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東大の事件に関して護身術インストラクターが思うこと

2022年1月15日、大学入学共通テストの会場である東京大学において、受験生を含む3名が刃物で斬り付けられる事件が発生しました。

逮捕されたのが17歳の少年ということもあり既に大きな話題になっていますが、教育業界の会社に勤めており、且つ護身術を学んでいるand普及させたいと思っている私としてはとても他人事に思えないので、自分なりの考えを書きます。

まず、こういった事件が起こると、報道等では「犯行の動機」や「犯人の人物像」が注目されがちです。

しかし、これには注意が必要だと思います。

犯罪を起こした人物のバッシングに終始してしまう可能性があるからです。

凶悪犯罪に対して憤るのは当然ですが、特に最近の犯罪は「人生を諦めた」とか、どのような形であれ「注目を浴びたい」と考える人間が起こすので、こと再発防止という観点で考えた時に、バッシングは効力を持ちません

動機に注目することは、犯罪を起こす動機を生み出さない社会経済的な環境を作る、という観点では重要で、そういった報道もちらほら見かけるので、良いことだと思います。

環境に恵まれなくても大多数の人は犯罪なんて起こしませんが、「結局はその人次第」という自己責任論もバッシングと同じく犯罪抑止の役には立たないので陥ってはいけない落とし穴です。

少し話が逸れましたが、社会経済的な環境の整備には一定の時間を要します。
また、どれだけ環境を整備したところで身勝手な動機で犯罪を起こす人間がいなくなる訳ではないので、やはり「犯行の動機」に注目するだけでは足りません。

では、何に注目するべきかと言えば、どのような時に犯罪が起こるのか、すなわち「犯罪の機会」の方が重要だと思います。

犯罪の機会という観点で考えた場合、有名なのは「割れ窓理論」で、窓が割れているのが放置されている地域は犯罪に対する住民の関心が薄いため、犯罪者にとっては非常にありがたい場所になります。

個人レベルではそのような地域へのアクセスを避けることで犯罪被害に遭うのを防ぐことができ、地域全体が割れた窓を放置しなければ犯罪を抑止することが可能になります。

一方、今回の事件や、2021年に続発した電車内、室内での刃物犯罪や放火(未遂も含む)では、誰もがアクセス可能な公共空間、いわゆる「ソフトターゲット」が狙われています。

つまり、残念なことですが誰もがいつ何時でも犯罪の被害者になり得る、ということを認識する必要があります。

では、どうすればよいのか。
私なりの考えを次の記事では書きたいと思います。

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