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ハロー マイセルフ


離職後の手続きのため、朝からハローワークを訪れた。想像以上の数の人の中、何とか座る場所を見つけ、順番を待つ。

「ちょっとさぁ、もうここにおりたくないけん、外で書類書いて戻ってくるわ」

声の大きい年配男性の言葉が聞こえ、そちらに目をやる。職員の方は困った様子だけど、私は共感しますよ、先輩。私も、若干息がしづらい感覚があります。先輩のようにはっきり言えること、本当にすごいと思います。

そんなことを考えていると名前を呼ばれ、慌てて立ち上がる。「職種は?雇用形態は?夜勤はできる?」
職員の方は慣れた口調で、私の希望を登録してくれる。

「転居は?」
「できます」
「え、できるの?」

職員の方は驚かれているようですが、わたしは今テンパっていますので、軸なんて簡単にぶれるのです。

「海外勤務は?」....その質問は、全く想定してなかったぞ。「国によります」と言い職員の方の顔を見ると、「それちゃう」みたいな、何とも言えない表情。ここは時間をかけるところではないようだと察する。

「あ、しますします」

何せ今の私は、普通じゃないですから。もうどこにだって行っていいような気にもなるのです。
「えっするの?!」
職員の方はさっきよりも驚き、首を傾げながらも登録してくれた。

「給与の希望は?」
ギリギリ生活できるかな、という金額を伝える。
様々な企業から不合格をもらい続けている私は、どうやら自信を無くしているようだ。

「それでいいの?!もうちょっと上でもいいんじゃないですか。海外まで行くんだから。」と職員の方は言い、5万円上乗せした金額で登録してくれた。ハローワークで唯一、笑いが出た瞬間だった。この方からは、夜勤やシフト勤務はしないが海外には行く、安い賃金でも良いと言うミドル世代(私)はどう見えているのだろう。

次回日時の伝達をもって、手続きは終わった。ここから7日間は待機期間。仕事をしてはいけない期間だ。そのことに、少しほっとしている自分がいる。サボっている訳ではない。私はしっかりと待機しているのだ。

今、実に多くの求職者がいる。無職になって初めてのハローワークではそんな現実と、自信喪失でやけくそ気味な自分に、ハローした。このままでは、気づいた時にはすごく安い報酬で海外に行ってた、てことにもなりかねない。まずは自分を取り戻さねば。

大人のハローワークは、学びが多い。
次の居場所を探す旅は、まだ続く。

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