no+e運営の一方的かつ暴力的な表現規制に抗議する
本文:2024/07/20
ここ二ヶ月ほどの間に、僕が過去に書いた記事が合計三つ、no+e運営によって規約違反と見做されて非公開の処置を受けた。ざっくり言えば凍結またはBANとほぼ同義である。
具体的には、以下の記事がそれだ。
それぞれ問題のない形に修正して再投稿したものだが、記事の内容そのものは修正前の規約違反だった状態と変わっていない。なんなら「一言一句に至るまでほぼ同じ」な記事すらある。実際、古いものなら丸四年も普通に公開され続けていたのだ。
no+eの運営は、これらの記事の何を問題と見做したのか?
どうやらDLsiteへの埋め込みURLとハイパーリンクであるらしい。
これは、状況から見てまず間違いないと思われる。
no+e運営が言外に示唆したところによると、DLsiteやFANZAなどR18系同人ショップで取り扱われているコンテンツはすべて性的ないしわいせつであり、同ショップへのリンクもそれと同等と見做されて、クリエイター規約違反、記事非公開の対象となるらしいのだが……。
今年の春。Visa、Mastercard、AMEXといった外資系カード各社が、DLsiteをはじめとする複数のR18系同人ショップとの取引を相次いで打ち切るという騒動があった。
今回、no+e運営が行った同人ショップへのリンク規制もこれと同源であろう。少なくともこの騒動以前にはDLsiteへのリンクが問題視されることはなかったのだから。
ここだけ見ると、大半の人はこう思うはずだ。R18系同人ショップが取り扱っているコンテンツが過度に性的・扇情的で著しく問題があり、外資系カード会社は良識に照らして取引を停止。no+eもこれに倣ってDLsiteへのリンクを排除するようになったのだと。
大きな間違いである。
そもそもこの騒動において、国内のR18系同人ショップの側には何の瑕疵もなかったということは最低限押さえておく必要がある。
DLsiteにしろ、FANZAにしろ、国内法および日本の倫理規範を遵守しており、いわゆる「わいせつ物」にあたるものは取り扱っていない。ここは本当に勘違いされがちなので強調しておくが、法解釈的な意味においてエロティックな表現物、イコール、性的でわいせつとは限らないのである。
VisaやMastercardらの外資系カード会社が日本のR18系同人ショップとの取引を相次いで打ち切ったのは、米国内でのかなり複雑な事情によるものであって、端的には一種の自主規制と称して差し支えない。
我々日本人からすれば完全に筋違いのとばっちりで、各同人ショップが取り扱うコンテンツが性的か否か、わいせつか否かの判断とはまったく関係がない。
現に、DLsiteやFANZAで取り扱われているR18系の作品(エロゲ)であっても、amazonで取り扱われている同じ作品に対しての埋め込みURLは依然としてOKであり、性的ともわいせつとも見做されていないのだ。
僕の書いた記事だと以下がこの例に該当し、今もってno+eの運営から何の咎めも受けていない。おかしな話である。
では、no+eはいったい何を根拠として、DLsiteやFANZAへのリンクのみを問題視するようになったのか。
考えられる理由はただひとつ。外資系カード会社に「エロ同人ショップと関わっちゃダメ! あそこの商売と繋がりがあるようなら、ウチのカードは使わせないよ!」と迫られて、no+e側は唯々諾々とこれに従った。それ以外に考えようがない。
性的だのわいせつだの規約違反だのという話は後付けの理屈に過ぎず、それがために、amazonで販売されているR18作品へのリンクは見逃されるなどの矛盾が生じているのだ。
ただ、勘違いしないでいただきたい。
僕は、no+e運営の矛盾を糾弾することで、DLsiteやFANZAへのリンクを認めろと言いたいわけではない。
現実問題として、外資系のカード会社による自主規制(R18系同人ショップと関わりのある企業とは取引しない)を撤回させることは不可能に近い。米本国での犯罪事情、それを受けた裁判の判例、ポルノビジネスの現状などが複雑に絡み合っていて、日本のR18系ショップだけを例外とする筋道など立てようがないからだ。2020年代以後の商習慣として諦めとともに受け入れるしかないのだろう。
そして同時に、no+e側が外資系カード会社の要請に従わざるをえない事情も理解できる。いくら道理が通らぬ矛盾だらけの話であっても、米国内の事情を日本へ押しつける不合理な自主規制であっても、外資系カード会社との関係が悪化して決済不能になるデメリットに比べればはるかにマシだというのが本音だろう。
故に、no+eの立場そのものには、むしろ同情の念すら抱いている。国内同人ショップのリンクを弾くなど本来ならやらなくていい仕事のはずで、誰一人として得をしていないのだから。
ただ、それならそれで外資系カードの外圧に負けたということをno+e側はきちんと自覚すべきであるし、こうした誰得な規制のしわ寄せをユーザーの側に押しつけないように努力はすべきではないか?
