見出し画像

きょう心にしみた言葉・2024年5月8日

人間、誰しもいろんな傷を抱えている。どんなすごい人でも。傷は外から見えないし、恥ずかしさやプライドもあるから、つい隠してしまう。でも、本当に落ち込んだとき、傷が誰かの救いになることがある。傷を見せることで心が通じ合う。隠されているものにこそ真実がある。傷によって、人は深いつながりができるのかもしれない。

「今日も一歩も外に出なかったけど いい一日だった。」(なおにゃん・著 KADOKAWA)

なおにゃん(@naonyan_naonyan)さんは、コロナ禍で緊急事態宣言が出ていた2020年5月、突如ツイッター(現・X)の世界に現れました。「彗星のごとく」という表現がぴったりの登場でした。自らの生きづらさをかわいいイラストに短い言葉を添えて伝えるツイートは、多くの人の心に突き刺さりました。フォロワーはどんどん増えて、2024年5月現在、21万4000人に上ります。

なおにゃんさんのツイート(現・X ポスト)

なおにゃんさんは、600倍もの競争率を勝ち抜いて入社試験に合格、志望する出版社に就職しました。しかし、職場環境に合わず、うつ病と診断され休職しました。いったんは復職したものの、やはり継続することは難しく退職し、フリーランスの絵本作家になりました。その辛かった日々については、東洋経済オンラインのインタビューで語っています。

復職の当日は、恥ずかしいという気持ちもあり、そっと仕事に戻りたかった。しかし上司は、なおにゃんさんを呼びつけた。
「みんなに迷惑かけて休んでたんだから、今日の朝会で『これからは頑張ります』って挨拶しなさい」
と指示した。
「グワッと怒りの気持ちが上がってきました。『私が病んだのって、あなたのせいもあるのに、全く自覚ないんだ』
そう思うと、許せませんでした。朝会が始まる前に、トイレに閉じこもりました」
よその部署の人が呼びに来てくれるまで、2時間トイレに閉じこもった。
結局、部署を変えてもらうことになった。

著書「今日も一歩も外に出なかったけど いい一日だった。」には、「気にしすぎさんが自分軸を作るまで」の副題がついています。なおにゃんさんが「自分軸」をつくるまでの心の葛藤をたどった自伝のエッセイです。
小見出しにも、心にしみる言葉が並んでいます。
「向いていないということがわかったら大収穫」
「存在なんて空気でいい」
「明日できることは明日やればいい」
「『知らない』こともひとつの努力」
「傷によってつながれる」
「一歩も外に出なくても幸せと感じたい」
「ただ存在するという尊さについて」・・・・

なおにゃんさんは、知人の言葉から自分が HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン、とても敏感で傷つきやすい人)気質であることを知ります。その言葉を知った時、水に触れたヘレン・ケラーが「ウォーター・・・!」と言ったように、「HSP・・・!」と心から口にしたい気持ちになったといいます。 HSPによって生きづらかった半面、その悩みの数だけ、自分でも驚くほどその景色をはっきりと覚えているそうです。
HSP気質の人は「思い出のフォトアルバムをたくさん持つことができる人たちでは」と素敵な推察をしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?