共依存・下

こんにちは、Licht-リヒト-です！
前回の続きです。前回は幸せを重視させて頂きましたが、今回はホラーとヤンデレ重視です！ではどうぞ！

「共依存・下」
それから数週間が経ったある日、桜は夜道を歩いていた。すると、後ろから誰かが付いて来てるような感覚を感じた。
「……っ」
桜は足早に帰宅した。結局の所、あれが何だったのかは分からずじまいでその日は終わった。次の日、桜宛に一通の郵便が届いた。送り主は不明、内容は桜の写真。それも隠し撮りしたもの。
「な、にこれ……。いやっ……」
桜は感じた事のない恐怖に襲われた。そして桜は悩んだ末、拓也に助けを求めた。
「怖いよ、助けて……」
怯える桜を拓也は優しく慰める。優しく、慈しむように、そっと抱き締める。
「怯えないで？大丈夫、大丈夫だからね。お前は俺が守ってあげるからね」
桜に言い聞かせるように囁く拓也。
「桜？一緒に住もうか。怖い思いをしない為にも、俺といよう」
拓也の強引とも言える申し出に、桜は静かに頷いた。桜はこの時、気付けなかった。拓也の恐ろしい計画に、彼の狂った愛情に……。
「私も、拓也さんと一緒に住みたい。でも……親をどう説得すれば良いか分からない」
「ああ、そんな事？大丈夫、お前が気にする事ないよ。俺に任せて」
「うん……」
桜は拓也の言葉を信じきり、彼に依存しつつあった。桜は家を出て拓也の家で生活するようになった。
「あの、拓也さん？」
「なぁに？」
「どうして、こんな事するの？」
いくら拓也を愛している桜でも、この状態は異常だと感じた。
「んー？何が？」
「どうして、外に出してくれないの？」
拓也は桜を自らの家に……監禁した。
「お前さ、外出たら俺以外の男と話すでしょ？」
彼は桜の髪を優しく撫でながら、言葉を続けた。
「それにお前は、優しいというか警戒心ゼロだからなぁ。すぐ悪い男に着いていきそう。だ、か、ら、こうしてお前を監禁してるの」
拓也は悪びれる様子もなく、そう言った。
「どうして、私そんな単純じゃない！私は貴方だけが好き！……私を信じてくれないの？」
桜は自分が彼に信用してもらえてないと感じた。
「ううん、信用してるよ？だからこそさ。桜は可愛いから、悪い虫がついたら……大変だろ？」
狂気的な笑みを浮かべ話す拓也に桜は恐怖を感じた。初めて彼に恐怖心を抱いた。
「あ…………」
桜の背中に冷たい汗が伝った。
「桜？俺から逃げる事は許さない」
拓也の手には銀色に輝く刃物。
「え、や、やだっ……」
桜は逃げようにも、拘束されていて逃げられない。
「お前に良い事教えてあげる。お前をつけたり、写真を送ってたのは全部俺だ。怖くなったお前は俺に助けを求めるだろうって思ったからな」
「そ、んな……」
事の真相を知った桜は絶望し脱力感に襲われた。身体から力が抜けてしまい、怒る気力さえ起こらない。
「ねぇ桜、逃がさないよ」
そう言って拓也は桜の白い肌に刃物を這わせる。傷がつかないよう、慎重に。
「少しでも動いたら、血が出ちゃうからね」
拓也は楽しそうに桜の肌に刃物を這わせ続けた。
「さてと、じゃあ次のステージに行こうか」
そういうや否や、拓也は桜に口づけをした。
「んっ！？」
二人が交わす初めての口づけ。それはとてもとても、甘いものだった。
「ふふ、目がとろんってしてる。……可愛いよ」
「ん……」
耳元で囁かれる言葉に桜は、敏感に反応した。そして抵抗を完全にしなくなった桜を拓也は優しく抱きしめた。
「桜、これでもうお前は俺のだ。ずっと一緒だ、アイシテル」
拓也は隣で寝息を立てる小さな恋人に、そう囁くのであった。-fin-

うーん、文章が淡々としていると言うか、展開が急すぎると言うか読者の方からしたら「ん？何だこれ」みたいになるかもしれません。ご意見ありましたら承ります。
これを書く事に私はほんの少しの恐怖を感じていました。それは「21歳と16歳で交際なんて……」というご意見を頂くかもしれないからです。世間から見ると21歳と16歳は成人している大人と子供という位置付けになる為、恋愛をするには困難があると思います。特に周りからの意見が気になります。ですが、二人だってそれを分かった上で付き合っています。お互いがお互いを尊重し、愛し合っていれば良いのだと私は思います。なので周りの方々も温かい目で見て欲しいというのが私の望みであり、願いでもあります。