たすけ亭

文章書く練習

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最近の記事

【詩】Mirror

ここは暗い 激しい雨の音がキコエル 割れた瓶が転がっている 何が入っていたっけ 空っぽのまま 空っぽのまま 雷が落ちる 壁に寄りかかったまま 瞬きを忘れた シャツが汚れている ひどい臭いだ 木造の家は もうすぐ壊れる この嵐で何人死ぬだろう すべてぐちゃぐちゃになってしまえばいいい 窓が割れて破片が飛び散る 僕はそれを見る 壊れたなと思う 風が入ってくる 長い髪がゆれる 風だなと思う もうすぐすべて壊れる すべて消える ここは暗い 何も聞こえない 割れた瓶が転がる 僕が入っ

    • 【詩】青い人形

      目を瞑って 静かな水面に浮かぶ 波紋は誰かに響くように 呼吸を続ける 聞こえてくる静寂のメロディー 青い空に浮遊して 落ちる雫はスローモーション 雲間から陽が差し込み 僕の頬を照らす 温かさを感じるけど 命をどこかに落としてきたから 動けないままでいる 木々は歌い始め ピアノのような雨が降る 目に当たってこぼれ落ちるそれを 涙と見間違えてくれないか 僕は青に溶けていく 誰も歌わなくなったそれを 心の中で反芻する 顔も思い出せないまま 最後に少し悲しい表情をして 青い人形

      • 【詩】Desire

        僕は望んだ 何かで一番になって大勢から認められること 僕は望んだ 誰かの心を動かす物語を作ること 僕は望んだ 誰かが手を差し伸べてくれること 僕は望んだ 誰かが抱きしめてくれること 僕は望んだ 誰かが苦しんで不幸になること 僕は望んだ 穏やかな日、公園の木の下で昼寝をすること 僕は望んだ 青い空と青い海に包まれること 僕は望んだ 誰かが再び歩みを始め、笑顔を取り戻すこと 僕は望んだ この世から全員いなくなること 僕は望んだ 幸せを、その瞬間に感じられること 僕は望んだ その瞬

        • 【詩】乾いた世界

          蝉の声が反響する 灰色の街 歩き続ける ポケットには52円 時間のように過ぎ去るエンジン音 なぜあんなことをしてしまったのか 罪の意識が影となってへばりつく 空腹が私を獣にする 輪郭がぼやける 乾いた汗を拭いとる 無精髭が刺さる どこまで歩き続ければいいのか 陽炎が私を誘う ふと気が緩み 歩みをやめた時の 一瞬の無音 全世界が私を見ている 冷たい視線 「お前は」 呼吸ができなくなる 白い太陽が見張っている 再び歩みを始める 蝉の声がループする 時間のように過ぎ去るエンジ

        【詩】Mirror

          【詩】カランと鳴る夜

          寝静まる夜に目覚めるモンスター ボサボサの髪と 埃まみれのパジャマで 真夜中の空気を吸いに行こう 生ぬるい風と 電灯のジジッって音 見渡す限り人気はなくて 全員死んだみたいですね スキップスキップ 一回転して決めポーズ 道の真ん中で寝そべって センシティブなM字開脚 自販機に10円玉20個ぐらい入れて 同時押しチャレンジ 選ばれたのは、ボスの微糖でした クソまずいそれも 真夜中に飲む背徳感でまあうまい カン蹴りしようぜ、お前カンな 蹴った時の音が思ってたより大きくて 近所迷

          【詩】カランと鳴る夜

          【詩】逆光花火

          「海を見に行こう」 花火大会の日に君はそう言った 喧騒から離れ 僕らは列車に乗る 花火を背に 静かな方へ 誰もいない世界へ 僕と小さな金魚と 逆光で暗くなっている君と その顔はきっと笑っていると思えた 波は僕たちが来るのを 予期していなかったように 呼吸をやめていた 神を欺いたって 子どもみたいに笑い合った 灰青、渚、斜めに続く 君が僕より少し前に立つ 顔はちょっとしか見えないから 瞳に僕が写ってるかわからない 蝉の鳴き声はうみねこの鳴き声に 花火の音は君の心臓の音に 君

          【詩】逆光花火

          【詩】Hello?

          孤独と引き換えに自由を手に入れた 宇宙で僕はただ一人 生きているようにうねる炎も 一緒に飛んでくれる鳥も なんだって想像できる それなのに何か埋まらなくて ... 無重力が誘う先に なにか期待してしまう あの時手を伸ばした 太陽も 月も こんなに近くにあるのに 近づくほど引っ込めたくなる 矛盾と時間が心を侵食していく 僕も宇宙になるみたいだ 耳を澄ませば 赤いせせらぎ 届かないとわかっていながらも 何か叫んでいる 「もう諦めろよ」 語りかけるほど強くなる ああ、そうか あ

          【詩】Hello?

