⑤電話で直接話せた
僕の個人情報を全出しにしてから5日後 (友達と再度繋がってから丁度一週間後) の夕方、友達からDMが届いた。
「今日電話でお話することが可能ですか?」
すぐにOKの返事をする。かなりドキドキした。特別な気持ちを抱いている友達と初めて話せる。第一声はあちらも緊張していたと思う。初めて聴く、友達の声。いつの間にか知らぬ内にイメージしていたのとは、少し違う声。でも凄く彼の声が好きになった。
最初に「gay ですか?」と言うような内容のことを訊ねられた。「その方が安心です」みたいなことを彼は言っていた。自分の答え→「100%そうですよ」
彼は僕が自分の個人情報を全て明かしたことに凄く驚いた…と言っていた。「マイミクの人や何かに、いつも個人情報を教えたりするんですか?」って訊ねられて、「いや、今度のことは普通の場合ではなかったからです」って僕は答えた。
「重い病」としか聞いていなかった彼の病気について、この時に初めて直接訊いた。やはり──癌。僕はそれ以上の詳しいことを訊くことはできなかった。
彼と再度繋がってから、これからの時間は凄く貴重で大切なものになるって分かっていたから、彼との mixi 上でのやり取りは全てスクリーンショットに収めたし (「足あと」のページも含めて)、ノートに覚え書きなども少しした。そのノートに、野球選手のことが書かれている。
この時期、ヤフオクでやたら買っていた昔の野球選手のカードのことを「呟き」に書いていたので、電話でその話題になった。広島の野村謙二郎にハマっていたので、「こういう感じの人もタイプなんですね」って彼に言われた。確かに、二年前にやり取りしていた時に散々話していた藤間文彦とは全然違う。凄く丁寧に話してくれる彼の口調が、「ふ~ぅん⤴」って少々ぞんざいになった瞬間、なんだか友達のことが愛おしくなった。野村謙二郎は、多分友達からすると “タイプ外” だったみたい。でもこの少しあとだったかな…?……買おうか迷っている野村謙二郎のポスターの画像 (⬇) を「呟き」に載せたら「これはカッコイイ写真ですね」って言ってくれた。そしてもしも買ったら、部屋の壁に「貼るんですか?」なんてことも訊かれた。(貼りたい!!)
友達自身は野球選手の中では、駒田徳広が好きなのだそうだ。それを聞いて僕も興味が湧き、その後シコタマ駒田さんのカードにも手を出した。今でも彼のカードを沢山持っています。(⬇の写真はカードではありませんが…)
こういう野球選手の話をしていても、二人とも野球競技のことは全く関心なかったんですけどね。(「あるある」の類でしょうか??)
そろそろ電話での会話が終わる頃、僕は気持ちを一杯込めて「またいつでも電話してくれていいからね」って言った。あの時そう言って良かったと思う。もしそうでなかったら、電話は一回きりで終わってしまった可能性もあったように感じる。
初めての電話での会話の後、DMが届いた。会ったことのないマイミクと電話で話すと言うのも珍しいことだったみたい(自分もそうだけど)。かなり迷ったとのこと。そして更に、僕との会話が楽しかった…ということで、他の gay の人にも翌日電話をしたのだそうです。それも大変珍しいとのこと。(あとあと思うに、その電話の相手は僕以外にもう一人 mixi で彼と繋がっている、もう一人のマイミクだったと思われます)
それにしても、彼が mixi から居なくなった後に自分のプロフィールに願望として呼び掛けを書いてはいたものの、本当に彼と再びやり取りが出来るようになるなんて奇跡みたいだった。彼の病気のことを考えたら悲しいことだったけど、もう一度繋がりを持てた嬉しさはやはりあった。
もうあれから二年が経って、友達と電話で何を話したのか、忘れてしまっている部分も沢山あります。それが悔しいです。最初の電話で、広島へ行かれた時の話も聞いた筈なのに、具体的にはどんな話だったのか、今は思い出せない。声もそうです。忘れることが無いように反芻していかないと、どんどん記憶が失われるようにも思えて悲しくなります。(スマホって通話の録音もできるのかな?? もし可能なんだったら、会話を録音しておきたかった~!!)
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