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2024年、1月2月の観ておきたい作品ズ

年末年始は結局あまり休まらない。
つまるところ休みというのは「ほかの大勢が働いている」中で休むからこそなのかもな、と改めて思う。

あと、“とりあえず今日も生きのびよう”程度の意気込みで日々過ごしている身としては、この時期のSNSにおける人々のモチベの高さにも恐れおののいている。全員年末ジャンボ努力賞以外のやつでも当たったのか。もしくは忘年会が本当に効いているのか。
とにもかくにも、世間がやる気に満ち溢れすぎている。それでいて数日後には「働きたくない」とか言っているのだから、おせちには何か未知の薬物が仕込まれている気がする。

ちなみに私も一応「本年もお世話になりました、良いお年を」とか言っているが、日々皆様に感謝しているので、「本日もお世話になりました。良いお日にちを」とか言ってみたら良いのかもと思う。もちろん言わない。
ということで、本年もどうぞよろしくお願いします。

では今回のダラダラ喋るコーナーも終わりとして、本編です。
せっかく1年間も続けられたので、今回からは前2ヶ月のBEST3を添えて始めようと思います。


✔︎11月、12月のBest3

1,枯れ葉 / アキ・カリウスマキ
2,マエストロ その音楽と愛と / ブラッドリー・クーパー
3,ファーストカウ / ケリー・ライカート

ちなみに年間レベルでのワーストは「PERFECT DAYS」


✔︎「絶対に観にいく」2作品
月に一回、映画館に行く生活がしたい人向け

・哀れなるものたち 1/26公開

「女王陛下のお気に入り」「聖なる鹿殺し」で知られるヨルゴス・ランティモス監督最新作。
原題「poor things」として昨年様々なシーンを席巻した本作がついに日本公開となる。(正確には映画祭で既に公開されていたりもするが。)
エマストーンとヨルゴスランティモスは「女王陛下のお気に入り」からの再タッグ。人によっては上半期No.1になる可能性も秘めている。

・ボーはおそれている 2/16公開 

奇才アリ・アスター監督最新作にしてホアキン・フェニックス主演のスリラー作品。
母親の怪死(怪死ってなに)を聞き、帰省するホアキン演じるボーに起こる意味不明な現象の数々を体験することになる。
ボーは極度の怖がりかつ妄想癖があり、不安定な精神状況や諸々が引き起こす恐ろしい世界を一緒に観てみようぜ、ということであるが、期待値もなにも置きにくいので、黙って映画館に行くが吉そう。


✔︎おそらく観にいく、期待の作品リスト
月2〜4(年間で24〜50本)の新作を映画館で観たい人におすすめ。

・ミツバチと私 1/5 公開 

自身の性別について悩む8歳のアイトール君を通し、ジェンダーのみではなく、家族の関係性や関わり方に焦点を当てていく本作。
アイトール君を演じるソフィア・オテロは撮影当時9歳。本作は、その名演がベルリンで最優秀主演男優賞を受賞したことで広がった側面もある。
ちなみに母役のパトリシア・ロペス・アルナイスと、養蜂場を営む叔母役のアネ・ガバラインも、香港で最優秀女優賞を同時受賞している。
テーマとしては、品質が揺らぎがちなものではあるものの、作品強度は間違いなさそうなだけに、期待が高まる。

・ニューヨークオールドアパートメント 1/12 公開 

不法移民としてニューヨークで暮らす双子の兄弟と母、3人の生き様を描いた作品。
ティザーサムネイルの中央にいる美女クリスティンが絡むことで進んでいく兄弟の物語や、家計を支える母の物語それぞれから、ニューヨークにおける移民の姿や、人々の暮らしを覗きつつ、思索に耽りたい。
ティザーや評判ベースでは、映像や音楽で目新しい興奮がある可能性は低そうか。

・みなに幸あれ 1/19 公開 👀👀
※ホラー💀

※ティザー閲覧注意⚠️
古川琴音さん、勘弁してください。
「地球上の幸せには、限りがある」というメッセージラインにしてこのタイトル。度を越した不穏さから、すでに話題の一作。
本作は、2021年の「日本ホラー映画大賞」初回大賞受賞作品であった短編作品が、同監督により長編化したもの。
ティザー観るのもしんどい。ホラーは苦手である。人と観るようなものでもないし、勘弁してほしい。

・緑の夜 1/19 公開 👀

ファン・ビンビンとイ・ジュヨンを観に行こう。ストーリーについては、前情報あまりまだなく、特に書くことがない。
ただし、作品強度はおそらく心配ないと思うので、ティザーを観て興味が湧けば、是非おすすめしたい一作。こういうやつがなんやかんや年末まで頭に残り続けることもある。

・夜明けのすべて 2/9 公開 👀👀👀

待望の三宅唱監督最新作。本当に、待ってました。
「ケイコ 目を澄ませて」で多くの人の心を掴んだ三宅監督の新作は、瀬尾まいこの小説を映像化したものとなった。
上記の前作では、本筋の内容もさることながら、コロナ禍の東京の描き方がとても好みだった。そういった意味で、今回も様々な観点での期待値が高い。本当に楽しみ。
近しい人に今一番勧めたい作品。

・瞳をとじて 2/9 公開 👀👀👀

ビクトルエリセ監督31年ぶりの長編新作、らしい。というのも私は旧作をほとんど観ない。
特に自分が生まれる前の作品については、有名どころもあまり興奮がなかったので実に興味がなく、同監督の代表作らしい「ミツバチのささやき」も例に漏れず観たことがない。
ただし、話題の集まり方と、シネフィル達の興奮度合いから今回ピックアップ。
ストーリーは、元映画監督が、失踪した人気俳優の形跡を追っていく展開。それらを通してエリセ監督の「映画」への感覚が表現されるのかもしれない。
特に気負わず、気に入らなかったらそれはそれ、というくらいに新鮮な目線で鑑賞したい。

・落下の解剖学 2/23 公開 👀👀

今年のパルムドール受賞作品。(カンヌにおける最高賞)
今季のフランス映画界最高傑作とされているであろう一作がついに公開。
夫の不審な転落死、唯一の目撃者は視覚障害のある息子、疑惑のかかる人気作家の妻。真実と家族の関係性を追求していくヒューマンミステリー。
大きな懸念点もなく、これで今年が決まってしまうかもしれない。
個人的な感情で強いて挙げるなら、登場人物における「作家業」が最近持て囃されすぎている気がしている。そんなわざわざ一線を画すほどに高尚なのか。必要不可欠なのか。どうせ2回くらいは観るだろうから、そのあたりも考えてみたい。


✔︎他注目作品(タイトルとティザーのみ)

・ガザ・サーフ・クラブ 1/12 公開

・ジャンプダーリン 1/19 公開

・コット、はじまりの夏 1/26 公開 

・ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2/2 公開

・ローリング・ガール 2/2 公開

・熱のあとに 2/2 公開

・firebird ファイアバード 2/9 公開

・flooting holidays フローティングホリデーズ 2/16 公開

・ネクストゴールウィンズ 2/23 公開


おしまい。各所のリアクション的に「落下の解剖学」までは、なるたけ全部観たい。

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