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DALF C2に合格しました!!!

最初に受験してからはや10ヶ月。
これまでのルーアンまでの遠征費を考えるとめまいがするが、このたびDALF C2に合格することができました!!

これまでの道のりはこちら。



受験のスケジュールと準備期間

大学院では当然のように平日がほぼ授業で埋まるため、平日開催が基本のDALFを学期中に受けるのは難しい。

1月に期末試験が終了してから2学期が始まるまでに10日だけ何もない期間があった。そこが最初で最後の今年度の受験チャンスだった。

1学期の授業が終了した安堵からか学期終了直後に少々体調を崩してしまい、DALFの勉強はあまりできないまま期末課題と期末試験の対策をこなしているうちに、あっという間に受験まで10日を切ってしまっていた。

とはいえ前回の反省から、CPE(文章理解&文章作成)を強化しないと受からないことは分かり切っていたので、C1受験当時お世話になっていたフランス人の先生にヘルプを求め、作文を一本見ていただいた。

先生からのコメントは辛辣で、日々若者たちに「フランス語上手だよ~」「何言いたいか全部意味わかるよ~」と甘やかされた私の頭を冷やすのには十分すぎるほどだった。意訳すると

・C1合格時のレベルより大して進歩が見られない
・一部の文章はC2レベルではありえないミスをしている。
・ディクテなど基礎に立ち返ってちゃんと勉強しなさい。

この「大して進歩が見られない」というところは自覚はあったものの、日々の勉強の忙しさにかまけて目を逸らし続けていた。
だが他人、それもDALF採点官の資格を持つプロに指摘されると嫌でも認めるしかなかった。
ほぼ半泣きでこの文章を受け止めながら心を入れ替え、学期中はFLEの授業だけでなあなあでやってきたフランス語の勉強に本気で戻った。

先生が添削した文を何度も何度も手が覚えるまで書いた。
これまで使っていた参考書ではなく筆記に特化した参考書を大学図書館で借り、その模範解答のトーンや構成を分析する毎日。

試験が終わったのになぜか毎日図書館で勉強していた。大学の授業で10時間程度の勉強に耐性が付いていたと思っていたが、フランス語「の」勉強を同じ時間するのは脳の違う機能が使われるようで、疲弊していた。

しかし、これまで浪費してしまった金額や次の受験チャンスを考えると、絶対に今回を最後の受験にしたかった。

受験当日

もはや慣れてしまったルートでルーアンに入る。街が近付くと、旅行のときのような「違う町だ~!」という高揚感は一切なく「また来てしまった……」という諦観というか、あの美しい大聖堂のてっぺんが見えても、どこか少し冷めた気持ちになってしまっていたのが恐ろしかった。

パリの自宅から持ってきたおにぎりを食べ、アリアンスフランセーズへ。
まずは恒例の回答開示である(手順などは前回記事参照)。

8月受験時はCPOが合格圏内、CPEがダメだった。
CPEでなぜかいつもは良い点が貰えていたところで大幅減点を食らった原因を紐解き、CPOで加点をもらえた表現を丸暗記し、いざCPE本番へ。

今回のsujet(テーマ)は、奇をてらった8月よりかなりオーソドックスで書きやすかった。翌朝、CPOも王道のsujetが来て、今までの引きは何だったのだろうと少々絶望してしまうくらいだった。

しかし王道だからこその難しさもあり、Débat(王道のsujetはだいたい、最後の討論(débat)がほかの分野まで飛ぶ)ではところどころ詰まってしまい、終わった後は「ウーーーーン???」と手応えの微妙さに首をひねってしまった。

私は23年8月から25年1月までルーアンに計6回通い詰めたので、そこの学生でもないのに職員さんに顔を覚えられてしまっている。

CPOの前には儀式的に挨拶と口頭試験の内容を説明する時間があるのだが、採点官のうち1人が以前当たったようで「あっ!あなたはもう内容知ってるよね~」と言われてしまい、悔しいやら恥ずかしいやら……。

一番懇意にしていただいたムッシュには、一泊分の鞄が入った重い荷物を試験中別室で保管しておいてもらったり、オーラルの準備中に食べたおやつの袋を捨ててもらったりと、もはやお世話していただいていた。申し訳ない、ありがたい。

最後に荷物をまとめ、受かったか不安でしわしわピカチュウのような顔をしながら出ていこうとする私に、そのムッシュは

Je ne te dis pas à bientôt !!
(またね、とは言わないよ!)

と言って見送ってくれた。

受かった、その後?


そしてまだ点数は不明だが、なんと受験して4日(うち2日は土日なので、2営業日で採点をしている。どんな仕組み?)で合否の速報が出た。

結果は合格。正直このsujetの引きで落ちてしまったら後がないと思っていたので、本当に安堵した。

フランスでは現在仏検が受けられない(コロナ禍以降、パリ会場の受験は復活していない)ので、いま受けられるフランス語の試験で最も難しいものをパスした状態だ。


大学院はC1があれば受かるので、なぜC2まで受けるのかよく聞かれた。「試験がないと勉強がんばれないんで~」と言っていたが、この帯同中のひそかな目標のひとつがこのC2取得だった。落ちるのが怖くてあまり人には言えなかったが。

私は休職ではなく退職して帰国後の行き場がない状態でフランスに来ている。せめて、フランス語くらいは客観的に「できます」という指標を持ち帰りたかった。

また、今は大学院で日々話すたび「ああ言えばよかった」「あれは女性名詞の冠詞付けちゃったけど本当は男性名詞じゃん!」と毎日反省点ばかり。試験がなくても勉強せざるを得ない状況だ。

今後2学期は授業のコマ数が減る分、フランス語「の」勉強にも充ててきたいと思い、C1/C2レベルのボキャビルの本を1日最低2ページ進めることを自分に課した。

そして、もうひとつ。
私は大学で英語とフランス語の教員免許を取得したが、教育実習は英語で行ってしまったため、まだフランス語の教授経験がない。
でも今回C2を取得したことで、ようやくフランス語を教える立場に一歩近づけたのではという気がする。

今後もし駐在が人生に付き物だとしたら、会社に頼る形ではなく自分の力で稼得しなくてはならない。
そのとき教員免許が私を助けてくれるように、フランス語を教える側の知識経験もこれから積めないか。そんなことを考えている。


C2を取得したからと言って、ネイティブレベルには程遠いし間違いもする。
それでも、この10ヶ月落ち続けてモヤモヤしていた試験に合格したことは本当に喜ばしいし、安堵した。

家族、受験仲間や先生に合格を知らせ、たくさんの「おめでとう」を貰った。頑張れたのは、周りの人の支えがあったからだ。感謝しかない。

これからディナーで、ちょっと贅沢にシャンパンを開けようと思っている。


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