がん再発8か月目② 治療方法がない者の心理状態
【あらすじ】
41歳で直腸がんと診断され、化学療法→放射線治療→手術により一旦、『がん』が消失したかに思えましたが、約7か月前に『がん局所再発』しました。人工肛門保有です。
『手術は無理です』と主治医に言われましたがセカンドオピニオンで大阪大学付属病院で『手術できるよ』とのことで2024年7月3日手術に臨みました。しかし、腹膜播種により手術は中断、(小腸閉塞部切除&腸つなぎ合わせ+仙骨一部切除はされてます)現在術後9日目。手術の影響で自力排尿が現在困難です。自己導尿になるかも。
【本編】
今回は『~寿命を全うできないだろうな~と思う者の心理状態』のお話です。
最近、良本に出会いました。
川口正裕著『年寄りは集まって住め』~幸福長寿の新・方程式~
です。
その中でジーンコーエンさん(ジョージ・ワシントン大学加齢健康人文科学研究センター所長、同大学健康科学・精神医学部教授)の中高年の心理的発達が紹介されていました。これが興味深いんです。
具体的には『人生の後半における発達のステップ』には4段階あると唱えられました。
四段階とは
A.再評価段階
これまでの人生や自分自身を見つめる段階。『今まで人生どうだったかな』と冷静に見返して『これからどう生きていくかな』と考えていくわけです。ここには『いつ死ぬかわからないターンに入っている』と死の意識を徐々にしていくことも欠かせません。
B.解放段階
時間的・精神的に縛られている事柄から解放されたと自覚することで、今まで『できなかったこと』を意識し、『やりたいこと』が芽生える段階です。なにしろ死を意識していますから『やらなければならないこと』ではなく、『やりたいこと』に焦点が当たります。『本来の自分』を獲得することにもつながります。
C.まとめ段階
『やりたいこと』をやっている本来の自分に気づき、これまでの人生を改めて振り返る段階です。『やりたいこと』ができている環境、それを支えてくれる人々への感謝を持つことが、社会貢献や恩返しに向かわます。さらに人生を総括することで、死を恐れない態度が身につくかもしれません。
D.アンコール段階
コンサート演者のアンコールのように『気楽』にマイペースに人生の余韻を楽しむ段階です。日々の日課から様々な変化や移ろいに喜びを感じます。
を指します。
わたしは病気になり、死を意識するようになりました。上記段階でいいますとB・Cの中間が現在地かと感じています。
最近、よく思っていたんです。現在の思考や価値観は『定年後に感じることではないかなあ』と。
そしてこちらの四段階を見まして『やっぱり』と思いました。
特にC段階の『やりたいこと』をさせてもらっているからこその周囲の感謝や社会貢献の気持ちは非常にわかります。
といいましても長生きすることをあきらめているわけではないんですけどね。
以前に『葬儀場の見学に行ってみようかな』と思ったことがあります。しかしそこは『変に死を意識することで死期を早めるんでは』と思いやめました。
『ネガティブな意識が死期を早める』ことはありそうでなさそう、なさそうでありそうです。
どんな心持でいようが生きられる期間に影響はなければいいんですが。わたしは『化学療法が終わるころの二年後に死ぬかもしれないなあ』『二年以上、生きてやる』と両方の気持ちがあります。割合は6対4くらいですね。
とは、いうものの『死ぬ前のこと』を思うと怖いです。そんな怖い気持ちをまぎらわすためによく聞く曲です。
インナージャーニー『グッバイ来世でまた会おう』
では。