【北米エンタメニュースまとめ】米コミックスの「発禁処分」と検閲の状況、投資会社「アニメが世界を席巻している」、インドで「おぼっちゃまくん」新作アニメ
日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。
2024年夏シーズンのベストアニメBY アニメニュースネットワーク編集者
アニメ・ニュース・ネットワークの編集者が選ぶ2024年夏シーズンのベストアニメ。みなさんのセレクトとレビューが興味深いです。
そしてシーズンが終わると、すぐに次の新作アニメの発表です。
「私の幸せな結婚」
VizMedia、オンラインで読切作品のレビューを開始
短編作品の発掘に世界的に力を入れている集英社グループ。米国の関連企業のVizMediaも読切作品の発掘・発表に力を入れており、こちらの記事ではオンラインで読切作品のレビューをすると告知しています。期間限定のようですが、うまくいけば定期的にやってくれるかもしれません。
活況を呈する中国のデジタル出版産業
中国のデジタル出版産業についての記事です。ゲームはもちろん、このデジタルコンテンツの拡大には漫画も貢献しているそうです。
コミックスの「発禁処分」と検閲の状況
米国では「Banned Books Week」という何らかの理由で「発禁処分」になった出版物にフューチャーする週間があります。それをきっかけに、足元の米国で広がっている「発禁処分」についてのリポートが発表されました。コミックスやグラフィックノベルは発禁処分や検閲の対象になりやすいとのことで、処分数は2021年から増加し、23年に急増しています。特に各州でターゲットにされているタイトルは、LGBTQ+に関連する作品が目立つ。作者も戸惑いを見せており、この勢いは止まらなそうです。
「アニメが世界を席巻している」BY アンドリーセン・ホロウィッツ
今週一番面白かった記事です。アンドリーセン・ホロウィッツという米著名投資会社のメンバーによる世界のアニメ市場の見方です。アンドリーセン・ホロウィッツとは、米国を代表するベンチャーキャピタルのひとつで、IT分野を中心にスタートアップ企業に投資しています。もちろん過去のレコードも華々しく、米フェイスブック(現メタ)やエアビーアンドビーを育てたといわれています。
そんなVCがアニメ市場をどう見ているか。基本的にはアニメというかアニメを中核としたIP市場が世界で大きく拡大するとみているのはもちろんですが、IT企業を中心にみているということで、IPを活用しているテクノロジー企業の名前が多く上がっています。あくまで「そういう見方をしているのか」となりますが、バーチャル空間プラットフォームのロブロックス上でアニメを二次創作したゲームを作る企業や、日本のアニメのキャラクターと「対話」できるプラットフォームを運営する企業なども。あくまで各社はプラットフォームを運営しており、IPを使っているのは個人ですが、世界ではいろいろな場面で柔軟に日本のアニメ初のキャラクターが使われていることがわかります。(日本の著作権法上どうなのかという疑問は残りますが)もちろん全企業が生き残るとは限りませんが、確実に日本のIPが浸透していることが見えてきます。
「おぼっちゃまくん」新作アニメ、来春インドで
インドは勢いありますね。旧作をテストマーケティングに出してみて、人気があったら新作というのはこれからいい流れになりそうです。すでに10年ぐらいインドで人気とのことなので、一段の伸びに期待です。
古本の売買でも、著者に利益を還元できる英国の仕組み
エンタメとは直接かかわりないのですが、英国の古本売買の仕組みです。一般的に古本の売買は著者にリターンが行きませんが、この英国の仕組み「Bookloop」を通すと、作家関連団体に売り上げの一部がリターンとしてわたるとのことです。
海外在住で日本で漫画家デビューしたinee先生インタビュー
前週のまとめで話題に出した海外で急激に人気を高めている漫画「ラブ・バレット」。どんな方が書いているのかと気になっていました、作者のinee先生のインタビューが公開されました。なんと米国在住で、SNSで漫画を公開していたところ日本の編集者に声をかけられてデビューしたそうです。「よつばと!」などを読んで育ったとのことなので、漫画エリートですね。
2000年代初めと似てきたアニメ業界、不況は繰り返されるのか
アニメジャーナリストの数土直志さんのリポートです。いつも鋭い視線で勉強になります。足元のアニメ制作数の増加などを受けてのアニメビジネスブームですが、数土さんによると必ずしも初めてではなく、2000年代にもあり、そのときも新しいプラットフォームと海外がけん引役だったとのことです。2000年代初めのときはバブルが崩壊してしまいましたが、今回はどうなるのか。
追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。
「読切漫画」という存在の位置づけの変化はするどく、なるほどなと思いました。確かに雑誌に掲載されていたときよりアプリサービスのほうが気軽に読めて、さらにSNSなどでほかの人にもすすめやすいなと実感しています。
今週はここまでー。引き続きよろしくお願いいたします。