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アニメ「Look Back」ディレクターインタビュー、Mintoが『Roblox』の開発で住商と提携、ポップカルチャーが文化論争と出会うとき、ミュージカル「進撃の巨人」NYCデビューで大盛況

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


インドネシア、ASEANのアニメビジネス拡大をけん引

日本企業でもインドネシアの制作会社に出資するところがでています、インドネシアのアニメ制作会社がいかにASEANのアニメビジネスをけん引しているかをまとめた記事です。インドネシアは人口も多く、若い世代が多いので、アニメ・漫画はまだまだ拡大余地がありそうです。

日本でWebtoonの製作を手掛けるソラジマもインドネシアの漫画制作スタジオに出資されています。


「サウジ最早オイルでない」 アニメ会社CEO、日本と連携

インドネシア同様、市場および制作として注目なのがサウジアラビア。戦略的にアニメを含むIPに投資しているサウジアラビアのアニメ制作会社のインタビューです。東映アニメーションとも提携し、日本のIPも取り込もうとしています。

日米韓で異なる「IPビジネス」の稼ぎ方 軒並み好調のエンタメ企業を分析

コンテンツビジネスを国内外で手掛けるMintoの水野和寛代表取締役による各国のIPビジネスの仕組みの解説です。実際にビジネスをやられている方の視点という感じで非常に勉強になります。各国のビジネスの違いをうまく取り入れてやっていくのが吉かと。


小さなチームがいかにメガヒットを生むかーアニメ「Look Back」ディレクターインタビュー

アニメ「Look Back」で監督・脚本・キャラクターデザインを務めた押山清高氏のインタビュー。いかに制作会社を立ち上げ、メガヒット作を生んだか。「Look Back」は米国でも公開され、興行収入を伸ばしています。


Minto、『Roblox』の開発プロデュースで住友商事と提携

個人的に日本のIPの展開先のひとつとして、Robloxは面白いなと思っています。すでに二次創作で日本のIPがRoblox上で展開されていますが、漫画、アニメ、グッズ、舞台、動画などの次としてRobloxを含むプラットフォームはきちんと抑えておいたほうがいいのではと思います。既存のプラットフォームでは触れていない層を取りに行けると思います。


ポップカルチャーが文化論争と出会うとき

インターネットであらゆる世界の人の考えが可視化されるようになって、顕在化してきたのは文化と文化のぶつかり合いです。外から眺めている人にとっては興味深いのですが自分の好きなコンテンツが巻き込まれると頭を悩ませることに。この記事は、HD-2D 版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』でのキャラクターデザインの変更などをきっかけに起きた文化論争について日米のポップカルチャーに詳しいマット・アルトさんが解説したものです。

マット・アルトさんは、製品を通じていかに米国に日本文化が広がったかをまとめた「PURE INVENTION」などの著者があります。ゲームの翻訳なども手掛けており、日米の文化そしてビジネスに詳しい。その方からすると、「日本というのはアメリカに比べてゲーム含めてコンテンツでの裸体と暴力の表現に厳しい」「大人向けでもヌードを掲載することは違法である」「そしてそれは決して『wokeness” or “DEI” or “Communism』とは関係ない」とのこと。確かにそうですね。特にゲームでの表現を制限しているのは業界の自主規制であるCEROのレーティングなので、日本向けと海外向けで暴力やヌードの表現が変わることもあるそうです。

コンテンツビジネスが世界に進出するときには、意識しておきたいテーマとなりそうです。


東宝、映画公開で米市場に直接進出


東宝の米国の映画公開で明確な戦略の変更が。「僕のヒーローアカデミア」の新作映画について、旧作のようにCrunchyrollと手を組むのではなく、子会社を通じて直接公開に踏み切りました。すでにかなり北米市場から収益を上げているようです。

東証、アジア成長企業の上場サポート 日本アニメ配信のプラットフォームも

東京証券取引所が、アジアの成長企業の東証上場を後押しするプログラムを始めるとのこと。その中には、ベトナムで日本のアニメの配信を手掛けるプラットフォームや韓国のコミック配信企業も含まれているそうです。実際東証上場となれば一段と情報開示が進みお金も集まりやすくなるかも。


ミュージカル「進撃の巨人」NYCで大盛況

「どの作品がいくか」が焦点になっていた、2.5次元舞台の海外進出。期間限定ではいろいろな作品が進出していましたが、とうとうこの作品がというのがミュージカル「進撃の巨人」。IPそのもののグローバル人気がある中、ニューヨーク公演は全公演ソールドアウト。日本語公演、英訳表示だったにもかかわらず、現地のファンも多かったようです。(もちろん日本から行った人も少なくなく)


