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本当の弱者はだれだ
noteで気に入っているところは、自分が書き込んだ投稿によって、似たようなテーマのnoteをおすすめとして提示されて読めるところ。「子宮筋腫」でnoteを書いてみたら、さまざまな闘病記を読めて参考になった。
またある時は、母が統合失調症だったと書いたから、読めたnoteだったんだろうけど、そこから思い出したことを書き残してみたい。
私が小学生ぐらいのとき、母が早朝に出掛けることがあった。その当時でも母の精神は彼岸の向こうに行っていたので、なにを思っていたのかは知らない。
父はハッキリ言わないが、何某かの宗教の集まりに参加していたようだ。
近所には、小さな借家には不釣り合いな大きな仏壇を持っている家があって、父はその宗教が嫌いだったから、その家の人とは犬猿の仲だった。なので、その宗教ではない。
いま大人になってみて、いろんな宗教があるもんだなあと思うんだけど。
母を迎えに来る人がいた。小柄で大人しそうな女性だった。この人は何を思って母を連れ出したのだろうか。
母は精神を病んでいたけど、外面のいい人で「そうですか、そうですか」と適当に相槌を打つ姿をよく見ていた。多分、なにも考えていない。「そうですか」と言っておけば、そのうち話しかけてくる相手が、なにか察して去っていくのを待っていたのかもしれない。そんなことも考えていなかったかもしれないけど、何かおかしいなという表情で、母から立ち去っていく大人たちをよく見ていた。
私はあまり宗教に詳しくない。多分、勧誘活動みたいなことをしなくてはならないのだろう。あの気弱そうな女性は、母の精神の居場所をわかっていながら連れ出していたのだろう。母を利用していた女性の心象風景を想像すると、やるせない気持ちになる。
私も気弱なほうだけど、勧誘活動なんてしなくてはならないなら、そんなに団体の中にいたいと思わない。そう思える私は、そんなに孤独ではないのかもしれない。信教の自由とは言いながらも、本音では人と繋がりを持ちたくて持てない人も多いのではないかと思っている。孤独は人類の敵だ。
そのうち、母が早朝に出掛けることはなくなった。あの女性のその後は知らない。
似たような時期に、食材宅配サービスというのも家によく来ていて、母が契約し父が破棄するというのも繰り返していた。これも父はハッキリ言わなかったけど、病んでいる母を適当に言いくるめて契約させているかのような口ぶりだった。みんな生きるのに必死だ。気付かなかったことにして、母みたいな人を利用する人は案外多いのかもしれない。
これを書きながら、よく家に来ていた食材宅配サービス会社を検索してみた。需要はあるのだろうけど、この会社は絶対利用しないと心に決めている。