極地の森の中に入ります
森と湖の国ともいわれるフィンランドは、日本よりもやや小さい国土の約70%が森に覆われ、10%ほどが湖や川などの水域になっています。
私が住んでいた村は、ロシア国境まで続く国内2番目という広大な広さを誇る国立公園(ウルホケッコネン国立公園)の左端に位置していて、そこを散策したりハイキングしたりクロスカントリースキーをしたりオーロラ鑑賞することがとっても人気のアクティビティでした。
(トップ写真がその国立公園。晴れて明るいと本っ当に綺麗で、毎日見ている景色でも、思わず足を止めて見入ってしまうほど。)
アクティビティの中でも、Snow Shoe(スノーシュー)は楽しかったですね。
スノーシューって何?
日本で言うところの、かんじきです。柔らかい雪の上を歩いていくので、ズボッと足が沈んでしまわないようにするのです。
(つま先もう少し上にはみ出した方がいいですね。初心者w)
不慣れながらもなんとか足にはめ、ゲスト達もちゃんと履けているか確認してから国立公園に入っていきます。公園入口まではまだちゃんと“道”になっているのですが、そこからはあえて道を逸れて、森の中の新鮮でサラッサラの雪の上を歩くという「体験」をしていくのです。
(公園入口。スノーシューを履いたままでは実はすごく歩きにくい橋w)
この入り口でだいたい一旦立ち止まり、国立公園の大まかな情報の説明をして、森に入ってからはどんな動物が住んでいるとか、実はすぐ下に川が流れてて金が取れることとか、雪が解けると森がどんな表情で、どんな果物が取れてとか、ここの木は死んでも倒れない話とか、いろいろとその時々に合わせてゲスト達にシェアしていきます。
(過酷な環境の中ゆっくりじっくり育つため、木の年輪がギュッとしまってて、寿命で葉や枝が落ちてしまった後も何十年も立ち続けてます、的な話)
(森の中は起伏があるので、上ったり下ったり、急斜面だったら滑り台みたいに滑ったりして、気温はマイナス2桁といえども汗をかきます。いい運動ですね)
(暗い時間帯でもアウトドア用のライトを持って森に入ります。何故かというと・・・そう。オーロラを見るためです!外光がないので、見える日はほんとにきれいによく見えます)
(もちろん平面もあります。先頭はベテラン。時間配分やルート決めをします。スノーシューは基本的に1列になって歩くのですが、私はだいたい一番後ろで遅い人に合わせたり人数確認とかします。なぜならば安全第一)
どこ歩いてるの?
慣れてくると自分で目印の木を決めて、だいたい居場所が分かるらしいのですが、なんたってそこは森。右も左も木だらけです。なので、暗いときはもちろん明るい時でもスタッフは必ずGPSを持っています。極寒の森でゲスト連れて迷子だなんてほんとに笑えないからね。
北欧らしく温かいベリージュースとジンジャークッキーで途中10~15分ほどの休憩をはさみながら、約1時間のスノーシュー森散策ツアーは終了になります。日ごとに違うゲストたちの年齢や体力や雰囲気とかを鑑みながら1時間でちゃんとスタート地点に戻ってくるっていうのはやっぱりベテランたちはすごいなーといつも感心でした。
私はというと、先頭でルート決めや休憩場所・時間決めなどを任された時は誰に何と言われたわけでもないのに勝手にプレッシャーを感じて勝手に早足になり(逆にすごいw)、途中で先輩に「落ち着いて」と言われる始末。
それでも終わった時には「すごい良いルートだったよ。ゲスト達も楽しそうだったし時間もぴったり。いい感じ。」って褒めてくれる相変わらずナイスな先輩でした。周りがほんとに優しくて感動。