【北米エンタメニュースまとめ】「サンリオ」「セーラームーン」がアメリカの若者のあいだで大ヒット、Amazonが「偽本」や海賊版への対策に苦慮、2025年の米コミック業界のテーマ、アングレーム国際漫画祭がスペイン漫画紹介、南米のコスプレで人気キャラは?
日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も大歓迎です。
「サンリオ」「セーラームーン」がアメリカの若者のあいだで大ヒット。「少女らしさ」を楽しむトレンドって?
非常に面白いリポートでした。日米の若者世代について詳しい竹田ダニエルさんの記事です。日本のIPの北米人気の中でも「ハローキティ」と「セーラームーン」の人気は息が長いものです。もちろん「日本コンテンツ人気」という流れはありますし、日本人と同じような理由で好きな人がいると思いますが、その「好き」「人気」の背景を知りたいなと思っていたところでこうした角度の分析は勉強になりました。
ほかの北米のコンテンツ消費にも触れつつ、ハローキティやセーラームーン人気の背景には、大人の女性による「少女らしさ」や「inner teenager」を楽しむトレンドがあるとのことです。確かに日本でも大人になった女性が「少女らしさ」を継続して楽しむことが社会的に許されるようになったのは最近ですが、大人になることへの圧力が強い北米ではそこからの解放が今の段階なのかなと思います。
Amazon、「偽本」や海賊版への対策に苦慮
おそらく世界最大と言って過言ではない書店を運営する「Amazon」がプラットフォーム上で公表される「偽本」や海賊版への対応を苦慮しているという記事です。どうやら人気書籍にタイトルやカバーを似せて、偽物の本が売られているとのこと。Amazonのプラットフォームで海賊版を売るのは度胸があるなと逆に感心してしまいます。
「BLEACH」とアシックスのコラボシューズ、Champs Sportsで発売
BLEACHとアシックスのコラボのシューズ、北米の靴販売チェーンChamps Sportsで発売です。息の長い人気だなーと思います。
クールジャパンの海外進出は終了しています。=ドイツの事例
タイトルは刺激的なのですが、指摘されている内容はその通りだなと思いました。Crunchyroll含めた配信プラットフォームや多くのコミックコンベンションを通じて「海外進出」という段階はかなり終盤にあるのではないかと思います。むしろ前述の「ハローキティ」や「BLEACH」のように「進出した先で存在感を示し続けファンベースを広げていくにはどうすればいいのか」「潜在的なファンに見つけてもらうにはどうすればいいのか」を考える段階にあるのではないでしょうか。
同じくkatahoさんの主にドイツのコミックコンベンションの紹介記事です。
招待拒否:「検閲」の中で学校が著者招待イベントをキャンセル
なんかますます厳しくなっているなという感じです。米国では主にLGBTQ+に関連したグラフィックノベルが学校図書館から「撤去」されているわけですが、著者を招待したイベントもキャンセルされているとのこと。
一方でこちらの記事によると、アーカンソー州で未成年に「有害な」書籍を提供した図書館員や書店に対する刑事罰を科す州法は合衆国憲法に反するとされたとのこと。刑務所に入る懸念から検閲が進む可能性があるとのことです。
MyAnimeList、2024年のアニメランキングなどを公表
主に日本以外のアニメファンが利用する「MyAnimeList」が2024年の登録数などについていろいろなリポートを公表しています。
こちらはMyAnimeList上の登録からみる人気アニメ。「俺だけレベルアップな件」がトップに。
こちらはシリーズもののアニメの中での人気。「BLEACH」がトップになっています。
https://myanimelist.net/stacks/59232
これは2024年に英語版の第1巻が出た漫画の中での人気ランキング。「カグラバチ」が2位で1位は「薫る花は凛と咲く」でした。
著名グラフィックノベリスト、「ガザ」をテーマにしたコミックを企画
第二次世界大戦中のドイツを舞台にしたグラフィックノベル「MAUS」の作者、アート・スピーゲルマン氏と、「パレスチナ」を描いたジョー・サッコ氏による新作の構想が話題になっています。新作は現在戦火の中にあるガザを舞台にしたもの。するどい視線と歴史観を持つ2人の作家による共作は関心高いのですが、米国で出版できるのか?
2025年の米コミック業界のテーマは何か?クリエイターらアンケート
https://www.comicsbeat.com/the-beats-annual-creators-survey-24-25-with-previews-galore/
米国を中心に英語圏のコミックニュースを配信するcomicsbeatのまとめたクリエイターやジャーナリストなどへのアンケート記事です。2024年の振り返りと、2025年はどうなりそうか。クィアを中心に特定のテーマの作品が出なくなることや著者への逆風が吹くことへの懸念もありました。
集英社、Xで「ONEPIECE」の海賊版を発信する人の情報公開請求
集英社がSNS運用のXに対し、「ONEPIECE」の海賊版を発信している人の情報公開を請求したとのこと。
英語圏では、新たに海賊版サイトが閉鎖されたことも話題になっており、出版社と海賊版との戦いはまだ続いているようです。
アングレーム国際漫画祭、スペイン漫画紹介のブース
1月下旬開催のアングレーム国際漫画祭で、スペイン政府の支援のもと、Vignettes de talent をテーマにスペイン漫画を紹介するコーナーが設けられるとのことです。各国政府、漫画が自国文化を世界にアピールするツールになると気が付いたか?商談会も開かれるそうです。
小島秀夫氏の新作ゲーム、ストライキの影響で開発に遅れ
世界的にも人気なゲームクリエイターの小島秀夫氏。新作ゲームの制作がグローバルなストライキの影響で遅れているとのこと。クリエイターと働き方のバランスは近年の映像業界に続き、コンテンツ業界では話題になりそう。
南米のEスポーツとコスプレ文化の関係性
非常に面白い記事でした。eスポーツはもちろん、各国のコスプレでどのキャラクターが人気なのかが分析されていました。コンテスト向きとかいろいろありますね。ヒーローや強い女性キャラクターが人気というのは面白いです。南米の人たちはどうやってコスプレ用グッズを入手しているのだろうか?自作?
米の風刺漫画家が抗議の辞職 ベゾス氏とトランプ氏の接近掲載されず
ドナルド・トランプ氏の米大統領就任を前に、米IT業界の経営者らはトランプ氏に接近しています。当然それを面白く思わない人もいるわけで、米メディアでは厳しく指摘する声もあります。そのひとつで、ワシントン・ポスト紙で漫画家が接近を風刺する漫画を提案したところ、論説漫画部門が掲載を却下し、漫画家が退職する事態に。ワシントン・ポストのオーナーはAmazonの創業者、ジェフ・ベゾス氏なので、オーナーの顔色を窺ったのではないでしょうか。
2024年の中国映画市場の数字を振り返る―躍進する日本アニメ・多様化する中国映画・高齢化するハリウッド映画
目下の日本アニメの海外進出先のひとつが中国。中国の景気そのものは厳しいのですが、日本アニメの人気は徐々に高まっているようです。
今週はここまでー。引き続きよろしくお願い致します。
2024年大変お世話になりました。25年もよろしくお願い申し上げます。