発言内容と発言構造の違い
仕事の中で、例えばある人の発言の内容、メールなどでのメッセージの内容があるときに、
その解釈というのは実はかなり幅があるものだと思う。
実際、複数人に同じ事実に対してどう解釈したか聞いてみたら、違いが出てくるものだろう。
例えば僕も、仕事の中であるお客さんから相談のメールがきて、部下が返信を書き、チェックの依頼がきたのだけど、
“文字的にはこれは答えになっているけど、向こうからしたらこれは期待している内容とは違うだろうな“
と思って、
「文字的にはコミュニケーションとして成立しているけど、内容的には何も答えていないのと同じだよこれ」
と厳しいフィードバックをしたことがある。
こういった違いの説明になるのが、
「発言内容」と「発言構造」の対比だ。
発言構造とは
発言内容というのは、(発話内容ともいう)、
実際の文字情報、音声情報だ。
今なぜか思い出したことで、僕が高校生の時にこんなことがあった。
美容院に電話をして、予約をしようと思い、
「〇〇で見て、カットの予約をしたいんですけど」
といったら、
「予約したいんですけど、なんですか?」と返事をされた。
(ちなみにこれは10年以上経って思い出すくらいめちゃめちゃムカついた。笑)
確かに、文字的には文を言い切っていないので、相手の返答は正しいかもしれない。
しかし、予約の対応は店員が行うのだから、予約の意思を示したところで、予約の時点でどのような情報が必要か、どのような手続きを行うのか、話を進めるのが普通だと思う。
僕は、このような意味で「予約をしたいのですが」といったのだ。
(まあこの美容師は、ただ嫌味で言っただけだと思うが。)
発言構造(発話構造)というのは、その人がどんな状況で、どういった意図でそれをいったのか、といったことだ。
言い換えると、文字情報や音声情報といった点的情報に、他の点をつなぎ合わせた、面的情報とも言えるかもしれない。
だから、コミュニケーションにおいて、どのくらい相手のことを理解できるかと言うのはあらゆる状況でとても大切なことだけど、
どのくらい点としての情報を把握していて、コミュニケーションの中でどれだけそれを繋げて理解できるか、ということが相手を理解するという上での優秀さにつながるのだと思う。
「こいつ人の話全然聞いてないな」
と思う人は、僕の経験だと本当にたくさんいて嫌になる。
もちろん伝える側の伝える能力も関係するのだけど、ぜひちゃんと発言構造をとれる人が増えてほしいなと思う。
というわけで今回は、「発言内容」と「発言構造」の違いについて、でした。