」のロープレ模範ケース、傾聴トレーニング用動画と、自分自身のロープレ動画を視聴することで傾聴力の向上図ります。
2)シャドーロープレ(一人ロープレ)・逐語記録によるカウンセリングで自習力UP
カウンセリング向上につながるのはシャドーロープレやロープレ特訓の逐語化と改善ポイント検討によるケーススタディの自習です。ロープレ特訓のレッスンにより改善すべきポイントを理解し、自習でカウンセリングの引き出しを形成します。
夢ロープレ研究室☆試験対策講座の受講料
420分コース 62,700円(税込)
600分コース 77,000円(税込)
☆420分コース:事前カウンセリング(60分)+60分コース×7回
☆600分コース:事前カウンセリング(60分)+60分コース×10回
<各コース共通>
①事前カウンセリング(60分)
②論述試験対策講座
③動画配信サービス見放題
④学科試験用メールマガジン(平日配信)
※受講料には以下の副教材の費用を含みます
1)キャリ協参考書3冊分:9,330円(税込)相当
2)動画配信サービス6ヶ月分利用権:6,600円(税込)相当
お申し込みは以下のフォームからお願いします
実務経験者資格受験者向け講座事前カウンセリング申し込みフォーム
クリックすると申し込みフォームが立ち上がります。
当講座はソーニョプランニング株式会社が運営する「夢ロープレ研究室」により企画運営が行われています。ソーニョプランニング株式会社のホームページは以下の画像をクリックしてください。
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