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あっ、父さん死んだかも。国光産業最大のピンチ②

前回の話はコチラ


会社の敷地内に入れない。

消防車のけたたましいサイレンの音がなり
多くの消防士さんとご近所の方が周辺を取り囲んでいる状況でした。


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やばい…

近くに車を駐めて
走って会社の敷地内へ。

もう半泣きです。

会社に着くと目の前で
ロウソク工場の屋根を炎が突き破っています。

数十人の消防士の方々が大きな声で叫びながら
消化活動をしています。

大量の放水により地面は水浸し。

空には大量の黒煙。

ひたすらスマホで写真を撮る方々。

全ての光景を昨日の出来事のように
覚えています。

消防士さんから

中に人はいないか?
中の間取りはどうなっている?
中にロウソクがあるのか?

と聞かれますが、
焦ってうまく答えることができません。

落ち着け
落ち着け
落ち着け

心の中で何度も繰り返しながら
なんとか質問に答えます。


数時間後…


無事鎮火。


(深夜にも関わらず懸命な消化活動をしてくださった消防士の皆様には頭が上がりません。今でも感謝の気持ちでいっぱいです。お陰様で、怪我人が出ることはありませんでした。)

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時間が経って少し冷静になります。
改めて見ると、目の前には真っ黒に焦げた工場が。一部の壁や屋根は焼け落ち、中の設備がボロボロになっているのが分かります。


冷静なればなるほど不安が襲います。
これからどうなるんだと。

従業員をどうしよう。
この状況から復旧できるのか。
お取り引き先様になんて言おう。

さらに、ふと思いました。


あ、お盆の在庫が全部ダメになった。


この時期は、書き入れ時であるお盆に向けて
大量に製造している真っ最中でした。

それを全部、何千万円分を損失。

しゃれにならん。

この瞬間は本当死にたくなりました。


精神的には参りましたが状況は落ち着き、
あとは消防士さんが見張ってくださるということで一時帰宅。

家に帰ると、生まれて数ヶ月の我が子が幸せそうな顔で寝てます。
死にたくなるぐらいの気持ちでしたが、頑張らやんなーとちょっと決意します。

仮眠しようと布団に入り、母から着信があったことを思い出します。


まぁ…
父さんが死んだ訳でなく良かったか。

翌日は朝から会社へ。
ここからが本当の勝負でした。

続く...

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