タイムズスクエアで広告掲出や役者の挨拶もあり、アピールしました。私も動画撮影OKの部分を見ましたが、そうとういい舞台です。

こんな感じです。


ドイツの漫画・ラノベ翻訳者ら、待遇改善の署名募集

「貧困寸前だ」こんな訴えで、ドイツの漫画やライトノベルの翻訳者らが待遇改善を訴える署名を募集し始めました。これらのコンテンツの翻訳者はもともと好きな人が始めることが多く、「好きを仕事にしている」と待遇もなかなか改善せず。この物価高の中でとうとう堪えきれなくなったのではないでしょうか。

これについてはドイツでアニメ関係のイベントを手掛けるKatahoさんが詳しく書かれています。

これ、北米でも同じ問題を抱えており、特にCrunchyrollの翻訳者の待遇がよくないとのこと。しばしばオンラインで話題になります。

個人的には翻訳者というのはどの国でも翻訳元の国と、翻訳先の国をつなぐ重要な役割だと思います。もちろんいまはオンラインもありますが、現地のイベントなどでコンテンツをよく理解して広げてくれる存在でもあります。出版社やアニメ制作会社はむしろいまから各国でコンテンツをきちんと理解して翻訳してくれる翻訳者を囲い込んだほうがいいぐらいだと思っています。


ウェブトゥーンエンターテインメント、デュオリンゴとパートナーシップ締結

これ少し面白い動きです。Webtoonを手掛けるウェブトゥーンエンターテイメントがアプリの語学学習サイト、デュオリンゴと提携しました。コンテンツが出てくるのか、デュオリングの中に漫画が登場するのか。気になります。


オーバードライブ、出版ビジネスに参入

電子図書館サービスに手掛けるオーバードライブが出版ビジネスに参入するとのことです。米国は、禁書の動きもあり、ますます「図書館」という存在が情報を手に入れることへの鍵になりつつあります。その中で、オーバードライブはさらに踏み込み、直接出版社を立ち上げて書籍を出していくとのことです。


熱狂!NYコミコンで見た世界の“日本アニメ愛” 4.6兆円市場最前線


10月下旬、ニューヨークで開催されたNYCC。今回テレビ東京のカメラが入りコスプレの様子などが撮影されました。


ウェブトゥーンエンターテイメントで労働争議

韓国のWebtoon制作・配信会社、ウェブトゥーンエンターテイメントで労働争議が起きているそうです。しかもそのきっかけが、NY市場への上場だそうです。上場にあたり、従業員に報酬などがなかったうえ、トップは上場にあたっての報酬の一部を現金で受け取ったことで、将来の株価上昇や成長への期待が後退し、従業員が不満に思っているとのこと。長引いて作品が発表されないとなると、いろいろな影響が大きそうです。


米国出版協会、生成AIの学習のために創作物を無許諾で使用することに反対する署名に賛同

AIに米国で逆風が吹いています。米国出版協会が、生成AIの学習のために創作物を無許諾で使用することに反対する署名に賛同しました。日本のクリエイターもこの署名に賛同されている方もいるので、AI企業側としてはクリエイターへの交渉が今後は必要になりそうです。


講談社、海外漫画配信アプリをカナダやオーストラリアなどでも配信

講談社系の漫画作品を海外配信するKManga。これまで米国で配信していましたが、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールと配信先を広げるとのこと。


アニメ、日本の次なる世界王者となるか/なぜ世界は日本アニメに熱狂するのか


https://www.wsj.com/finance/stocks/anime-is-japans-next-global-champion-078fbb68

WSJが「Stocks」のカテゴリーで日本のアニメを扱っているように、金融市場からもいま日本のアニメは非常に注目を集めています。特に金融市場からすると、かつての日本の自動車・不動産・半導体に続き今度はアニメが世界を席巻するのかと注目されているよう。もちろん中国や韓国、そしてハリウッドとライバルは多いですし、コンテンツはほかの産業以上に相互に影響し合っていますが、少なくとも日本のクリエイターが生み出すものへの注目度は高そうです。


追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

漫画の表紙と原稿料の問題はこれからも話題になりそうです。新規勢力の参入で、いろいろな考え方なども変わっていく局面ですが、編集者や広報担当、営業担当も含む広い意味でのコンテンツに関わる人が報われる世界になってほしい。ちばてつや先生の文化勲章もうれしい。みんな、ちば先生の少女漫画を読んでくれ。




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