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15日目:イケメン講師による、ど田舎の料理教室

最近はバタバタしていて、少し間の空いた投稿になってしまった。話は今月初めのこと。

12月2日水曜日。

本日の料理教室はなんだかいつもよりソワソワ。どうしたのでしょう。

9:30開始の料理教室に向けて早々と公民館へやってきた方も何人か。

その中の一人が若干、からかい交じりに、
「あれ、今日、なんかいつもと化粧が違うんじゃない?いつもより濃いんじゃないの?」
主事さんを見て一言。

それを聞いたそこにいたみんなは主事さんの顔をまじまじと見つめました。
えー、そんなこと、と言いながら主事さんも笑っています。

実は今日の料理教室、先生がなかなか男前なんだとか。
もちろん、この山奥の公民館を利用するような年齢の方にウケがいいのであって、最近テレビで話題の若手俳優とは違うので、誰から見てもカッコイイお方かどうかは別のお話ですが。

とにかくそれで今日は女性の皆さんの心が浮足立っているわけですな。化粧の濃い薄いまでは気付かなかったが、男性から見たら分かるものなのだろうか。

そんな話をしているうちに、参加者も集まり、噂の先生もお越しになりました。

公民館には健康づくり推進員という立場の人たちが何人か配置されています。
栄養士さんとかJAに所属している人だとか、街で食材、料理を扱う仕事をしている人が中心になって、公民館に関わる高齢の皆さんの健康を支えてくれているとのこと。

主に料理教室の回は推進員が登場することが多いのだけど、今回も例外なく、推進員の先生が現れました。

こちらの先生は市街の日本料理の店で料理長をされています。

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この角度からイケメンであることが伝わるのだろうか…。
まともに写真取り忘れた。…イケメンすぎたからということにしておこう(笑)

今回はまたすごい和風の、料亭でしか食べることのできない料理の数々が登場するそう。
出来上がりが待ち遠しい…。

まずはデザートにあたる黒胡麻豆腐を作っていきます。
固まるまで時間がかかるため、一番最初に取り掛かります。

料理教室にはいろんなパターンがあって、グループに分かれて一種類ずつ料理を作る方法がよくあるパターンですが、今回はみんなで一緒になって、一つの作業を進めていく感じです。

まずは水と葛粉、砂糖をよく混ぜ合わせていきます。

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とろみがつくまで中火にかけて、ひたすら混ぜ混ぜ。とろみがついたらしゃもじで練って、粘りが出てきたらバットに入れていきます。

「店ではだいたい1時間くらい混ぜますね」

先生の一言に、ええ、と声が。
そんな混ぜてたら腕痛くなる。(笑)
きっと中火でゆっくり丁寧に混ぜるのだろう。確かに料亭で商品として出すものになったらそれくらいは当然することなのだろうなあ。

黒胡麻も入れて混ぜ混ぜ。

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でも今日はそんな長いこと待てないので (笑)、20分も経ったか経たないかくらいでバットに移しました。

このとき使うバットには、あらかじめ水を入れておきます。材料をバットに入れるときに中の水を捨ててそこに入れると、完成して出すときにバットに付きにくいのだとか。ここ、ポイントですね。
この豆腐は常温で固めるので、しばらく放置します。

続いて、メインディッシュで使う、人参を切っていきます。

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指が…綺麗。

かぶら(かぶ)も硬いところが残らないよう、多めに皮を剥いて、おろしていきます。

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ここに卵白、少し塩を加えて合わせていきます。たっぷりできました。

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作業は着々と進みます。

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途中、春菊、そして三つ葉を茹でるときのこと。
大保木の一人が鍋にたっぷりの水を入れて、火にかけました。
塩を入れるとのことで、先生に、塩はどのくらいかと尋ねたら、一言。

「3パーセントで」

さ、ん……!?!?

と、私たち大保木勢は一瞬、固まった。(笑)

こんな場面で使う塩の量なんて普段量らない人がほとんどであったし、そもそも水の量が、とにかく鍋にいっぱいという感じで入れてるだけなので、、ここに3パーセントの塩って…どのくらいなんや(笑)

え、先生…という視線を向けると、先生は「あ、だいたいこのくらいで」と塩を一つまみほど入れたよう。
ですよね、うん、そのくらいでいいですよね。よかった。(笑)
その場に安堵の空気が広まった。
ここは料亭ではないので、そんな感じで大丈夫です。

主事さんいわく、先生はとてもきっちりしているお方で、基本的に材料は余分に持っては来ず、量と数を人数に合わせて準備してくるそう。

今日は魚料理ですが、そのお魚は鰆(さわら)です。
鰆の切り身に酒と塩を少々ふって蒸し、さらに、卵白と混ざ合わせたすりおろしかぶらをふんわりのせて、また5分ほど蒸し器で蒸します。

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写真は蒸す前の鰆と、かぶらをのせて蒸し終えた鰆。角度がバラバラですみません。

少し見えづらいですが、鰆の下に昆布を敷いているのです。これで昆布の出汁もとっているわけですね。

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蒸した後に出た、この出汁。実はこれにうまみがぎゅっと凝縮されているのだそう、
捨てずにとっておき、盛り付けの際に鰆にかけます。

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今日はこの鰆に餡をかけるのですが、餡の中には先生持参のレシピにはない食用菊も入れていきます。
餡の出汁はかつおの二番だしです。     さらに、そこに使う柚子の皮も刻んでいきます。


この過程の合間には、メインディッシュにつく先付の葱を切っている様子も。
葱はしっかり水気を切って、茹でた三つ葉と酢味噌で和えていきます。

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酢味噌は味を見ながら味噌に少しずつ酢を加えて作ります。
先生に尋ねると、一般的には、味噌:酢:砂糖=2:1:0.5~1 くらいの割合で、そこにみりんもほんの少し入れるとのこと。

そこに、舞茸中心でつくったお汁と、ご飯がついて、胡麻豆腐も切ってきな粉をかけて…


ついに料理の完成です。

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左から、白飯、先付の京葱と三つ葉の酢味噌和え、甘味の黒胡麻豆腐、蒸物の鰆のかぶら蒸し 春菊餡かけ、先生が作って来てくださった卵焼き、汁に清まし仕立て です。

なんて、日本料理。
皿はあるもので済ませているけれども、それにしたって料理が上品すぎやしないか。

食べ始めると、部屋中に様々な声が。
とくに、鰆がとっても美味しい、卵焼きがいい味だ、という声が多かった。

私も食べてみたけれど、鰆は美味しい上に、とても柔らかかった。歯が丈夫でなくても、さらりと食べられるし、それでいてしっかり味がするから、きちんと食べ応えがある。

全体的に柚子の風味が効いていたなと思うし、どちらも薄味で味が主張していなくて、合わせて食べやすかった。


いつもは食の細い方もいるけれど、今日は誰一人残さず完食…!
ええ、全部食べたん? すごいねえぇ。
そんな声も所々で上がる程でした。
そのくらいみんながペロリとたいらげてしまう料理だったようです。

さすが、料理屋さんの料理だ、と思った。
よく考えて献立が作られているものだなあ。
美味しい料理って、自然に笑顔も会話も増える。
みんなで囲むと楽しさも増える。
さらにイケメンがいると場の雰囲気が変わる。(笑)

普段ときめきの少ない山奥が、色めき立った一日となりました。


以上、今日の大保木でした!
格別な料理で舌は満足したけど、満腹にはならなかった人より(笑)


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こめ氏と大保木の日常
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