歴史に残ること
去年の4月ごろ、沖縄に行った。
「笑の大学」というお芝居を観たかった。公演があると知った時には、すでに東京含め近郊で行われる公演のチケットは売り切れていた。
唯一、沖縄での公演が抽選予約期間中だったので申し込んだら取れてしまったという、そんな理由。一泊二日で、初日は大雨に降られた。
これから書きたい話は「笑の大学」の話ではなくて。
観劇後に近くの居酒屋に入ったのだ。その居酒屋は、元高校球児が経営しているお店だった。甲子園出場したのかは定かではないけど、それらしい記念品がたくさん並んでいた。
1人客の私に店長さんが話しかけてきた。
「大谷が心配なんだよね」。WBC優勝直後でもあったので、私でも知ってる大谷翔平さんの話になった。
子供のころから野球漬けで、どこかで躓かないかと。遊ばずに大人になったら苦労するよと言いたいのだろう。最近の若い人たちは合理主義なところがあるから、無駄な遊びなんて最初からノーサンキューなのでは…と思ったけど、お酒と一緒に飲み込んでおいた。
遊び、失敗なんてしなくても大成する人は大成するだろう。当人からしたら遊んでるし失敗もしているんだけど、他人があまり興味を持って見てないだけかもしれない。他人の目なんて無責任だから、気にしなくていいと思う。
MLB開幕直後の通訳の水原さん解雇のニュースで沖縄の夜を思い出した。
結婚した直後でもあるし、さまざまな他人の目が突き刺さっていることだろう。ずっと他人の目を避けてきた印象があるけど、これからどうなっていくんだろう。
今まで生きてきた真価が問われる。いますぐ答えが出てくるのかわからない。20年後30年後に現れるけど、無責任な他人は知ることができないかもしれない。
でもきっと、大谷翔平という伝説としてこの事件は語り継がれるのだろう。
「大谷が立て替えた」という美談のほうが私は好みだけど、そうなると大谷さんは出場停止をくらうらしい。
私たちはいずれ記録上の人物になる。大谷さんは歴史に名を残すだろう。歴史の教科書が楽しみだ。