10日目:トイレに電話を落として取れなくなった。そんな日々で得た気付き
11月6日金曜日。
11月になりましたね。
ぐっと気温が下がって、大保木の山も少しずつ秋めいてきました。これからどんどん赤く染まっていくのが楽しみです。寒くなっていくのはいやですが(笑)
美味しい付け合わせ
事務室の隣の調理室では、朝から女性たちが集まり調理が始まりました。
本日は茶話会だそうで、お昼ご飯をあれやこれやと作り始めたようです。
また、今日は昼過ぎから人権教室が予定されています。
館長さんと主事さんによって会場の準備もばっちりです。
お昼は豚汁や昆布おむすびの他、こんな付け合わせが。大根が主に使われています。
ほうれん草と大根のかつお和え、大根と魚の醬油漬け、大根と柿の酢の物。
全部美味しいのだけど、柿と大根の相性がとってもいいんですっ!美味しい!
私はどちらかといえば柿は苦手だけども、これは美味しくいただけるぞ。柿の新しい使い道を発見。
事件発生。子機の行方は…
そうしてお昼を食べ終えて、一服しているとき…
事件は起きました。
どうやら本日講演くださる先生が少し早めにお越しになったようです。(これは事件ではない)
だいたい準備は済んでいるものの、まだ一服後の片付けなど残っている状態。
ひとまずやれることはささっとやって、速やかに会場の方へ移動した方がよさそう……
そんな気持ちでばたばたと動いていて、とはいえトイレは済ませておきたいと、サンダルを引っ掛けトイレに駆け込んだ私。
ふう、すっきり。
和式トイレから腰を上げ、ズボンをすっと履いた瞬間…
ガラガラガラ、スコーンッッ・・・
え…、ちょ、何……!??
あまりに今起きた出来事のスピードが速く、瞬間的過ぎて、目にも留まらなかったため何が起こったのか全然わからなかった。
どうして急にこんな派手な音…一体何が…
私は思考回路を超高速で巻き戻し…
あっ!電話!子機……!
「ヤバっっ!!」
狭いトイレの中で一人、便器に向かって思わずでかい声を上げた私は、水の流れ行く先を呆然と見つめた。
公民館のトイレは、重さで流れる部分の蓋が開くトイレなのです。
ちょっといい画像がなかったので言葉だとわかりにくいかもしれないですが、
イメージとしては、ぼっとん便所のぼっとんするところに蓋がついている、みたいな感じです。
用を足してレバーもしくはボタンを押すと前方から水がザーッと流れてきて、水圧も加わって蓋が押されて排せつ物が流されるという仕組みです。
ただ、水が流れなくても蓋は重みで勝手に開くのです。
そう、つまり…その蓋に向かって子機が勢いよくぶつかっていったものだから、、、蓋が開いて…
子機は真っ暗闇へと真っ逆さまに落ちていったわけです。
いや、もしかすると真っ直ぐかもしれない。
いや、そんなことはどうでもいい。
さっきのガラガラは子機が便器にぶつかる音で、スコーンは蓋が開いた子機が排管を通っていくときの音だったのだ。
なぜ私が電話を持っていたかって、館長さんと主事さんが会場準備に向かった際、何かあったらひとまず出てほしいと子機が私に少しの間だけ託されたのだ。(会場である講堂は電波の届きが悪いため)
すっかり忘れていた…。ズボンの後ろポケットにさし込んでいたものだから、あまりにも身近で、もはや体の一部のようになっていて、違和感を感じない状態であった。
いやああ、こーれはやっちまったなあ。。。
しかし、もしも救いようがあるとするならば、このあと水を流さない方がよいのだろうかと思い、手を伸ばしたらまだ拾えるのだろうか、無理でも他の方が使う前に使用中止の紙だけでも貼っておこうか、と時間の無いなか高速で再び思考回路を回しばたばたし始めた。
なんでこう、忙しいときに限って…
本来ならなかったはずの慌ただしい時間をつくりだしてしまったわけだ。
人権教室の先生、そしてお付きの方が腰掛ける椅子を横目に、彼らの対応に追われる主事さんを捕まえて
「あの、電話がトイレに落ちてしまったんですけど、子機が…、使い捨ての手袋ってないですか…っ」
と小声で事実を伝えた。
内容が内容だし、そもそも来客のいる前でするような会話ではない。
それを聞いた主事さん、目が点。
でしょうね。
一瞬何を言われたのかわからなかったようです。理解が追い付かないのも無理はないと思います。
その後、手袋を受け取った私は、まあ、見たくもない暗がりを覗き込んで腕を伸ばしたわけだけども…けっきょく子機には少しも触れず。
使用中止の紙だけ3枚くらいトイレ周りにベタベタ貼り付け。ばたばたしながらも先ほど事情を説明した館長さんと講堂へ向かう途中に鉢合わせた。
「これまでも2、3回くらいかな。トイレにケータイ落とした人がおったんよ」
と館長さんは半ば呆れながら、かつ若干笑いながら言った。
いたのか。やはり。
「でも落としたらもう無理じゃ。戻ってきた人なんておらんぞ」
ですよね…。
