インドネシア、スマトラ島の伝統料理、ルンダンを食べた。場所は、この週末に京都国際交流会館で行われていた「インドネシアハラル料理デー」。インドネシアとつながりの深い友人がこんなイベントあるよと教えてくれたのだ。たまたま京都に行く用事があったので、これ幸いと立ち寄った。会場はインドネシアの留学生たちや、家族などでとっても賑わっている。
ルンダンを知ったのは、ウィークエンド世界食堂での、インドネシアのインタンさんとの打ち合わせがきっかけ。メニューの決めるときは、基本はシェフにつくりたい料理を提案してもらうが、念のため、こちらも予習をしておく。その時に見つけたのが、ルンダン。牛肉の塊を数時間かけてスパイスで煮込む料理だとあった。肉を長く煮る料理は基本美味しいに決まってる。CNNの世界の美味しい料理ランキングで1位になったこともあるらしい。美味しさの基準はそれぞれとはいえ、食文化の違いを超えて、美味しいと感じる人が多い料理なのだろう。インタンさんはジャワ島出身で、自分が大好きな料理を提案してくれたので、ルンダンが登場することはなかった。
10以上出ているインドネシア料理屋台を、これは何という料理?何が入っているの?と質問しながら、巡っていたら、ひとつ長い列ができている屋台があった。白いお米の周りに、真っ黒い肉、赤い卵、緑の葉っぱを盛り合わせたお皿だ。気づくと、この屋台には、ひときわ長い列ができている。聞くと、スマトラの伝統的な料理だと言う。もしかして、ルンダン?と聞くと、そうだというではないか。ついに、私のルンダンデーがやってきた。
イベントステージ前の椅子に座って、膝に紙皿を載せて、夢にみたルンダンを食べる。肉がほぐれたような小さな塊を口に運ぶ。なんだこのスパイシーな肉ペーストは!スパイスと肉が渾然一体となっている。確かに、世界の美味しい料理に選ばれるのも納得した。大事にとっておいた大きな塊は意外と固くて、肉は肉、スパイスはスパイスという感じでそこまでの感動はなかったけれど、ひとくち目の衝撃はちょっと忘れられない。モロッコのフナ広場で食べたタンジーヤの次くらいに美味しかった。また、現地で食べてみたい料理が増えた。