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【北米エンタメニュースまとめ】「舞台「千と千尋の神隠し」が英国で演劇賞受賞」、「カグラバチの単行本発売控えフランスでPR」「マット・アルト氏コラム「日本は文化戦争への備えができていない」」「Netflixのテーマ型レストラン開業」「ホノルル美術館で漫画の展示会」


日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。今週は、

  • 舞台「千と千尋の神隠し」が英国で演劇賞受賞

  • 「カグラバチ」の単行本発売控えフランスでPR

  • マット・アルト氏「日本は文化戦争への備えができていない」

  • Netflixが仕掛ける没入型レストラン「NETFLIX BITES Vegas」

  • ホノルル美術館で漫画の展示会

です。

舞台「千と千尋の神隠し」、英演劇賞で最優秀新作演劇賞受賞

日本に続いて英国公演を成功させた舞台「千と千尋の神隠し」。英国の伝統ある演劇賞「WHATSONSTAGE AWARDS」で最優秀新作演劇賞を受賞しました。ロンドンで135公演上演し、30万人を動員したそうです。次は中国に行くそう。これまた人気になりそうです。


eスポーツ市場の進化:中国と南米の成功事例と共通点


eスポーツ、世界レベルではかなり広がり各国で商業的成功を収めています。こちらは中国と南米のeスポーツ市場について。動画だけでなくアリーナでの観戦もあるとこことで、従来のスポーツに近づいてきている感じが。


米国VSカナダを描くグラフィックノベル、カナダで人気に

https://www.comicsbeat.com/we-stand-on-guard-is-selling-briskly-in-canada/


日本の漫画は取り扱うテーマの多様さが売りですが、英語圏のグラフィックノベルも負けておらず。「We Stand on Gurad」というグラフィクノベルは100年後を舞台に米国の侵略からカナダを守る戦士を描く物語。かなり前に出版されたこちらが、足元の情勢を受けて再び売れているとのこと。コロナ禍で「ペスト」が売れたのに近いのか。


インドで開催された「Mela!Mela!Anime Japan!!」の様子公開


2024年にインドで開催されたアニメコンベンション「Mela!Mela!Anime Japan!!」の動画が公開されました。鏡割りは日本でよりすっかり海外で定着した気がする。


ドラゴンボール仏語声優「AIに声盗まれている」

イラストでもイラストレーターと生成AIの争いが厳しくなっていますが、声の分野にもこの争いが広がりそう。日本でも警戒の声が出ていますよね。


TVでのYouTube鑑賞、米国でモバイルやパソコンを超える

動画配信といえばNetflixやAmazonの名前があがりますが、YouTubeもなかなかプラットフォームとしての存在感は高く、米国ではパソコンやモバイル端末でみるよりテレビでYouTubeを見る人が上回ったとか。YouTuberがクリエイターになってきています。


台湾エンタメイベントレポート

貴重なリポートです。台湾は日本に負けず多くのアニメ・漫画イベントが開催されています。「WIND BREAKER」と「ダンダダン」が人気で、日本とほぼ同時に新作が人気になっている様子がみえます。


「カグラバチ」のフランスでのプロモーションがすごい


2月に発売されるフランス語版「カグラバチ」。現地出版社の力の入れようがすごく、こちらはどうやらPRイベントのようです。刀匠体験もできるとのことで、日本より力はいっていますね。

現地の書店にPOP-UPも作ります。フランス語版は翻訳前から待ち望まれていましたし、売れるのだろうなと思いますが、プロモーション予算をどのぐらいだと提案したのか気になる。


アメリカ図書館協会が選んだ2024年の大人向けグラフィックノベル

https://www.ala.org/gncrt/2024-best-graphic-novels-adult-reading-list

アメリカ図書館協会が2024年の「大人向けグラフィックノベル」のリストを公開しました。日本の漫画の翻訳作品からは、「ひらやすみ」などが選ばれています。


マット・アルト氏「日本は文化戦争への備えができていない」

面白い視点だなと思うと同時に、納得しました。マット・アルト氏は日本のエンターテイメントにも詳しい人です。確かにトランプ大統領就任後の政策はとにかく「多様性」を消し去ろうという動きが米国で広がっており、それを世界中に拡散しようとしています。

この多様性の排除の中では、多様性を訴える日本の漫画はターゲットになりうる可能性も。実際、学校図書館などで行われている「禁書」のターゲットには日本の漫画も含まれています。


Netflixが仕掛ける没入型レストラン「NETFLIX BITES Vegas」

やはりこういうルートですよね。多くのIPを抱えるNetflixが米ラスベガスのホテル内に初のレストランを開業しました。Netflixの持つIPをイメージさせるメニューが楽しめるとか。

内容をみると、日本の「コラボカフェ」に近いもの。好きな人にはこういう世界観が楽しめる場所は旅行などの目的地にもなるので、日本のコラボカフェも世界展開の時期が来たのかもしれません。がんばれアニメイト。


ダイアモンドの破綻はコミックビジネスを永遠に変えるのか

米国のコミックの流通の多くを担っていたDiamond Comic Distributorsが1月に破綻を申請しました。その影響はじわりと広がっているようで、出版社のリストラなどにつながっています。これを機に取引を見直すところも出ているようです。


「キャッツアイ」、フランスで実写版第2弾

北条司先生原作「キャッツアイ」の実写版がフランスで人気を集めたようで、第2シーズンの制作が決まりました。北条作品とフランスは相性がいいのでしょうかね。


「吉祥天女」など吉田秋生先生作品、フランス語版出版へ

先日、少年/青年漫画の翻訳が多いなーと思っていたら、少女漫画家の巨匠、吉田秋生先生の「吉祥天女」などがフランス語版で出る模様。「BANANA FISH」はすでに世界的なヒット作になっていますが、それ以外もいい作品なので、続いてほしい。


趣味を投資機会にしたヴィンテージ・トイコレクターに会おう

バブルはアニメ・漫画から関連グッズ市場へ。ヴィンテージのトイコレクターがそれをビジネスの機会にしているもよう。


2024年の米グラフィックノベル市場、23年比で減少

米国の2024年のグラフィクノベル市場は24年比で微減になったもよう。グラフィックノベル市場のかなりの割合を占めるMANGA市場も減少しました。その中でも売れたのは「ダンジョン飯」に「ダンダダン」だったようです。


ホノルル美術館で漫画の展示「道端からの視線 戦後漫画の貧困の政治」

海外の美術館で漫画の展示をよく手掛けるホノルル美術館ですごい渋い展示が。「漫画が扱うのはバトルとかだけではないぞ」といわんばかりに、つげ忠男先生の「無頼平野」の展示です。原画を保有しているのでしょうかね。すごいな。


この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

どれも興味深いのですが、LINEマンガの説明会の記事が面白かったです。私はいま、ほとんど毎日アプリの「ジャンプ+」を訪れています。かつての紙の雑誌のブランドのように一定のレベルの自分好みの漫画が見つかる可能性が高いからです。「LINEマンガ」も、漫画の配信プラットフォームを超えて「一定のレベルのコンテンツが複数楽しめ、いつでも新作がある場所」と認識されつつあるのかなと思います。


今週は以上です。引き続きよろしくお願いします。


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