そもそもなぜリーダーが傾聴することになったのかと、セリフへの探求のはなし【傾聴に悩む上司/リーダーへ③】
さて、1on1で部下/メンバーが話してくれないと、何が困るのでしょう?
「1on1なんだから、話してくれないと成り立たないじゃないか」
「こっちはリーダーとして把握しておく必要があるんだ」
「会社の中の立ち位置として、「傾聴できる」が評価指標だから」
でしょうか。
あるいは、一歩踏み込んで
「自分が嫌われていないか怖い」
「今の仕事を不満を持ってやっているのなら申し訳ない」
「悩みや改善案があるなら教えて欲しい」
でしょうか。
一昔前であれば、相手の状態など後回しで、アウトプットを出してもらうことが大事でした。上司との会話と言えば指示命令がメインで、私もそういう中で社会人生活をスタートしました。
現在は、チームがいいアウトプットを出して問題なく業務をやっていても、部下やメンバーが考えていることを知るのが、リーダーの役割・職務の一つになっています。
そもそもなぜ日本で1on1をすることになったり、部下/メンバーの話を聴くことになったのかと言えば、日本経済の先行きが不透明になり、従業員の将来的なキャリアサポートを企業が出来なくなったからでした。
誤解を恐れずに言えば、
「もう先の補償をすることができないから、自分で自分を成長させてね。自分を開発してね。そのためにリーダーがあなたの話を聴き、自己理解を深めるサポートするよ」
となるでしょうか。
そこでリーダーのあなたは一旦立ち止まり、なぜメンバーに話してもらいたいと願っているのか、もう一度整理してみてください。
「私はどうして話してほしいのだろう?」
「なぜ話してくれないことに困っているのだろう」
出てきましたか?
次は、以下のことをイメージしてみて下さい。
「私はどんな会話が交わされることを望んでいるのだろう」
「何往復の会話が交わされているといいのだろう」
「最後に”部下やメンバー”が何と言ってくれるといいのだろう」
会話はライブです。
こちらの言葉に相手が反応し、相手の言葉にこちらが反応する。
こちらが描いている会話の終わりと、相手の描いている会話の終わりができるだけ、同じになるように工夫する。
同じイメージで終わる可能性はありますか?
同じイメージで会話が終わるためのパターン(セリフ)をいくつ持っていますか?
会話上手の方の特徴として、相手に合わせて会話ができる能力があります。
これは、相手の興味のある事に対する情報を持っていることだけではなく、会話のパターンやセリフをたくさん持っていることだと思うのです。
話し上手な人が興味を引く話のテーマをたくさん持っているように、お笑いの方々がネタをたくさん集めているように、会話のパターンをいくつも持っていて、出すことができる。
相手がどんな言葉を発したとしてしても、それに合わせた言葉を出すことが出来る。
時には聴くだけでなく、上司/リーダーのあなたの言葉を入れるパターンをつかえば、あなた自身もモヤモヤせずに1on1を終えることができるでしょう。
もしお互いの主張がずれて終わったとしても、次の会話への「いい居心地」が残れば、1on1は機能してると思っています。
「会話のパターンを増やす」
「会話のセリフを増やす」
どうしたら話してくれるだろう?の解決ヒントとして、この二つを深めてもいいのかもしれません。
今日も、最後までお読みいただきありがとうございました。