長谷川莉人

※フィクションですよ、フィクション。 或る女の日記。

長谷川莉人

※フィクションですよ、フィクション。 或る女の日記。

最近の記事

或る記録.7

⁡ ****** ⁡ 「…実はみんなには安定期に入ってから伝える、  ってことになってたんだけど、社長がポロッと  言っちゃうから…」 ⁡ …と例の上司がなぜか弁解するように私に言った。 ⁡ どうやら社長はスタッフ全員知っているものと 思っていたらしい。 ⁡ 「ここに就職してまだ2ヶ月しか経ってないから、申し訳ないって言ってて。だからすぐには報告しなかったんだけどね…。」 ⁡ 私の顔を伺うようにそう話す上司。 ⁡ ⁡ 何が悲しいのか分からない。 だが、泣きそうだった。 ⁡ 申

    • 或る記録.6

      ⁡ ****** ⁡ ⁡ 「そろそろ不安になってきたやろ?」 ⁡ ⁡ ……いえ、もうずっと不安です。 ⁡ ⁡ そんな言葉を飲み込んで、先生の話に相槌をうつ。 ⁡ 「次のステップに進もうかね」 ⁡ ⁡ ---人工授精だ。 ⁡ ⁡ といっても、妊娠率は自然妊娠とあまり変わらない。 ただ、夫の単身赴任まであと2ヶ月を切っている。 やれることは全てやっておきたかった。 ⁡ 「お願いします。」 ⁡ 確実に排卵日を狙うため、 今まで以上にスケジュールの調整が難しい。 ⁡ ---排卵日を過

      • 或る記録.5

        ⁡ ****** ⁡ ……このまま来ないでほしい。 ⁡ ⁡ ⁡ 基礎体温も高いまま。 いつものPMSとはなんだか違う気がする。 下腹部もなんとなくチクチクするかんじ。 ⁡ ⁡ 今度こそ絶対そうだ、と思った。 ⁡ ⁡ そう思うと、なんだか世界まで明るく色づいて見える。 ⁡ ⁡ なんだ、私もちゃんと妊娠できるんだ。 やっぱりタイミングの問題だったんだと。 ⁡ そんな胸が高まる日々を過ごしたのも束の間。 ⁡ ⁡ その数日後、少量の出血があった。 ⁡ ⁡ 「…うそ、いや、これはちがう

        • 或る記録.4

          ⁡ ****** ⁡ ⁡ 夫が単身赴任になるかも、という話は以前から聞いていた。 それもあって、正式に時期が決まる前に 病院に行こうと話し合ってはいたのだ。 ⁡ ---今が4月、本格的な単身赴任は11月から。 ⁡ 5月からタイミング療法をしたとして、 6回くらいチャンスはある。 ⁡ しかも単身赴任といっても、 K県だから、車で片道約2時間半。 ⁡ 「帰ってこれない距離じゃないよ」 ⁡ 夫はそう言っていたが、しかし、 それ以降もタイミング療法を続けるのは 正直厳しい気がしていた

          或る記録.3

          ⁡ ****** ⁡ ⁡ ----例の上司に不妊治療を始めると話したとき、 ⁡ 「そういうのって神様が、『この人、困ってるな』と  思って、そっと空から赤ちゃんを運んでくれるんで  すって。」 ⁡ ⁡ そんな話をされた。 ⁡ ⁡ …じゃぁ私は困ってないってこと? こんなに困っているのに。 ⁡ ⁡ 励まそうとしてくれたんだな、 ってことくらいは、なんとなく分かる。 ⁡ ただ、この言葉をどう飲み込んだらよかったのか、 今になっても、よく分からないままだ---- ⁡ ⁡ ⁡ ---

          或る記録.2

          ⁡ ****** ⁡ ⁡ 「また明後日来てね」 ⁡ …ということは、仕事を休むか、時間で抜けるか、か…。 ⁡ ⁡ とにかくどちらにしても、 上司と社長の2人にはこのことを話さなければならない。 ⁡ ⁡ しかし、幸いにもこの2人は理解があった。 上司はシングルマザーのため、 お子さんの事情でお休みをとることもあり、 お互いさま、と言ってくれた。 社長は、実は奥さんが20年以上前、 不妊治療をしていたそうで、 かなり大変なのは分かる、と。 ⁡ ⁡ ただ、この職場に受付は私1人。

