わたしとあなたと彼と彼女と
僕にはずっと、わからないことがある。
それは、他者とは本当に存在しているのだろうか、ということである。あまりにも人間で溢れた社会の中で、僕たちは毎日、数え切れないくらいの他者と関わっている。街を歩くとき、電車に乗るとき、バイトをしているとき、僕のことなんてさっぱり知らない彼らは、何食わぬ顔をして歩き、食事をし、言葉を発する。僕にはこの事実が、どうしようもなく恐ろしく思えてしまうことがある。というのも、これだけ多くのことを考え、数え切れないほど多くの生き物の命をいただき、信じら