見出し画像

ワタシアップデートその2

コンタクトレンズの話からまた遡る。

一昨年の夏に引っ越しした。シェアハウス暮らしでは、万が一コロナになったとき自宅療養の場として認められないと聞き、賃貸を探すことにした。

ひとりでお部屋探しをするのは実は初めて。東京では、同棲生活→シェアハウス×2という生活をしていた。一人暮らしは20代の5年間ぐらいしかしてないし、そのときも勤めていた会社から勧められたところを選んだ。

父も兄も高齢なので、保証人は立てられないなあと思いつつ、保証人不要の賃貸を探した。

それはすぐ見つかって、この話を不動産屋さんに話すと「いまは、住んでいる人の代わりに払ってもらおうとしても、保証人も払えないというパターンもあるので、保証会社を選ぶ大家さんも多いんですよ」。へー。世知辛い。

担当してくれた不動産屋さん自身も母子家庭で育ったから、保証会社を利用しているという話だった。私みたいな家族との縁が薄い人間には助かる話だなと思った。

1年半後。その部屋にはさまざまな問題が重なり、引っ越しを考えるようになった。

今より最寄駅は遠くなるけど、家賃は安くなる上にお風呂を追い焚きできる部屋(今の部屋はできない)を見つけた。うむむむむ。見学。

トントン拍子に契約が進んだ。契約日と引っ越し日の話になった。私の引っ越し日は、3月の真ん中あたりになりそうなので、融通が効くか確認すると、「敷金と礼金は古いしきたりで、それをもらわない代わりに、契約日は早めにしてもらっている」。ほほう。敷金と礼金の見直しは主流になっているのだという。

私は2月末か3月初頭で契約して、実際の引っ越しは3月半ばにさせてもらえれば…と思っていたけど、不動産屋さんとしては、いま1月末なんだから、敷金と礼金を取らない代わりに2月半ばには契約してくれよという理屈らしい。

提示された初期費用は、確かにいまの住居を契約するときより安く、現家賃1カ月分と重なる部分をプラスすると、現住居の初期費用と比べるとそんなに大差ない。

20年ぐらい前に一人暮らしを始めた時は、賃貸のハードルが高いと思っていた。保証人が必要だし、敷金礼金は高いし。でもいまは、それがそんなに必要ないっぽい。

大人になってから20年過ぎた。世の中はゆっくり変化していて、気付いたら全く違う価値観で動いている。

次の10年、20年、私はどんな世の中で生きているんだろう。おひとりさまが増えて、もっと楽ちんになっていることを期待している。

以前、「おとしあな」という1960年代の古い映画を観て、いまの80代は急激な変化を体験して来たんだなあと思ったけど、案外イケるかもしれない。戦前戦後、高度成長、バブル、氷河期、インターネットの普及…あの人たちに比べれば、そんなに急激ではない、と思う。多分。

みんな、知らないうちにアップデートをしていくもののようだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?