新聞

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うちでは新聞を取っていて、まともな気分のときは電車でそれを読んだりする。東京新聞で、のほほんとした自治体のニュースとか、軽微な犯罪のニュースを扱う「したまち」面と、もっと重めな犯罪とか、裁判の詳細が載る「社会」面がお気に入りだ。あとは土曜日の書評面か。

この間ポール・オースターが亡くなった。愛読していたので何とも寂しい。ポール・オースターのインタビューを少し前に読んだが、朝の日課として新聞を読むらしく、世界の悲しみをまとめて吸い込んだ後に仕事に取り掛かるみたいな言い方をしていた。

まさしく社会面は悲しい罪の話ばかりだ。白昼の上野で現金を奪われた、ありもしない投資話で元証券マンが金をだまし取った、トー横の子供が暴行された、役所の生活保護の担当者が受給者に乱暴した。

ケータイでこういう事件を知ることはない。SNSに流れてこない。新聞で知った良い話だってある。不当な差別を生んでいた法律が違憲判断されたとか。自分の関心事と無関係に、編集部の考えで重要なニュースがまとまっているので、自分の世界を縮めずに済みそうだという価値を感じる。

正直SNSが差し出してくるのは自分の関心事でさえない。ちょっと長めに投稿をみたからそれをドバドバ流す、みたいな適当なもので。自分が本当に関心がある、好奇心をそそるものはというと宗教とか詩とか音楽とかになる。SNSには流れない。

あと、応援的な意味合いもある。新聞は調査報道して発信する、一次情報に近い媒体なのでこのまま時勢に負けて部数を減らして取材もできないなんて事態にならないほうがいいと思っている。アメリカで地元の新聞がなくなった地域では公務員の給料がどんどん上がったなんて話もある。チェックは民主主義の基本だ。子供も漢字を覚えつつあるので興味を持てばなと新聞を取っている。

にしても社会面には罪が集まっている。壮絶な記事もある。自分が犯人の情況に陥ったらどうしてたろうかと思うこともある。ここで書くのもはばかれる。そういうニュースはSNSにも流れづらい。すると衝撃を受けて色々考えてしまう。人間の情愛や倫理観とかこだわりとか、そういうものはすぐ妄念になる。南無阿弥陀仏と言いながら、日々気をつけるしかない。


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