ONE PIECE から学ぶ世界の歴史
1997年から少年ジャンプで連載している25年間連載している5億冊発行してギネス記録となっている尾田栄一郎氏作の「ONE PIECE」。ゴールドロジャーの一言で大海賊時代となり、人つなぎの大秘宝ONE PIECEを探しに、主人公ルフィ達麦わら海賊団が冒険する物語。
この漫画には、世界の様々な歴史からインスピレーションされたと思われる内容が多数存在しており、ONE PIECEから世界の歴史を知ることができる。世界の歴史に興味がない人もONE PIECEを入り口として世界の歴史に興味を持ってもらえると思い、書くことにしました。
1.海賊
ONE PIECEの舞台、ゴールド・ロジャーの死とともに始まった「大海賊時代」。海賊、山賊、盗賊・・・賊とつくものはいくつかあるが、なぜか海賊が一番かっこよく思える。これは、行動範囲が海であり、どこまでも続く広大な広さから冒険心を掻き立てるためではないだろうか。
海賊は世界中の海にいて、古くは紀元前期の「海の民」やフェニキア人も海賊だった。また北海・バルト海ではヴァイキング、カリブ海・大西洋で大暴れしたプライベーティア、バッカニア、フリバスターなど。日本にも村上水軍という瀬戸内海をなわばりにした海賊がいた。
その中でも、カリブ海・大西洋・太平洋で暴れたプライべーティアは、日本語で私掠船と呼ばれ、王室が海賊行為を合法化したもの。ONE PIECEの世界でいうと王下七武海が似たようなものか。
王下七武海は、世界政府によって公認された海賊たちで、収穫の何割かを政府に納めることが義務づけられる代わりに、海賊および未開の地に対する海賊行為が特別に許されている。海軍本部、四皇とともに三大勢力の一角。
プライべーティアは王室お墨付きの海賊だが、中でもイングランド王室のプライべーティアが激しかった。16世紀、当時はスペイン、ポルトガルの全盛期。何とか2国に追いつこうとしたイギリスは、海賊にお墨付きを与えて、スペイン、ポルトガルの船を襲い、金銀を奪い、イギリスのものとした。このように、略奪により徐々に力を蓄えたイギリスは、その後の産業革命により一気に世界の覇者に躍り出ることになる。
そのプライべーティアの中で有名なのがフランシス・ドレイク。また、ドレイクが若いころ乗っていたのが、ジョン・ホーキンスの船団。また、歴史上の海賊には、アルヴィルダ、ヘンリー・モーガン、ウィリアム・キッド、エドワード・ロウ、エドワード・ティーチ、バーソロミュー・ロバーツ、メアリ・リード、アン・ボニーといった、ONE PIECEでおなじみの名前が登場する。
出典:「海賊」森村宗冬著、新紀元社発行
「世界史をつくった海賊」竹田いさみ著、ちくま新書発行
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