受け皿のないIT業務アーキテクト
技術ファーストの考え方ってエンジニアの中では根強い。
IT業務改善と言っても、システムでは解決できない悩み事だったり、システム化以前の問題解決が必要なケースは多い。個人的な感覚ですが、問題がシステムにあるのか業務プロセスにあるのかすら「わからない」という組織は今すごく増えている。。。
以前、「IT業務アーキテクト」のポジションが圧倒的に足りてないなんて話をしたのですが、日本のIT産業に足りていないのは技術者そのものよりも、各々のビジネスをどうデジタル化したらよいのか(実際の経営や実務と、ITの両面を俯瞰して)設計できる業務デザインをする人材だと、わたしは思っています。
しかし、ITの世界にはどこにも技術マニアみたいな重鎮がいて、こういった「技術を使わない(プログラミングをしない)」ポジションにいるエンジニアを下にみる傾向があったりします。システムが作れてなんぼっていう考えは否定しません。高度でかつ迅速な開発能力があれば、多くの問題はその根本を解決せずとも技術で回避できてしまうことも当然あるから。でも、それだけじゃないんですよねぇ。。。それでは本質的な解決にはなってないし、スーパーエンジニアがいなければ業務改善できない環境なんて、組織としては脆弱な体制になってしまう。
特に若手であるほど、エンジニアとしてマニアックな技術談義を全面に押し出されてマウントをとられると、どうしても言い返せない。そういった重鎮が評価をする側の立場にいるならなおのこと。。。
技術や開発者より上流のデザインをしているのに、評価されないし、、、そもそも会社のなかに技術の「その先」のキャリアパスがない。自分の給料が重鎮技術者の給料と同じになるには何が必要か自体が提示されることがない(この先に自分が成長できる未来が描けない)。そう嘆きながら、先日あるエンジニアが辞めていきました。
わたしの身の回りでもここ2年ほどの期間に2人辞め、1人は辞めようとしています。いずれもIT業務アーキテクト候補の3人です。
いまこの業界に必要なポジションで、そこに向けて歩みを進めている人がいるのに、それを受け入れる素地がない。。。それを阻んでいるのがIT技術者の同士討ちなのだと思うと、なんとも切なくなる。
わたしにできることといえば、そうだな、、、とりあえずその1人とご飯でも食べにいこー(笑)