見出し画像

note版あとがき(SE)

 前書きでも触れておりますが、本作はもともと2003年に企画・立案されたものです。ざっと17年前。僕はまだ29歳でした。

 2020年の今になってこれをnote公開しようと思ったときは「コヲロコヲロ一作だけじゃ寂しいから塩漬けになってるサイズミックも出しちゃうか」という程度の考えしかありませんでした。今後の自分にとってポートフォリオ的な機能を持ちうるかもしれないし、という下心もあったりなかったり。

 でもまあ、ざっくり言えば20年近くも昔の作品ですから、当時の原稿データからテキスト抜き出してそのままドーンと出すにも抵抗がありまして。
 言いたいことはわかるけど描写が拙すぎるよなあとか、ここからここまでの文節まるごと不要っていうか他のパートにも悪影響しかもたらしてないよなあとか、そういう部分がどうしても気になるわけです。
 そりゃそうですよね、多少なりと成長してなきゃ「自分という書き手は20年近くも何やってたんだ?」ということになっちゃいますもん。

 ただ、2020年現在、45歳の自分が本腰入れて改訂すると「こんなもんコンセプトだけ使い回して丸ごと書き直した方が早いわー!!!!!!」てなことになりかねません。
 なもんで、20年ほど前の自分という他人の原稿を預かって、20年後の自分が必要最小限のチェックをする、というスタンスで手を入れました。
 もしも当時出版された書籍版をご存じの方がいらっしゃったら、どの辺が看過できなかったのか比較してみるのも面白いかもしれません。そんなことする酔狂な人はまず居ないと思いますけども。

ここから先は

3,214字
本作は2003年に企画・発案、2004年に小説誌で発表、2006年にノベルスとして商業出版されたものです。 2011年に発生した東日本大震災とは何ら関係がなく、登場人物の発言や行動は00年代初旬の社会的背景を強く反映しています。特に作品のバックボーンとなる中央官庁の描写については、当時取材した内容や入手できた資料に依るところが大きく、現在ではフィクションとしても許容が難しい描写も散見されます。ご注意ください。 .

日向みつきは18歳の予備校生。大きなお節介と小さな迷惑、そして世界規模の陰謀を抱えて、彼女は今夜も東京の空を飛ぶ!

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?