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「レンタカー理論」で「ライフジャケット」のニーズを説明してみる。

ちょっとイメージしてください。

A:ある夏の暑い日。あなたは田舎町の駅に降り立った。この駅の周辺には、人生で一度は見ておくべき・・・という城跡がある。ガイドブックを見ると、その城跡に行くには、駅からは「2時間に1本のバスで20分」か「徒歩で1時間」の2つの方法のみ。どうしてもその城跡を見てみたいあなたはどの方法で行きますか?

どうでしょうか?暑さが苦手なボクなら、仕方がないので「2時間に1本のバス」を選ぶと思います。暑い中、歩くのは地獄ですから・・・。

でも、これだとどうでしょうか?

B:ある夏の暑い日。あなたは田舎町の駅に降り立った。この駅の周辺には、人生で一度は見ておくべき・・・という城跡がある。ガイドブックを見ると、その城跡に行くには、駅からは「2時間に1本のバスで20分」か「徒歩で1時間」の2つの方法と、もう1つ「駅すぐそばの格安レンタカー」があるらしい・・・。どうしてもその城跡を見てみたいあなたはどの方法で行きますか?

ボクなら、間違いなく「レンタカー」を選びます。エアコンが効いているだろうし、自由にいろんなところに行けるからです。この話、みなさんがどれを選ぶか・・・ということではありません。

AとBの違いは「レンタカー」があるかないかです。ボクは、Aならバスを選んだけれど、Bなら「レンタカー」を選びました。つまり、「選択肢にあったら選ぶけれど、なければ選ばない」ということ。アタリマエと言えば、アタリマエのことです。

だけど、もしかしたら、土地勘があったり、どうしても「レンタカー」を借りたかったりしたら、その駅ではない別のところから「レンタカー」を借りてくる人もいるでしょう。

つまり、「レンタカー」を選ぶかどうかは、選択肢にあるかどうかということと、あらかじめ知っているかどうかにかかっているのです。今日はこれを「レンタカー理論」と呼ぶことにします。そして、この「レンタカー理論」で「ライフジャケット」のことを説明してみたいと思います。

県が100着の「ライフジャケット」をレンタル中!

何と香川県では、昨シーズンから「ライフジャケット・レンタルステーション」を実施してくださっています。昨シーズンから50着でスタートし、今年さらに50着が追加されて、合計100着。学校や園、県内の団体に向けて貸し出されています。

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これは、香川県の方が「ライフジャケットのレンタルをする!」と言って始めたのではなく、「海と日本プロジェクトinかがわ」さんがリードして、県内の企業さんから寄贈いただいたものです。香川県の方は、寄贈いただいたので「レンタル」をスタートさせてくださいました。

この「レンタル」が始まったことで、驚くことが起こっています。それは、「夏休みまでの予約がすべて埋まっている」ということです。

これ「レンタカー理論」と似ている!と思うのです。

香川県内の「ライフジャケット」へのニーズは、「ライフジャケット・レンタルステーション」が始まる前から高かったか・・・というと決してそうではありません。いや、むしろそんなニーズはなかったかもしれません。

でも、「ライフジャケット・レンタルステーション」が開設されたことで、予約がすべて埋まるほどのニーズが発生しているのです。

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「システム」を作ることで、意識が生まれる!

引率する先生方や担当者の意識を上げれば、「ライフジャケット」を準備できるようになるか・・・というと、おそらくそうではありません。なぜなら、たくさん「ライフジャケット」を準備することは簡単なことではないからです。

「レンタカー理論」と同じように、意識が高く、準備する方法を知っている先生方や担当者であれば、もしかしたら、準備ができるかもしれません。だけど、水辺に関心のあまりない人や、なじみがない方であれば、そこまで段取りすることは難しいことだと思います。

香川で「ライフジャケット・レンタルステーション」を開設してくださって分かったことは、「ライフジャケット」をレンタルできる場所ができたら、たくさんの方が借りに来るということ。「ライフジャケット」をレンタルできる場所ができたら「ライフジャケット着用体験」を実施する学校があるということです。

つまり、「システムをつくる」ことで「ニーズ」が生まれ、驚くほどの速さで活用が広がっていくのです。ただ、香川県では現在100個だと予約が重なったときに活用できないことも考えられます。レンタルできる数を増やしたり、各市町村でのレンタルをしたりすることも必要になってくるでしょう。もしかしたら、学校に備品としてそろえていくことも求められるかもしれません。

行政は「ライフジャケット」を準備する責任がある。

最後にもう1つ、知っておいて欲しいのは、行政は「ライフジャケット」を準備しておく責任があるということ。

2012年に起こった愛媛西条・加茂川での事故。この事故の裁判で、「ライフジャケットを着用させる義務があった」との判決が出ています。実は、この裁判までは、努力目標だったのですが、今は学校や園、子ども会などで水辺に子どもたちを連れていく時に「ライフジャケット」を準備することは義務なのです。

学校や園、子ども会などで、水辺での活動を行うということは、どの行政でもあり得ることだと思います。なので、責任の面からも、行政が「ライフジャケット」を準備しておくことは必要です。

香川県では、行政が予算をつけることを待たずに、企業の協力によって、「ライフジャケット」を準備することができました。香川県・坂出市では、市民の方が中心となって、市内の企業や個人からの寄付によって「ライフジャケット」を寄贈する・・・という動きもあります。

みなさんも、もしも、お住まいの地域で「ライフジャケット」を準備してもらいたい、寄贈に向けての動きを作りたい、行政担当者に説明して欲しい、議員に説明して欲しい・・・など、動きを作りたい方は全力で応援しますので、ぜひおっしゃってくださいね!


思いはただ1つ・・・子どもたちの命を守ること。

「子どもたちにライジャケを!」
http://lifejacket-santa.com/

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