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Photo by
inagakijunya
淡々と
引っ越しの準備をしている。大きな燃やせるゴミ袋を買ってきた。着ないお洋服を断捨離じゃと、ザクザクゴミ袋に放った。一杯になったから、燃やせるゴミの日に捨てた。
用事があって、朝早く家を出た。アパート前のゴミ捨て場をチラ見した。出したゴミ袋の様子がおかしい。
白い袋がねじ込まれていた。生ゴミが透けて見える。まだ余裕があったけど、別に捨てたゴミ袋にもなにか見覚えのないゴミ袋がねじ込まれていた。
引っ越すことにしてよかったと思う。いままでもそんなことがあったのかもしれない。どんな心理状態でこんなことをするんだろう。そんな人と同じアパートに住んでいた。
次捨てる時は「貧乏人乙」って紙に書いて張ってやろうかなとか、ねじ込まれないようにガムテープ貼ろうかなとか考えていたけど、考えてみたらあのゴミ袋には長年愛着を持って着ていたコートもあったんだから、汚くても取り出してやればよかった。まずはそこからだった。くやしい。
さらにいろいろ考えていたら、ゴミ捨て場を掃除してくれる管理人みたいな人の仕業かもしれないという可能性も浮かんできた。アパートに関係ない人が捨てていけるようなゴミ捨て場だから、そんなゴミとついでに一緒にされたのかもしれない。それでも、許せるものではない。
ああ、引っ越すことにしてよかった。