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ねことの関係
「入院の時は、海さん(仮名)が来てくれるからね。よろしくお願いしますよ」と、猫を撫でながら声を掛けた。
ペットシッターの海さんはその様子を見て「関係性がわかってよかったです」と言った。
実を言うと、私がお母さんで猫が娘、猫が神で私が下僕みたいな関係性に違和感を持っている。他人様から「お母さん」と呼ばれても気にしないけど、自分では言わない。つい面白おかしく、私は下僕と言うことも、猫を見て尊い…と呟くこともあるけど、なんとなく対等な関係のつもりでいたい気持ちがある。相棒みたいな。
ウチの猫は多分、人の言葉を理解している。
いまの家に引っ越した直後、ワクチン接種のために病院に行こうとしたとき、短期間で何度もキャリーバッグに入ることを猫に激しく拒絶された。
無理やりバッグに入れることが悲しくなって「猫や、猫の気持ちはわかるんだよ。でもね、私は猫と出来るだけ長く一緒に暮らしたいんだ。だからごめんね、病院に行こう」と、こんこんと諭してみた。すると、猫の抵抗力が落ちてすんなりバッグに入った。
以前も、寒い日に「私のベッドに入っていいよ」と話しかけたら、入るようになったので、伝えたいことは、静かに語りかけるようにしている。
我が家の猫は賢い。他人様からも見た目で「なにかわかっている顔をしている」と、表現は変わっても似たようなことを何度か言われてきた。
賢く可愛らしい猫が、私なんかと暮らしていていいのかと思う。もっと立派でお金持ちと暮らす世界線があったのではないかと思うこともある。うっかり私と暮らすことになったドジな猫に、一緒に生活してくれてありがとうと、日々感謝を伝えている。
私は海さんにお願いした。「入院中はあと何日で私が帰ってくることを伝えてほしい」。多分、猫はわかっている。
猫は警戒心が強いから、海さんが来ても部屋の隅に隠れるかもしれない。そう思っていたけど、先月、試しに1日来てもらったら、猫は海さんとおもちゃで一緒に遊んでくれた模様。やっぱり冒頭の「よろしく」が効いたのだ。
警戒心は強いけど、適応力も高めな猫。海さんの動物好きオーラを感じ取ったのかもしれない。
海さんから聞いた興味深い話。
「猫何度目? みたいな子もいるんですよ」
芦田愛菜に人生何度目?って聞くような感じが、猫にもあるというのが面白かった。我が家の猫もそれに該当するらしい。お世話をしていても「ああ、それね」と理解を示す猫がいるらしい。
少し誤解を招くかもしれないけど、ペットショップで買われてきた猫には、猫初心者を感じることが多いとも話していた。それもまた、興味深い話だった。
カレンダーが変わった。11月だ。もう少しで入院するので、猫にカレンダーを指差して入院期間を説明する予定。9日間は長いなあ。