少なくとも僕は、自分が書いた官能小説作品(厳密にはそのショップページ:画像等はモザイク処理済み)へのリンクを参考程度に貼っていただけだ。それは常識に照らして問題のある行為であったとは思わないし、no+eクリエイター規約9の1に示されている禁止事項に触れた憶えもない。
そもそも、いきなり記事をBANする前に、修正した新たな記事を投稿し直させる前に、たった一言、DLsiteやFANZAなどのR18系ショップのリンクは今後お控え下さいと伝えてくれれば済む話ではなかったのか。過去の記事についても恐縮だが修正をお願いしますと何故言えなかったのか。問題がある箇所への修正を確認したのち、記事を再公開してくれれば済む話ではなかったのか。
何の瑕疵もなく、長らく公開されていた記事を、どうして一方的に公開停止させられなければならないのか。no+eと外資系カードの商業的なつながりを維持するために、なぜわれわれユーザーがワリを食わねばならないのか。
いくらか譲歩して、ゾーニングの観点からR18相当の表現およびこれらを主として扱うサイトへのリンクをNGとし、今後は規制を徹底するので従ってほしい、という話であるなら否応はない。
しかし、それならそれで、恣意的かつ曖昧に規制するのではなく一定の基準は示すべきだ。no+eは何をもって我々の投稿する記事を性的であると見なすのか。それは世間一般のわいせつの基準と同じなのか違うのか。問答無用で公開停止にしておいて、理由は一切教えないから規約の条文を見て自分で考えろでは一方的が過ぎるというものだろう。
no+e運営には猛省を促したい。
あなたたちがやったのは、何の根拠もない暴力的な表現規制であり、無辜なユーザーに対する裏切りなのだということを、どうか自覚してほしい。
これこそ真っ先に「カイゼン」すべき事柄のはずです。
2024/07/20
追記:2024/08/03
後日、この記事を埋め込みURLで引用して下さった方がいらっしゃって、本件の「その後」を知ることができたのでご紹介。
というか、同じno+e内で記事を引用すると引用元に通知が来るんですな。わりと長いこと使ってるけど今日まで知らなかったよ!
この方のお話だと、今は「該当記事の修正→異議申し立て→審査→記事の再公開」という対応をしてもらえるケースもあるみたい。
実は僕の時も「規約違反の意図はありませんでしたが、おそらく問題であると思われる箇所を修正いたしました、確認ののち再公開をお願いします」という感じで丁寧に異議申し立てをしたのだけれど「再公開には原則応じられないと言ったはずだが? 同じ内容の記事を自分で再投稿してなんとかしろ!」とけんもほろろな対応をされたのね。で、二度目に記事を凍結されたとき正直ブチギレて本記事を書き上げ、週末を挟んで四日くらい連絡を放置されたことも重なって怒髪天となり運営さん宛てにも本記事のURLを送付。「こういう対応は良くないと思う」と抗議した経緯があったのだった。
運営さんにその声が届いて、のちに思い直して方針転換してくれたんだろうか? だったらいいな!
うちも平和主義かつ極めてKENZENなモノカキである(つもり)なので、今後は運営さんがちゃんと対話してくださると信じて「めでたし、めでたし」で結びたいと思います。