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【北米エンタメニュースまとめ】オレンジが電子書籍配信サイト立ち上げ、講談社がNYCでポップアップストア、「ちびまる子ちゃん」の世界進出戦略、「魔法少女ダンデライオン」が英語版配信

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


オレンジ、電子書籍配信サイト「emaqi」を米国などで立ち上げ

AIを使った漫画翻訳を手掛けるオレンジが米国やカナダで電子書籍配信サイト「emaqi」を立ち上げました。同時に集英社と、読切作品の翻訳を手掛けることでも提携しました。

 emaqi(絵巻、でしょうか)はこんな感じ。一部無料で読めて、チャプターごとにお金を払うタイプ。ジャンプ+の読切の英語版もこのプラットフォーム上で読めるそうです。

この立ち上げに関連して、オレンジがemaqiにどのようにAIを使っているかインタビューに答えていました。この記事とemaqi立ち上げの発表では、オレンジは「AI翻訳を手掛ける」ことを強調せず、あくまで「翻訳で必要な範囲でAIの技術を使っていく」との表現になっており、AIの利用についてトーンダウンしているとも受け取れます。どの翻訳を使うかの最終判断は人間がしているとも答えています。

https://www.comicsbeat.com/orange-inc-exec-clarifies-ai-use-for-emaqi-manga-localization/


バーンズ&ノーブルの創業者死去 

日本の漫画の販売拠点でもあるバーンズ&ノーブルの創業者がお亡くなりになりました。バーンズ&ノーブルを全米最大の書店チェーンに育て上げた方です。デジタル化ではアマゾンに後れをとったものの、リアルな場所としての書店の強さは健在です。


講談社、NYCでポップアップストアを10月に主催

講談社がNYCで漫画関係のイベントを開催します。10月に「Kodansha House: Where Manga Meets」との名前で、ポップアップストアを立ち上げ、漫画家らを招いたサイン会を開催するとのことです。カフェや、漫画が読めるライブラリーも設置する見通し。映画の上映もあるそうです。


「ちびまる子ちゃん」、世界進出戦略

日本を代表する「slice of life」漫画、「ちびまる子ちゃん」が世界進出を加速しています。Mintoがタイにおける展開をプロデュースすると同時に、フランス語版も発売されました。


ちびまる子ちゃんは日本で読んでもすげに昭和の哀愁漂う物語なのですが、日本以外の国ではどう受け止められるか気になります。

ちびまる子ちゃんはドイツ語版のパッケージソフトも出ているようです。


AniimeNYCの話題 雑誌に関するパネル、イベントの良かったところ改良してほしいところ

https://www.comicsbeat.com/anime-nyc-24-evan-mintos-manga-magazine-mania/

AnimeNYCに関する記事を2つ。ひとつは、イベントで開催された日本の漫画雑誌に関するパネルを紹介する記事。米国での漫画はほとんどがコミックスを経由してなので、雑誌という形態の面白さが語られています。

もうひとつはイベント全体の関する記事です。イベントの良かったところと改良してほしいところについて。イベント会場のWifi強化などは主催側ではどうしようもない気がしますが。


米国のマンガ市場が急拡大している件

コミチ代表の萬田大作さんによる米国の漫画市場の分析リポートです。細かく数字に落とし込んでいて理解が深まりました。


「ベルセルク」のファンアニメーションを巡るいざこざ

ベルセルクの公式のアカウントから、「アニメーションの制作が告知されたものは著作権上の許諾を出したものではない」との声明が。各国語でも出ていて、各国のファンの反応が見えます。どうやら大本は、ファンがプリプロダクションのファンアニメを公開して、クラウドファンディングで制作の資金を集めようとしたようです。


「ONEPIECE」は「ニッチ中のニッチ」からいかに世界現象になったか

BBCがアニメ「ONEPIECE」の配信権を獲得したことを受けて、改めて世界的にONEPIECEがどのように受け入れられていったかを分析した記事です。みんなドラム王国編ではまるのは日本と同じですね。


ということでとうとうONEPIECEは25周年記念で、ニューヨークのファッションウィークにデビューします。


モルドバのアニメ愛は、もはや漫画的ではない

米国など大きな市場もいいですが、もっと細かな各国の漫画・アニメ市場を知りたいと思っているとときたまこのような記事が流れてきます。こちらはクランチロールの拠点の開設などによってモルドバがアニメの拠点になりつつあるという記事。語学の学習に使われると同時に、クリエイティブな人も刺激しているとのことです。


「魔法少女ダンデライオン」、VizMediaで英語版を配信

小学館の「Sho-Comi」で連載が始まった「魔法少女ダンデライオン」が連載開始直後にも関わらずVizMediaで英語版の配信が始まりました。これ、1話の日本語版の配信前に、イラストがX上で公開されるとすごく英語圏の人に響いたらしくて話題になっていました。すでにファンアートも出回っています。「魔法少女」がカテゴリーとして人気みたいです。願わくば単行本までうまく売れてほしい。


コミック専門店のためのチャンネルごとの販売トレンド

ComicsPROというコミック専門店の業界団体によるイベントが開かれ、専門家によるプレゼンテーションなどが行われました。その中のグラフィックノベルの販売に関する分析です。数量全体はコロナ禍以降の伸びからは落ち込んでいるものの、担当者は「コロナ禍でつかんだファンは逃げていない」と断言。すでに2024年上半期の米国のグラフィックノベル市場のうち、漫画を含むアジアスタイルのコミックは40%を占めており、アニメが放映されれば漫画が売れるというサイクルができているそうです。24年上半期に売れたタイトルとして「薬屋のひとりごと」などを挙げました。


そんなグラフィックブックと漫画の9月のランキングです。「呪術廻戦」が2位に入っています。これをみると「manga」市場ではなく、日本の漫画がどのような作品と戦っているかが見えてくると思います。


追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

コミックシーモアの「2024年3月期売上が812億円」はすごいですね。さすがガラケー時代からの電子書籍配信サービスの雄という感じがします。ところでみなさん、端末は何で読んでいるのでしょうかね?スマートフォンなのかタブレットなのか。

あと菊池さんの書籍「漫画ビジネス」、みなさまご購入よろしくお願いします。(書籍の紹介はこちら→https://cm-publishing.co.jp/books/9784295410157

今週はここまでー。引き続きよろしくお願いいたします。


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