こころの健康バロメーター
最近新しく気持ちを穏やかにする薬を処方してもらったのだが、これがとても良く効いている。今までは毎朝起きてすぐどうしようもない絶望感に苛まれていたのに、薬を飲み始めてからそれが嘘のようにスッと消え、今のところ毎日学校に行けている。これはすごい進歩だ。
私は「自分でどうにかしなきゃ」という気持ちが行き過ぎてしまうことがよくある。自分が不安に思う気持ちは自分でどうにか辻褄を合わせて対処するしかない、と躍起になって色々考えをめぐらせてみたものの、今考えると逆効果でしかなかったと思う。現に、薬を飲み始めてから調子が良いのは、私が頼るべき先は自分自身ではなく医療だったということだ。骨折している人は自力で骨を繋げようとはせずに病院に行って適切な治療をしてもらうものだが、それと同じことなのだ。ところがこれが精神的なもの、特に自分のこととなると全く理にかなっていないような自己責任論を自分に押し付けてしまう。そんなんやってる暇があるなら病院行けよと一ヶ月前の自分に言いたい。切実に。
不安がいくらかマシになって気づいたのは、心の健康を測る一つの基準として食欲の有無だとか気分が落ち込むだとかそういうもの以外に「想定できる未来の遠さ」がある。一般に、健康な人は半年後や1年後、人によっては5年後くらいまでは想定して今を生きている人が多いと思う。だが、精神的に不調な人は将来の見通しがグッと狭くなってしまう。私の場合は、酷いときは明日のことすら考えられず、今日生きるか死ぬかで頭がいっぱいの時期もあった。薬を飲み始めてからは、少なくとも高校卒業後までは見通せているし、そのおかげで受験勉強にも手がつけられるようになった。明日も生きているかわからないのに1年後を見越して受験勉強なんてできたもんじゃなかったのだ。
例えばこれが身体的な病気ならもっとわかりやすいのだろうが、精神的なものとなると理由もなく焦燥感に襲われたり急に何事にもやる気が湧かなくなったりといったなんとも言えない状態として現れるので尚更厄介である。もしそういった状態にある人がいれば、是非自身がどれだけ先の将来を見通せているか確認してほしいと思う。もちろん調べれば他にも色々な症状や兆候があるし、この指標が普遍的なものであるかどうかは一概には言えないが、一つの基準として参考にしてもらえると嬉しい。この記事を読んでいる人が健康で毎日幸せに生きていることを祈っています。