ドイツ歌曲翻訳

ドイツ歌曲の詩を日本語に翻訳します。 まだまだ曲数は少ないですが、コツコツとアップロードしていきたいと思います! ドイツ歌曲を楽しむ際のお供に、また声楽を学ぶ方のお勉強の手引きになれば。

ドイツ歌曲翻訳

ドイツ歌曲の詩を日本語に翻訳します。 まだまだ曲数は少ないですが、コツコツとアップロードしていきたいと思います! ドイツ歌曲を楽しむ際のお供に、また声楽を学ぶ方のお勉強の手引きになれば。

マガジン

  • Op. 39, Robert Schumann

    In der Fremde,

  • Op. 2, Arnold Schönberg

    No. 1 Erwartung, No. 2 Schenk mir deinen goldenen Kamm, No. 3 Erhebung, No. 4 Waldsonne,

最近の記事

筆者

エル−ハレッド・美恵 ドイツ在住歴9年、ドイツ語CEFR C1取得。 ヴュルツブルク音楽大学にて声楽科修士課程及びリート科修士課程を卒業。

    • In der Fremde 異郷にて

      詩: ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフ 稲妻の赤いその向こう 故郷の雲は流れて来れど、 父も母もとうに死んで、 あそこに私を知る者はもういない。 いかに、いかに間近に静寂の時は迫り来るのか、 私も憩うその時が、そして頭上には 美しい森の静寂がざわつき*、 私を知る者はもうここにもいない**。 (短編小説「空騒ぎ」より抜粋) *シューマンによって題名を付けられ作曲されたOp. 39の第一曲"In der Fremde"の曲中では、"rauscht"と変更されている。 *

      • Waldsonne 森の陽射し

        詩: ヨハネス・シュラーフ 褐色の、ざわめく夜に きらりと光が射し入る 緑金色の輝きが 花々はきらめきそして草々も そして歌うように、跳ねるように森の小川は流れる そして ―追懐― 久しく忘れ去られていたことが* 金色に再び呼び起こされる お前の幸福な歌のすべて**が そして私はお前の金色の髪が輝くのを見る そして私はお前の金色の目が輝くのを見る 緑色の、囁くあの幾夜に そして私には、草原でお前のそばに寝そべり お前の白くきらめく葦笛の音が再び 青い天空の風に響くの

        • Erhebung 高まり

          詩: リヒャルト・デーメル ただその手を*私に差し伸べて その指だけでも、そうすれば 全世界を手に入れたように思えるから! おお、いかに我が地上の花開いていくこと あなたもほら、見てください! その地が我々とともに雲を越え 太陽まで届くのを! *シェーンベルク作曲の歌曲では"nur die Hand"の部分が"deine Hand"と表記されているため、邦訳は「あなたの手を」になる。 Japanese Translation © 2021 Yoshie El-Khale

        マガジン

        • Op. 39, Robert Schumann
          2本
        • Op. 2, Arnold Schönberg
          4本

        記事

          Schenk mir deinen goldenen Kamm あなたの金の櫛を私に―イエスの乞うことは

          詩: リヒャルト・デーメル あなたの金の櫛をください 毎朝あなたに釘を刺しておくために、 私の髪にくちづけした事を。 あなたの絹のスポンジをください 毎晩感じていたいから、 誰かのためにあなたが風呂場で身支度をするのを― おお、マリア! あなたの持つものすべてをください 私の魂は自惚れず、 誇りをもってあなたのお恵みを受けましょう。 あなたの一番重い枷をください 私の頭上にあなたの心をも、 あなたの心までをも預けてはくれませんか― マグダレーナ? Japanese Tra

          Schenk mir deinen goldenen Kamm あなたの金の櫛を私に―イエスの乞うことは

          Erwartung 期待

          詩: リヒャルト・デーメル 海緑色の池で、  赤い屋敷のそばの  朽ちた樫の木のもと 月が輝く。 樫の木の暗い影が 水面に攫われ そこには一人の男が佇み 手にした指輪を撫でる。 三つのオパールは光をまき散らし その青白い石からは 赤や緑の閃きが泳ぎ出し、沈んでいく。 すると彼は指輪にくちづけ その目がきらりと光る まるで緑海色の水底のように_ 窓が開く。 赤い屋敷から、  朽ちた樫の木のそばで 彼を招くは青白い 女の手… Japanese Translation © 20