人権教室の後、すみませんでした、と私は事務室で頭を下げた。
まあ、よくあることだし気にせんで、スマホじゃなくて良かったね、といったようなことをお二人はおっしゃった。
お許しをもらえて私は一安心である。うん、本当にスマホじゃなくてよかった。心優しい方々でよかった。
電話が来たときトイレの底の方で子機が鳴ってたら面白いね、と主事さんは笑った。
わかる。私もそう思っていた。
実はトイレに落とした瞬間、そう思ってひとりでに笑っていたのだ。
…落としておいてそんな場合では全くないが。
新しい子機は社会教育課にお願いして用意してもらうことになるとのこと。
それまでは子機がないので…事務所を不在にはできないという、つまり事務所に張り付けられる人が誕生してしまうことになったわけです。
円滑な業務の遂行を妨げることになってしまい、誠に申し訳ない。
以後、トイレに入るときはポケットの中、持ち物、身なりに気を付けます。
今の自分に必要なことが起きる
私は子機を落としたとき、実はこれは何かの前触れ的なものではないかと思った。
というのも、数日前にも「これはいったいどういうことだ…?」と思う出来事が起きていたからである。
ここ最近、noteの更新がわりと遅くなってしまったのには理由があって、私が仕事で外部に視察に出ていた。
私はその視察先から西条に帰る手段として、現地から発車する高速バスで今治まで乗る予定でいた。余裕を持って駅についてお土産を買って、さて時間を…と思った瞬間、
「あ、ケータイ、ホテルのトイレの中…!」
と思い出して、発車10分前に慌ててホテルまで全力で走った。息は上がっていたけれどバスの発車には間に合った。
さらに、その後、今治から西条まで電車に乗った時のこと。私は窓際に乗車券と特急券の2枚を置いていた。もうそろそろ着くな…私は切符に左手で軽く触れた。そうして目的地に到着し、リュックを担いでバッグを持って電車を降りて、改札が見えてきて…
「あ、切符、電車に忘れた…!」
私は去りゆく電車の作り出した冷たい風にただただ吹かれていた。
改札で駅員さんに事情を話して切符を探してもらったり、領収書を見せたりして、まあなんとか駅から出られた。
まあ、どうしてこうも冷や汗の出るようなお騒がせな事が立て続けに起きるのだろう。 心臓に悪い。
私は視察で多少疲れでも出たのかなと思っていたけれど、今回の子機ボトン事件を経て、これは何かを意味しているのか、という気持ちになった。
電話が2回と切符が1回。…あ、でも行きの高速バスで往路と復路の切符を間違えて渡しちゃって運転手呼び止めたりしたし…
そうやって考えていくと、あれこれ思い当たる節があるのだけど、それでもちょくちょく行動にストップがかかるというか、スムーズにいかないことがよく起きていた。
一見すると偶然のことのよう。
けれども電話を落とした6日は、知り合いに早めに聞いておきたいことがあって夜に何度も電話をかけたが一切繋がらなかった。
これは “電話に執着してはいけない。相手とは繋がらないぞ”という予知的な意味合いがあったのではないかと思われた。
切符については、“急がず時間に余裕を持って行動しなさい。ゆっくりで大丈夫だから”ということではないかと考えられた。
トイレに忘れたケータイも含めて、総じて私は、“新しい人や情報に出会うことも大事だけれど、身近な人との時間も大切にしなさい” というメッセージなのではないかと思った。
視察では様々な人と知り合って学びは深まったし繋がりもできた。けれども外へ、広く、と思考や視野が広がっていったことで、身近な既にある繋がり、モノや人に、最近は意識がゆかなくなっていたのではないかと思う。
先日、親と電話をして話さなくてはならない状況になって話してみたら、こういうのもたまには大事だなって思ったり、連絡の付かなかった知り合いとはその翌日に心の余裕を持ってきちんと会話することができたり。
数日の間ばたばたしたけど、気付きがあって結果的によかったような。
*
あれ、なんでかな?って思うことがある時って、多分、自分がいこうとしている(やろうとしている)ことが、自分の思っているようにならない方が結果的によかったりするときなんだと思う。
それはその時のあなたには必要ないです、こっちの方がいいですよーっていう感じ。こういうことに今気づいてねーということ。
なんだかスピリチュアルっぽいけどもね。
私の不注意だと言われればそれまでだし、そうだとも思うが、あんまり失くし物や忘れ物をする方ではないので、けっこう珍しい日々が続いた。
でもこういうこと思うことって実はけっこう前からあった…何度も初心に帰るというか、気付きがあるというか。
長くなってしまうので、今日はこの辺で。
にしても、、電話も切符もかなり重要な役割を担うし管理には気をつけよう…。。
以上、今日のこめ氏と大保木でした。
トイレに突っ込んだ腕がしばらく気になっていた人より。