今は亡き昭和の親父の話 その2 夕食はサバイバルだ。 危機察知能力が無い奴はお腹いっぱい食べれない。 小学校に入って、友達が出来て、話を聞いて驚いたのは 普通の家の父親は、ちゃぶ台をひっくり返さないってことだ。 巨人の星より、あばれはっちゃくより、うちの家の方が食卓はひっくり返ってた。 8人がけのテーブルだけどね。
今は亡き昭和の親父の話 その1 食事は命の危険を感じる時間だ。 一家団欒なんて夢のまた夢。 いつ親父の機嫌が悪くなり、偽りの平和が終わるかわからないからだ。 ある日、親父が力一杯投げた茶碗は、長女の腕に割れながら刺さった。 その日の僕の記憶は、その瞬間だけ無い。 終わり