          或る記録.1

          ※プロフィール欄にも書いてありますが、 念のため言っておきます。 ⁡ これから書くお話しは、フィクションです。 ⁡ ちなみに、今回だけでは終わらないので続きます。 ド素人の書く小説みたいなものと思ってお読みください。 一部、生々しい(?)表現もあるかもしれません。 ⁡ …と言ってもいつものように、或る女の日記、です。 ちょっと長いだけ。 間が空いてましたが、再開。 ⁡ ⁡ ⁡ ******** ⁡ ⁡ ⁡ これは、或る女の、或る記録。 ⁡ ⁡ 私の、不妊治療の。 ⁡ ⁡ 以前

          R.4 12.17

          実は急遽3年目の後輩が年内で辞めることになった。 ⁡ ⁡ そのせいで社長と例の上司の機嫌が、 最近あからさまに悪い。 まるで隠そうともしない。 特にその3年目の子へのあたりが強い。 ⁡ ⁡ まぁその後輩も確かに急遽すぎる、ってゆうのもある。 年末って。 せめて年度末にしてくれ。 ⁡ ただ、機嫌を前面に出す上司たちもどうかと思う。 ⁡ ⁡ 社会人のなんたるか、お前らどっちも学び直せよ。

          R.4 12.3

          旦那が今月から本格的に単身赴任になった。 ⁡ ⁡ ⁡ びっっっっくりするほど ストレスフリー…!! ⁡ ⁡ ⁡ 少しは寂しいとか、 話し相手がほしいとか、 感じる自分がいるかと思ったが、 逆に心から解放された清々しい自分がいる。 ⁡ ⁡ おそらく私には こういう距離感が大事なんだと悟った。 ⁡ ⁡ しばらく自由にさせてもらおう。

          R.4 11.18

          最近の旦那。 ⁡ ⁡ 「頭痛い」 「お腹痛い」 「腰が痛い」 ⁡ ⁡ ………で? ⁡ ⁡ 何なの、その体調悪いアピール? ⁡ ⁡ ⁡ いちいち報告しなくていいから早く寝ろよ。 今の時期、半袖ハーフパンツでいるヤツが悪くね? 最近、そうゆうネガティブ発言が多くて、マジやんなる。 毎日毎日聞かされるこっちの身にもなれ。 ⁡ ⁡ マジ図体だけデカい子供かよ。 ⁡

          R.4 11.10

          最近、忙しくて?日記の間隔があきがちですが。 ⁡ ⁡ 細々と続けていくつもりです。 ⁡ ⁡ 人生、まったりゆっくりのんびりと。 ⁡ ⁡ …が最近の私のスローガン笑笑

          R.4 10.25

          ずっと悩み続けていることがあって、 諦められたら楽なんだろうなぁ、と思うけども ⁡ ⁡ でもそれって、いつ何時をきっかけに 諦めた、ってことになるのか分からない。 ⁡ ⁡ ある瞬間から、はい、諦めました、ってならないし。 ⁡ ⁡ そんな簡単に、スパって切り替わらない。 ⁡ ⁡ だから人間って面倒い。 ⁡ ⁡ ⁡ でも、もう少しだけ頑張る。

          R.4 10.20

          最近、暇さえあれば、 ずっっと可愛いコーギー犬の動画を見ている。 ⁡ ⁡ ⁡ あぁぁ……犬になりたい。 ⁡ ⁡ ⁡ いや、だから病みすぎだろ…。

          R.4 10.12

          …旅に出たい。 ⁡ ⁡ 誰も私のことを知らない世界に行きたい。 ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ……病みすぎたろ。

          R.4 10.7

          とうとう今月末から旦那が単身赴任になる。 ⁡ ⁡ 旦那「まぁ、毎週土日は帰ってくるよ」 ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ …いや、待て。誰がそんなことお願いした? ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ 私「えー、大変でしょー、無理しないで」 ⁡ →翻訳「いやいやいやいや、マジで大丈夫、本当大丈夫、遠慮しとく、ずっーーーと行ったままでお願い」 ⁡ ⁡ ⁡ …我ながらひどい嫁だと思う、秋の日である。 ⁡

          R.4 9.28

          昨日は、例の上司が有休を取った貴重な日。 ⁡ ⁡ へ   い   わ。 ⁡ ⁡ 本当、凪、ってかんじ。 風も波も何もない。 暖かくて穏やかで麗らかな秋の日だった。 ⁡ ⁡ また明日から台風がくる。。