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頭の体操(IQ130):二つの円と直線に触れる円はいくつ?

この問題は、数年前にブログに書いたのネタですが、その後、実際のエンジニアの採用面接の際の問題として大いに活用した問題です。私はエンジニアを採用する際には、経験や知識よりも、「自頭の強さ」とコミュニケーション・スキルを何よりも重視しますが、その意味で、この問題は最適なのです。

問題は以下の通りです。

半径の異なる二つの円と、直線(長さは無限大)が下図のような関係になっている時に、両方の円と直線に接する円はいくつ存在しますか?

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数学が強いと自負する人は、ここで読むのをストップして自分なりの回答を見つけようと試みても良いと思いますが、とても難しい問題なので覚悟してください。私が、実際に面接でこの問題を出した相手は100人以上いますが、ヒントなしで答えにたどり着いた人は一人もいません。

特に、入社面接のように心理的プレッシャーがかかる状況で、この問題を出して、全くヒントを与えないのはフェアではないと思います。

そこで、「まずは、見つかったものから描いてください」と頼みます。すると、ほとんどの人は、下の円を描きます。

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「当然、それだけじゃないんだ。他に見つからない?」と促します。

すぐに2番目が見つからない場合は、「接し方って、外接と内接があるよね」とヒントを出します。すると、大抵の人が、次の円を見つけます。

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「良く見つけたね」と褒めて相手をリラックスさせつつ、「でもそれだけじゃあないんだ。もう少し考えてごらん」と促します。

ここから先になると、少し脱落者も出ますが、ちゃんとロジカルにものを考えられる人は、色々と試しているうちに、下の円を見つけてくれます。

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ここまで来ると、4つ目を見つけるのは時間の問題です。

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エンジニアであれば、3つ目を見つけた時に4つ目があることは直感的に分かるはずです。そんな直感力が、ソフトウェア・エンジニアにとっては、とても大切なのです。

以上の4つの円をまとめて描くと、下の図のようになります。

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念の為、ここで「なぜ(3つでも、5つでもなく)4つ見つかったのかを説明して欲しい」と尋ねます。

数学に強い人であれば、「二つの円があって、それぞれに外接・内接する組み合わせを考えると4通りになる」と正しい答えにたどり着いてくれます。

1時間の面接時間のうち30分を使って、ここまでたどり着くことが出来たら、エンジニアとしては「悪くない」と言えます。こうやって対話型で面接をすれば、仕事をする上で最低限必要なコミュニケーション・スキルがあるかどうかも分かるし、論理的にものを考えることが出来るかどうかも見極められます。

しかし、この問題が面白いのは、ここで終わりではない点なのです

相手が4つの円を見つけてホッとしているところに、少し意地悪そうに、「実は、もっとあるんだ」と言うのです。

私は、このセリフに対する反応を注意深く見るようにしています。ウンザリしたような顔をする人や、「うそでしょ?」と言う顔をする人もいますが、私が一番期待しているのは、自分より強い敵に出会った時の(ドラゴンボールの)孫悟空のような「ワクワクした顔」をする人です。

ここから先は、茨の道で、面接時間1時間を使って、すべての円を見つけることが出来た人は、これまで二人しかいません(どちらも、もちろん採用しました)。

残された時間にもよりますが、ここで「直線の長さは無限なことに注目して欲しい。つまり、円の大きさはどんなに大きくても良いんだ。そして、答えは全部で8つだ」とヒントを与えます。

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