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茅ヶ崎移住記 #0 きっかけと理由

ぼくは今、茅ヶ崎への移住を計画している。二世帯住宅を考えていて、渡り廊下でつながる一戸建てを2棟建てるイメージでいる。(住宅ローンが借りられれば)

茅ヶ崎にはぼくの実家がある。ぼくが大学生だった4年間、そこに暮らしていた。実家はぼくの祖父が建てたもので、奇しくもぼくが生まれた年に建ったと母から聞いている。今年で築38年を迎える。

ぼくは茨城生まれで、高校生までは田舎っぺの田舎っぺで、「〜だべ」という訛りを遺憾なく発揮していた。そして、ぼくが大学に上がるのと同時に、ひとりになった祖母のいる茅ヶ崎に移り住むことになったのだ。

当時、ぼくの両親は新築でマンションを買っていて、そこを売り払って茅ヶ崎に移ることになった。のちに聞いた話、多額の借金を抱えることになったのだそうだ。そういう体験から、お金を借りることは恐いことで、絶対に家など買わないと思っていた。そもそも、将来にわたって稼ぐはずの給料の前借りをするようなものだ。無謀だ。そう考えていた。

そう。ぼくはすこし前まで一生賃貸派だったのだ。そんなぼくが、なぜ多額の住宅ローンを背負ってまで、家を建てようと思ったのか。以下にまとめていきたい。

コロナによって在宅勤務がノーマルに

ぼくが勤めている会社では、緊急事態宣言発令前より在宅勤務に移行し、そのままその働き方が定着した。トップはこれを機会に来たる未来への先行投資だといって変革を推進した。だから今は毎日、自宅で仕事をしている。オフィスに行くのは月に1回ほどで、四六時中、家の中にいる。

この劇的な変化が、ぼくを住まいの投資というマインドへ移行させた。ほとんど家にいることで、家自体の価値がぼくのなかで相対的にあがったのだ。

夏は暑く、冬は寒い家で働くのは、電気代もかかる。そうした経済的な話だけではなく、子育て世帯が住む家で、ゆっくりと仕事に勤しむスペースを確保することも大事だ。

また通勤がなくなったので、都心に住む必要がなくなった。高い家賃が無駄だと思うようになった。月に一度の出社なら通勤に1時間かかってもいいと思う読者も多いのではないだろうか。

迫りくる介護の問題

介護の問題もいずれはやってくる。2025年問題をご存知だろうか。人口ボリュームの大きい団塊世代が75歳以上となる2025年頃に、大きな病気を患う人が増え、社会保障給付費が膨張するだけでなく、医療機関や介護施設が足りなくなるのではないかと指摘されている。

そして、それ以前に2021年には介護離職が増え企業の人材不足が深刻化することも予想されている。介護と育児で経済的のみならず、肉体的、精神的負担が高まる。

介護サービスを利用すればいいじゃないか。そんな声が読者から聞こえてきそうである。だが、話は簡単ではない。2025年に団塊の世代が75歳以上になるときには、東京圏で介護難民が約13万人も発生すると予測されている。であるならば、サービス料も高騰することも予想される。

幸にしてぼくと妻の両親は健在だがいつ介護が必要になるかは誰にも予想できない。確実なのは、いつかは介護の問題にぶちあたるということだけだ。

下がりつづける手取りの問題

介護問題は結局のところ少子高齢化に端を発しているのだが、社会保障関連費用が膨張しつづけることによって、ぼくたち現役世代の手取りは容赦なく下がりつづけている。

なんと年収700万円の手取りはこの15年で50万円も減っている。つまり、年間手取りが毎年3.3万円を超える昇給をしなければ、年収はあがっても手取りはまったく増えないことを意味している。この15年でもそのような状況なのだ。ますます高齢化する日本において、働けども働けども手取りが増えない、むしろ減る社会が目の前に迫っている。

ぼくは平凡なサラリーマンが自宅を買う最後のチャンスなのではないかと思っている。同時に、ぼくたちの子ども世代、孫世代は家賃を払うのも厳しい社会が待っているのではないか、と本気で考えている。

だからこそ、二世帯住宅兼、子どもが良質な家に困らないようにするために2つも家を建てるのだ。

子どもの転園や転校による自己肯定感低下の問題

前述のとおりぼくは転校を1度経験している。小学6年生のときだ。子どもなりに新しい環境に慣れるのは大変だったし、なかなか馴染めなかった記憶も残っている。その地域でずっと育ってきた人よりも一緒に過ごしてきた時間が短いというシンプルな理由だけで、友人関係をつくるのに苦労する。それは、ぼくだけではない。実の弟も同様の経験をしており、暗い影を落としていたりする。

思春期に経験したことは、その人のものの見方や考え方、価値観などに影響をおよぼす。ポジティブな考え方になるかどうか、自己肯定感が高くなるかどうか、がその思春期の経験にかかっている。

ぼくは、引越しによって大きくネガティブになったり、自己肯定感を失うことになったわけではないが、できれば子どもにはそのような経験をさせたくない。それは茅ヶ崎移住の理由のひとつになっている。

ポジティブなマインドをもてるかどうか、健全な自己肯定感をもてるかどうかは、その人の人生を大きく左右する。詳しくは割愛するが、これまでにもぼくは自己肯定感の重要性を以下の記事で書いてきた。参考にしてもらえたら嬉しい。

最後に

以上がぼくが茅ヶ崎に移住するきっかけと理由だ。確かに、リモートワークで移住を考えている人は多くいる。確かに、都心に近い場所に住んで高い家賃を払うなら郊外に書斎つきの家を買うという選択肢もありだ。ただ、上記に書いたように日本社会が抱える問題は大きい。

また、このマガジンで書いていくつもりなのだが、どのような住宅を、どこに買うかも非常に重要だ。資産性のない住宅を買うにはリスクが大きすぎる。ぼくはリモートワークによる安易な移住を薦めるつもりはない。ローンが完済できない可能性も大いにある。

それでも、ぼくが家づくりを進める理由、その内容をこれから連載という形で書いていきたい。

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勝又康仁 人事と組織開発 HR&OD
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