私にできることできないこと
海沿いの趣のあるレストランでのウエディングパーティでした。
音楽が好きで、音楽で出会ったお2人の嬉しい日です。
誤解を恐れずに言えば、
披露宴でよくある「プロのおもてなし」という言葉は苦手です。
おもてなしってスタッフにできるものではない。
ましてや
いい披露宴なんてスタッフが頑張ったからできるもの、ではない。
司会の仕事を最初に教えてくれた大先輩は、
「今日って最高だったよね」だけで終わるのがベスト、
「今日の司会者、良かったよね」なんて
うかつに印象に残ってしまっているうちは
プロとして修業が足りん、といつも言っていました。
プロだからといって何でもできるわけではなく
むしろ
自分にできることとできないことが
明確にできているのがプロ。
この日
私にできることはほとんどなくて、
お2人とご家族とゲストで作り出している最高の時間が止まらないように、
何かあったらサポートできるように準備だけして
ほん~の少しだけ手を添えていること。
小さいけどなくてはならない、私の仕事。
友人スピーチでマイクの前に立ったゲストが
泣きそうになる自分をコントロールしようとして小さく吸った息の音。
新郎が学生時代の仲間とするバンド演奏、
そのどの曲も誰よりも歌詞を覚えて口ずさんでいるお母さまの笑顔。
ファーストミートで
じんわりと幸せをかみしめる新郎と
花のように笑う新婦のサイレントシーン。
2人とゲストのカウントダウン。
歓声をあげるゲストの肩越しに見える
美しい秋の花火。
ヨットが走る雨の海。
私はこの仕事が大好きで、
これからもきっと続けていくんだろうけど
今日の司会が最後になっても
全く、全く後悔はないわ、うん。
そんな
全てが完璧な1日でした。
どうぞいつまでもお幸せに。