          【詩】奇色

          汽車は僕を置いていく 空は黒く染まっている 僕は消しゴムで消し忘れたみたいになって 呆然として 左耳に風が吹く 右耳に岩の独り言 また汽車が来る 僕を通り過ぎていく 誰も僕に気づかない どんどん薄くなっていく 空に心臓が浮かんでいる 、らしい 血の流れる音がする これは僕のじゃない ほんと、どうでもいい 汽車はもう来ないらしい 僕はなんでここに立っているんだろう 下を向く 鳥が死んでいる 僕は笑う 消える

          【詩】奇色

          【詩】堕落

          どれだけ美しくて暖かいものに触れたくても 夜はそれを許さない お風呂に入ってないと心まで汚れてしまうのか 別に前から心は死んでいるから もはや関係ないか 全てを捨てたあとに全て欲しくなる どっちが正しいのかわからない どっちも間違っているとしたら 僕はどれだけ馬鹿なんだ こんなにも恵まれているのに動けないなんて やはり心が腐っているからか でもなんか綺麗な部分もある気がして 中途半端で嫌になる 天使が自分に囁く 「もう頑張らなくていいよ」 後になってそれが悪魔だと気づく

          【詩】堕落

          【詩】5月の終わり、嵐山にて

          高い空を見上げて 誰かが言った「自分を信じろ」を信じて 僕の目はキラキラしていた でも背伸びをしすぎたみたいで 届かないとわかると いじけて俯いてしゃがみ込んでしまう 気づくと暗い部屋のベッドの片隅にいた やるべきこととやりたいことで首を絞められる 言と葉が絡まってすべてがぐちゃぐちゃになる 僕は何を感じていて 僕は何を言いたいのか わからない わからないのになんだか悲しい とにかく最悪の気分だ 馬鹿が クソが こうなると わかってただろ 何度味わえばわかるんだ 頭が悪いな

          【詩】5月の終わり、嵐山にて

          【詩】空

          隠したものを暴いてほしいの 君の脳内を僕で埋め尽くして はやく僕をあいつから解放して 次は君の奴隷になりたい ずっと被害者でいさせて 「かわいそうに」 みんなが泣いてる そうすることでしか許されない気がする 気がするだけでこんなに? 馬鹿みたいだ 思い込みでずっとアニメを見てる 空を飛んで 落ちる その繰り返し 「わかってる」って半分本当 自分のことすらわかってないから半分嘘 君はいつも正しい生き方を知っていて 僕は選ぶことを放棄した 刻み込まれたプログラムをただ眺めるだけ

          【詩】存在と傷

          ずっと誰かになりたかった 答えだけを探してた それでもずっと変われなかった 変わりたくないと叫ぶ君がいた 僕はその声を無視していた 「僕を見てほしい」 僕は君を笑顔で殴った これが正しいって思い込んでいた 気づけてよかった 僕が弱いってことに 劣っているってことに 醜いってことに 僕って思ってたよりも小さかったんだな 君も思ってたよりも小さかったんだな その傷だらけの君を眺めて生き続ける それだけが僕ができる存在証明だ 何も持たず何も選んでこなかった空っぽの僕の 僕は僕に犯し

          【詩】存在と傷

          【詩】孤独ドラッグ

          バスの窓から見える景色を ただ眺めていた カラスたちが飛んでゆく 阿呆な声を響かせながら 夜になると醜い僕と目が合う  美しい景色が遠のいていく 僕は不機嫌になって 孤独ドラッグを摂取する 気持ちよくなってくる 脳内アニメが始まる 自分が美しくなっていく 僕には鷹のような大きな羽があって 蒼穹のその先まで飛んでいく 誰も声をかけないで 目を醒させないで 支配しようとしないで 不安な僕はナイフを握る その目で僕を見ないで  どう思ってるのかわからないのが一番怖い いっそのこと

          【詩】孤独ドラッグ

          【詩】汚泥の花

          布団の中だけが安全なんて嘘だ  本当の敵は身体の中にいるから 人間はみんなゴミなんて嘘だ  気分が良くなったらそうは思わないんだろ やっぱり他人はどうでもよくて  この世界に人間は僕一人だけ それでも僕は その人間に救いを求める 「今までよく頑張ったね」って言ってくれないか 「もう頑張らなくていいよ」って言ってくれないか そう求める心はどこでも綺麗にデフォルメされる そんなわけない 粘着性の高い黒い心だ まるで埃と生ゴミとペットボトルにまみれたこの部屋みたいだ こんな場所じ

          【詩】汚泥の花

          1/12 やっぱり上手く話せない

           こんばんは、たすけ亭です。  一昨日はゼミの飲み会がありました。ゼミのメンバーとは仲がいいわけではなく、3年になっても未だに敬語で話しかけているぐらいの距離感です。  とにかく僕は彼らとタメ口で話せるぐらいの距離感まで仲を縮めたいと思い、それを目標にゼミの飲み会に臨みました。  結果、あまり距離は縮まりませんでした。一応、インスタは交換しましたが......。(「あれ?今まで交換してなかったっけ?笑」って言われてしまった)  これは前からずっと悩んでいることなのですが

          1/12 やっぱり上手く話せない

          【1/3】新年と地震

           新年明けましておめでとう🎍御座います。  たすけ亭です。  新年早々、大変なことになりましたね。  地震の被災に遭われた方、謹んでお見舞い申し上げます。  noteやTwitterでも公表していますが、僕の実家は石川県にあります。そして年末年始ということで、帰省していたタイミングでした。  【⚠️注意】地震発生時の様子を書いているため、トラウマがある方や想像して不安になりやすい方はここで読むのをやめることを推奨します。申し訳ありません。  地震発生時、僕は大型ショッ

          【1/3】新年と地震